機能性がプラスアルファの要素になる
2014年5月16日 未分類 0
世界的デニム生地メーカー、クロキのブログで、15オンスストレッチデニムが完成したと報告されている。
15オンスのストレッチデニム
http://ameblo.jp/yan17bo14/entry-11850435184.html
今まで、ストレッチデニムは、レディース向けの素材でしたので、メンズ向けのストレッチデニムの企画開発などはやっていませんでした。
また、ここ最近は、ソフトでライトなストレッチデニムが主流でしたので、余計にヘビーウェイトなストレッチファブリックは、無用でした。
メンズ向けの、がっちりしたストレッチデニムも要るじゃん!
ハードな製品加工しても大丈夫な生地が要るじゃん!
実際、今までは、ソフトでライトな素材を追求してきたので、膝抜けや加工でのダメージも多発してきたのは事実です。
そこで、15オンスのがっちりしたデニムが出来たのです。
12~15オンスで数種類あるので、ご希望のウェイトを選んでください!
とのことである。
無印良品でもユニクロでもメンズにストレッチデニムが採用されている。
でも生地は薄い。
厚くても12オンス程度だろう。もっと薄いストレッチデニム生地もある。
ここで書かれているように14オンスのストレッチデニム生地は現状の市場にはない。
レディース基準の生地をメンズも採用しているというのが実態である。
筆者は国内のデニム生地メーカーはそういう機能性生地を強化すべきではないかと考えている。
クロキが紹介している厚手ストレッチデニムというのはその一つであると思う。
個人的に思いつくままに羅列してみる。
1、厚さは14オンスのままでめちゃくちゃ軽量なデニム
2、セルビッジ付きのストレッチデニム
3、色落ちしにくいデニム
デニム生地ならこのあたりの機能が求められているのではないか。
色落ちしにくいデニムというのはすでに何社かの生地メーカーが過去に完成させていると耳にする。
また、今秋冬商品としてエドウイン、リーが採用している。
すでに市場にはあるが、生地メーカーはもう少しこの生地をアピールしても良いのではないかと思う。
(色落ちしにくいデニムを使ったエドウインの「キープブルー」)
また昨今はホワイトジーンズの人気が高い。
キザったらしい輩が春夏にイキがって穿くというイメージが強かったホワイトジーンズ(←偏見)だが、メンズ・レディースともに年間定番化しつつある。
そうなると、こちらにも機能性を打ち出した生地が欲しくなる。
1、汚れにくい白
2、下着が透けにくい白
の2点の機能が求められるのではないか。
実は両方とも過去に生地メーカーからもブランドからも発表されている。
防汚加工で汚れにくくなった生地というのは昔からある。
下着が透けませんよというホワイトジーンズは、ラングラージャパン時代の「ラングラー」から発売されていた。
色落ちしにくいデニムも含めて「昔からあるじゃん!」ということになるが、筆者の体感ではほとんど知られていないと感じる。
マーケティング的には「知られていないのは存在しないのも同じ」である。
だから改めて大々的に打ち出すと効果がある。
国内デニム生地メーカーは、これまで王道を追求してきた。
今もその歩みは止まることなく進んでいるが、いわゆる「王道」の生地ばかりで良いのかという疑問がある。
王道を否定するわけではないが、プラスアルファの要素が必要ではないかと感じる。
筆者は王道のデニム生地のみでは「ジーンズ」「カジュアルパンツ」というアイテムが停滞すると考えている。
そういう意味からもデニム生地の新たな切り口に期待したい。