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南充浩 オフィシャルブログ

音読、朗読は日本の伝統的読書法

2011年2月9日 未分類 0

 技術の進歩による電子書籍化で、音読が注目を浴びているという。以前から、俳優やナレーター、声優による音読テープや音読CDなどがあったから、それの延長線上と言えるだろう。

名作を少女が朗読するアプリ「朗読少女」のダウンロード数が50万件突破
http://www.garbagenews.net/archives/1675034.html?ignore_lite

名作の作品を仮想のキャラクタである「乙葉しおり」という女の子が「朗読」するiPhone・iPad用のアプリケーションで、App Storeの総合トップセールスでは10位、Bookカテゴリでは1位を記録している。

とのことである。
個人的に面白いなと感じたのが、日本では明治時代の初期まで読書=音読だったという歴史がある。もっともこの音読は人に読んでもらうのではなく、自分で読む際も朗読だった。
自宅に岩波文庫「南総里見八犬伝」(全10巻)があるのだが、これは現代語訳が付いていない。その昔、四苦八苦しながらなんとか読み終えたのだが、読み進めるうちにだんだんと、音読に適した字数のリズムで書かれていることがわかってきた。だからと言って自宅で朗読などしなかったのだが(笑)
家族に聞こえたらひどく怪しまれる。
黙読しているとひどく退屈で眠くなるのだが、朗読するとリズム良く耳に入ってくる。

文中に

書籍に親しむ(新しい)手段として「音声」という手段を提案したことにある。

という個所があるのだが、
実は新しい手段ではなく、非常に古典的な手段だったと言える。
技術革新によって、知らず知らずのうちに江戸時代の手法に戻ってきたというのは、なんとも面白い現象だと思った。

電子書籍化がこのまま順調に進んで、ほぼすべてが電子書籍化された100年後くらいには「画期的出版法を開発した。紙に印刷すれば再生に電源が要らない。省エネだ」なんていう笑い話が実現するのかもしれない。

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