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南充浩 オフィシャルブログ

ユニクロの今秋冬値上げで離れた客が古着に移るということはあり得ない

2022年6月22日 ユニクロ 0

以前に書いた内容と重複するところもあるが、今回発表されたユニクロの値上げについてである。実際の売れ行きに影響しないようによく考えられた値上げプランだと思う。

これに対して大手メディア、業界メディアともに「ユニクロ値上げの衝撃」とか「ユニクロ離れで古着ブームが加速」などと煽る論調がほとんどだが、疑問しか感じない。

長年業界メディアにおり、その後は一般の大手メディアともいささかの交流がある立場から言うと、メディアの半分くらいは「わざと煽っている」のである。なぜなら「煽る」ことで閲覧数が伸びたり、購買部数が増えたりしやすいからだ。要は「煽れば売れやすい」わけである。

残りの半分は、メディアやメディア御用達の識者(自称も含む)は、現実を見て分析するのではなく、結論や観念に現実を当てはめようとする人が割合に多い。また、弾き出された数字だけを見て判断を機械的に下す人も多い。

なので、1990円の商品が2990円に値上げされれば、値上がり率は50%増ということになる。これを持ってして「値上げ率50%増の脅威」と捉えてしまうわけだが、1990円の服が2990円に1000円分の値上げをしたところで、庶民には手の届かないほどの高値になるわけでもないし、まともにバイトでもしていたらシーズンに1枚くらいは2990円の服くらいは買える。

値上がり率50%増だけを見て騒ぎ立てたところで、何の意味もない。

 

改めて、今回のユニクロの値上げプランを見てみよう。

 

ユニクロ、22年秋冬は定番ダウンやフリースを1000円値上げ

ウルトラライトダウンは5990円から6990円に、毛足の長いフリース“ファーリーフリース”のジャケットは1990円から2990円に変更する。また、“ヒートテック極暖”は1500円から1990円に、“ヒートテック超極暖”は1990円から2990円に変更。ウィメンズのカシミヤ100%のクルーネックセーターは8990円から9990円に値上げする。

 

とある。この記事が一番正確そうなので再度引用した。

今回の値上げは

 

〇ウルトラライトダウンジャケット5990円 ⇨ 6990円に

〇ファーリーフリースジャケット1990円 ⇨ 2990円に

〇ヒートテック極暖 1500円⇨ 1990円に

〇ヒートテック超極暖 1990円⇨ 2990円に

〇レディースカシミヤセーター 8990円⇨ 9990円に

 

という5品番である。

逆に現時点ではこれら以外の値上げは発表されていないので価格据え置きと考えた方が良いだろう。もちろん、期近で追加の値上げ発表がある可能性は否定しないが。

前回のブログでも書いたが、この値上がりは商品の売れ行きに極めて限定的な影響しか及ぼさないだろうというのが当方の結論である。売れ行きを左右する可能性があるとするならヒートテック極暖と超極暖の2品番だけだろう。

理由は、ウルトラライトダウンジャケットとファーリーフリースジャケットはどちらもブームのピークは過ぎており、人々が何枚も一人で買い占めたいと思うようなアイテムではない。

また1000円値上がりしたとはいえ、ウルトラライトダウンからすれば値上がり率は17%弱にしか過ぎないし、ぶっちゃけていえば5990円も6990円も払う側からするとさして変わらないという印象が強い。

またファーリーフリースジャケットだが、毛足の長いフリースであるファーリーはそれほどの「マスト」アイテムではない。たしかに一部の人にはトレンド品として好まれているがマス層に広がっているわけではない。単なるフリースならマス層に広がっているがファーリーはどちらかというと嗜好品に近い。また他社ブランドと比べてもファーリーフリース2990円は高すぎるというわけではない。

仮に「普通のフリース」が2990円に値上がりしたところで、こちらも最近は店頭の展開数量が激減していて人気の最盛期はとっくに過ぎ去っているから、さして買い手に打撃を与えることは無いだろう。

 

ヒートテック極暖と超極暖の値上がりについては、影響を強く感じる人もいるかもしれないが、逆に通常のヒートテックは値段据え置きなので、大衆はあまり気付かないだろう。ちなみに自分は真冬でも防寒肌着を着用しないので一切問題ない。メディアや識者(自称も含む)は通常のヒートテックの価格据え置きを高く評価すべきではないかと思う。

最後のレディースカシミヤセーターだが、8990円も9990円も払う側からするとほとんど印象は変わらない。またメンズのカシミヤセーターは以前から定価9990円なので、メンズとレディースが同じ価格になっただけのことでこちらもほとんど影響を与えないだろう。

 

では実際の今秋冬店頭はどうなるのかと予測してみよう。

ユニクロはこれまで週末値下げ、期間限定値下げを繰り返し行ってきた。当然今秋冬も複数回行うということは容易に想像できる。

その際、今回値上げした5品番は以前の定価にまで引き下げられるだろう。どうしても欲しい人はその時に買うだろう。ユニクロを定価で買う人の方が珍しいのではないかと思う。

そのため、ほとんど影響を与えないのではないか。

 

最後に「値上げしたユニクロから離れた客が古着へ移る」という予測も一部ではある。

しかし、古着と言っても驚くほどの安さではない。そして古着にもいくつかの種類がある。

デザイナーズブランドや高額メゾンブランドの古着は一般人からすると高額であり、今回の予測には含まれていないと考えられる。

ビンテージジーンズ系の古着も一般人からすると価格は高いし、特殊な目利きが求められるのでこれも今回の予測には含まれていないと考えられる。

今回比較対象となるのは、通常のカジュアルTシャツやリーバイス501などの古着になると考えられるが、これらの古着は何も100円とか300円で投げ売られているわけではない。だいたい最低でもユニクロの定価やジーユーの定価くらいはする。下手をするとそれらよりも高い。

ユニクロが値上がりしたからと言って価格を理由に離れた人間が、ユニクロの定価と同じかそれ以上する古着に移るとは到底考えられない。古着が買えるなら値上がりしたユニクロも買えると考えるのが普通だろう。

古着よりもユニクロの最終値下げ品、ジーユーの最終値下げ品の方がずっと安い。本当に困窮して激安の服が欲しい人こそユニクロの最終値下げ品、ジーユーの最終値下げ品を買うだろう。

 

そんなわけで、ユニクロ値上げの衝撃も異様な古着推しもどちらもポジショントークに過ぎず、そういう姿勢は率直に言って全く評価できない。

 

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