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南充浩 オフィシャルブログ

ユニクロが値上げを発表した5品は市場にほとんど影響を与えなさそう

2022年6月14日 ユニクロ 1

先日、今秋冬物からユニクロの商品の一部値上げが発表された。

これ以外にもまだ値上げがあるかもしれないが、今のところは不明である。発表内容はメディアによって若干の総意があるが、正確な内容はこの報道ではないかと思う。

 

ユニクロ、22年秋冬は定番ダウンやフリースを1000円値上げ

ウルトラライトダウンは5990円から6990円に、毛足の長いフリース“ファーリーフリース”のジャケットは1990円から2990円に変更する。また、“ヒートテック極暖”は1500円から1990円に、“ヒートテック超極暖”は1990円から2990円に変更。ウィメンズのカシミヤ100%のクルーネックセーターは8990円から9990円に値上げする。

 

とあり、現在発表されている品目はこの5品である。

それ以外は言及されていないので、値段据え置きと考えられるが緊急で値上げされる品目が追加される可能性はゼロではないと思う。

メディアや一部の自称識者は「値上げ率1・5倍」とか「ユニクロ値上げでどうなる?」とか煽っているが、それは単なるPV数稼ぎかポジショントークに過ぎないので冷静に眺める必要がある。

当方は、自分の消費行動基準に照らすと、この5品目の値上げはさほど大きな影響が無いと見ている。影響があるとすると、ヒートテック極暖とヒートテック超極暖の2品のみで、残り3品は市場への影響もさほど無さそうだと感じている。

もちろん、当方の消費行動をもとにしているので、違うと感じる方がおられても当然である。

まず、影響がほとんど無いと考えている3品について考えてみよう。

 

ウルトラライトダウンジャケット

ウルトラライトダウンジャケットだが実際のところ、ジワジワと値上がりしていて、スタート当初は4990円でいつの間にかしれっと5990円に値上がりしていた。

これが6990円になるわけだが、ウルトラライトダウンジャケットの人気はすでにピークを過ぎている。買い替え・買い足し需要は例年を上回るほど大きくはないだろうし、多くの人はすでに何枚か所有している。当方の感覚からするとすでに5990円も6990円もさして変わらないと感じる。

だから欲しい人が1枚かよくて2枚買い足す程度になるだろうから、値上げによる混乱はあまり起きないと見ている。

 

ファーリーフリース

次に「ファーリーフリース」についてである。

この記事だけがファーリーフリースと正確に報じているが、他の生地は「フリース」としている。商品としては同じ範疇に入るが、着用者にとってファーリーか普通のフリースかは結構重要な問題である。

通常のフリースは毛足がほとんど気にならないほどであるが、ファーリーというのは毛足の長いフリースを指す。

このフリースは通常のフリースに比べると少しファッション意匠が高い上に、オッサンとか体格のゴツイ男性は似合いにくい。理由はケモノ感が増すからで、野生動物かマタギにしか見えなくなる。女性か容姿のスラっとした若い男性しか似合わない。着用者を選ぶ。

なので、オッサン連中はファーリーが値上がりしたとてさほど困らないだろう。また女性も2990円くらいなら他ブランドと比べても高すぎるわけではないから受け入れるだろう。

 

レディースカシミアセーター

最後に女性用カシミアセーターだが、8990円が9990円になったところでほとんど変わらないと感じるだろうし、この9990円という値段はメンズカシミアセーターと同じであるから抵抗感は無いだろう。

 

少し影響があるかもしれないのがヒートテック極暖とヒートテック超極暖である。寒さに弱い人が多い女性への影響は大きいだろう。ちなみに当方は保温肌着など着用しないので全く無問題である。冬でも吸水速乾肌着を着ている。

 

ただ、ユニクロというブランドの性格上、この5品目であっても週末値下げの対象になったり、期末になると値下げされる可能性は極めて高いと推測できる。

その時に買うという人が多いだろう。女性にとっては必需品的なヒートテック極暖と超極暖でさえ、愛用していた人はすでに複数枚を持っているだろうから、値下がり時に買い足し・買い替えすることで昨年冬とほぼ同じ値段で購入すると考えられる。というか、当方ならそういう買い方をする。

 

以上が今回の5品の値上げが市場にほとんど影響なしと考える理由である。

 

ユニクロから消費者が離れる可能性についてはどうだろうか。もちろん離れる人はいるだろうが極めて少数ではないかと考えらえる。

中には「古着に流れるのではないか」と言う人もいるが、古着店はユニクロの受け皿にはならないだろう。理由は少し考えればわかることだが、

 

1,古着の値段よりユニクロの値下げ品の方がはるかに安い

2、古着店はおもに都心に集中しており、地方・郊外にも店舗を多く構えるユニクロ客を吸収できない

3、古着店のネット通販売上高はさほど高くなく、ネット通販売上高1000億円超のユニクロ客を吸収できない

4、古着は商品が不揃いなので、ユニクロに慣れた客が買いづらい

 

などが挙げられる。

価格面で言えばTシャツやセーターならユニクロの定価品でも古着より安いくらいだといえる。

店舗網を考えても、地方・郊外にも多店舗展開しているユニクロとほぼ都心に集中している古着店では勝負にならない。ユニクロから離れた客を吸収するとしたら、地方・郊外に強いしまむらかゲオのロードサイド店くらいではないか。

ネット通販については言わずもがなだ。ネット通販の売上高が高いと言われている古着屋JAMでさえ10億円内外だと噂に聞いているから、1000数百億円をネット通販だけで売り上げるユニクロの受け皿となることは不可能である。

そして、古着店というのは、行って見るまでどんな商品があるのかもわからないし、毎週・毎月品揃えが変わる。ユニクロのようにいつ行ってもある程度ヒートテックが並んでいるというわけではないから、よほどに好きな人以外はめんどくさくて付き合っていられない。

すでにファッション好きな人はある程度古着店は利用しているし、興味の無い人はユニクロが少々値上げしたところでそちらに乗り換えることはあり得ない。

 

センセーショナルに煽れば煽るほどPV数が伸びたり、講演依頼が増えたりするので、今回に限らずそのあたりは割り引いて報道や記事を眺めることをお勧めしたい。

 

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 comment
  • OZ より: 2022/06/14(火) 8:29 PM

    単純な感想ですが。
    そうですね。
    ヒートテックは嫌な感じしますね。
    でもユニクロは結構頻繁に品番単位でセールしてるのでその時に買えばいいかなと。
    プロパーとセールの比率はわかりませんが。
    ユニクロで買ってる人はすでに持ってる品ばかりですし、セールのタイミングで買い足しできればいいし。
    正直プロパーで買わなければいけないほど欲するものでないってのが感想ですね。

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