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南充浩 オフィシャルブログ

転売ヤー対策に余計な労力と費用が投入される時代

2022年3月28日 ネット通販 0

あんまりファッション系の情報には興味がない。

そんなわけで土曜日にウェブを見ているとこんなニュースが報道されていて驚いた。

オメガ×スウォッチのスピードマスターを求めて1500人以上が殺到、3月26日の販売は中止に (fashionsnap.com)

コラボモデルは、オメガのスピードマスターをアレンジ。「ドットオーバー90」のタキメーター目盛やスモールセコンドなどスピードマスターのディテールはそのままに、ボディにバイオセラミック素材を使用したことで税込3万3550円の低価格を実現した。オメガのスピードマスターが3万円台で買えることから、発表直後から話題を集めた。

 日本では3月26日に渋谷、原宿、心斎橋の3店舗のみで販売予定だったが、店舗へ大勢の客が押し寄せ、スムーズな販売が難しいと判断。渋谷店には1500人以上が集まり、警察が出動するなど混乱状態となっていた。なお、渋谷、原宿、心斎橋の3店舗は本日終日閉店となっている。

 

とのことで、土曜日はあいにくの雨降りで、用事もなかったので外出もしなかったので、そんなことが起きているとは思いもよらなかった。

で、この記事だけなら、熱心なファンが多数集まったのかと思うが、どうやら熱心なファンではなく転売目的の転売ヤーが多数並んでいたようである。

スウォッチ、転売ヤー殺到→発売直前に中止&警察出動で地獄絵図…整理券配布が仇 (biz-journal.jp)

オメガとスウォッチのファンたちの間で注目を集めていたが、Twitter上では数多くの“転売ヤー”とみられる人々が整理券を求めて店舗前に集まっていたという報告があがっている。

 

とのことである。

さらにいうと、動画を見ると、どう聞いても日本語ではない言語で叫んでいる男たちがいる。恐らくはアジア系の転売ヤーだと思うが、コロナ禍で入出国がかなり絞られている状態でどうやって入国したのか疑問である。そういえばいまだに心斎橋界隈で中国人らしき数人のグループが大きなスーツケースを引っ張っている姿を見かけるが、あれもどうやって入国したのか謎である。

この記事を読むと、スウォッチ側は転売ヤー撃退のために様々な対策を取っていたようだが、残念なことにそれが上手く作動せずに逆に混乱を引き起こしたようである。

 

また記事の中には

 

食品メーカーのマーケティング・販売マネージャー経験者はいう。

「他のブランドやメーカーでもやっているように、事前にオンライン抽選を行って当選した人のみに商品を郵送するなり、店舗で受け渡しするなりという方法を取れば混乱は起きなかったのではないか」

 

とあるが、これに対しては、ウェブ上では「オンラインだとbotを使って根こそぎ抽選券を独り占めする転売ヤーが出てくる」という指摘もあるので、一概に有効な対策にはならなさそうだ。

ここまで見てきて何なのだが、この商品は結局は「限定品」ではない。スウォッチの公式サイトがそう明言している。

シンプルなデザインが魅力のスイス製腕時計 | Swatch® 日本

Bioceramic MoonSwatch コレクション発売を楽しみされていたみなさん。

この商品は限定ではありませんので、順次入荷する予定となっています。

 

とある。

結局、この騒ぎは何だったのだろう?(笑)

限定品でなければ、待っていればほぼ確実に購入できる。転売ヤーが大騒ぎする意味があるのだろうか?

現在、何の分野でも転売ヤーが大量に出現してしまう。メーカーやブランド、小売店はこの転売ヤー対策に目を光らせる必要に迫られている。

これは日本だけではなく、世界的な潮流で、アメリカでもちょうど一年前この道を通った夜~♪、こんな事件があった。

転売過熱ナイキ副社長辞任 息子がスニーカーで荒稼ぎ – 産経ニュース (sankei.com)

ヘバート氏の19歳の息子が仲間と組んで、特殊なコンピュータープログラムを駆使して限定品のスニーカーを買い占め、高値で転売していると報じた。13万2千ドル(約1400万円)を投じて数百足の転売を手掛け、2万ドルの利益を得た場面も描かれた。

とのことだが、これだけなら、親である副社長の責任にまで発展するのは難しい部分もあるが、問題は以下の部分だろう。

ヘバート氏の息子は同誌に、母親(副社長)からナイキの内部情報を得たことはないものの、ビジネスのヒントをもらったことは認めた。スニーカーの購入にはヘバート氏名義のビジネス向けクレジットカードを使っていた。(共同)

とのことで、

息子が自腹で買っているならまだしも、副社長名義のビジネス向けクレジットカードを使っていたのだから「親は知りませんでした」は通じない。しかもこの時だけで1400万円分も使っているのだから気付かないはずがない。気付かないとするとよほどに身の周りの管理ができていないということで副社長失格である。どちらにせよ、退任は免れない。

どこかの媒体で識者が指摘していたが、限定版スニーカーの転売もすでに投機的になっているという。

世界で転売ヤーがはびこり、今回のような騒ぎが繰り返されるのは、インターネットの発達と普及のデメリットといえるだろう。特にヤフオク、メルカリというCtoCのサイトやアプリが普及したことが大きい。当方は他人のお古を買う気もないし、転売ヤーに生活資金を与えたいとも思わないので、両方とも一切使用していないが、気軽にど素人同士が売買しやすくなった。始めのうちは、自分の要らなくなった物をテキトーな値段で売ったり、他人のお古を買ったりしていた人がほとんどだったが、いつの頃からかそれなりの儲けを稼ぐ人間たちが出てきた。そうなると、右へならうのは人間の特性だ。

 

限定品、復刻版の発売や、人気商品の発売には、今では必ず転売ヤーが多数発生し、それへの対策に追われることとなってしまった。

小売店・メーカー・ブランド側に労力と費用を余分に押し付けられることとなっている。ヤフオクやメルカリ側がいくら、転売ヤーからの手数料で潤っているとはいえ、当方はヤフオクやメルカリ側が規制を強化すべきではないかと考えている。

とはいえ、今回のニュースで久しぶりにスウォッチの名前を聞いた。バブル期に大人気だったが、最近はほとんど名前を聞かなくなっていて当方もその存在すら忘れているほどだった。今回のニュースはクレーム対応がしんどいことだろうと思うが、スウォッチ側にとっては認知度を再度高めるというメリットもあったのではないかと思う。

 

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