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南充浩 オフィシャルブログ

各店に1・5枚ずつを配布するの?

2014年3月14日 未分類 0

 連日、誌面に登場する大手ブランドと、それ以外の弱小ブランドの生産数量の差は開くばかりである。
この間、知り合いが6店舗を運営するカジュアルブランドに生産を依頼されたという。6店舗を運営する割にはブランド名はあまり著名ではない。

その知り合いによると、「10型のアイテムを各品番サイズ違い・カラー違い込みで10枚ずつ縫製してほしい」という依頼だったそうだ。

10型のアイテムを各品番10枚ずつということは合計で100枚である。
で各品番ごとの10枚の中には、サイズ別、カラー別が含まれている。

通常の洋服はSMLの3サイズ展開だったり、MLの2サイズ展開だったりする。
で、カラーも白、黒、紺、グレーとベーシックカラーだけで4色展開や3色展開が普通である。

仮にMLの2サイズ展開で、カラーバリエーションが白、紺、グレーの3色だったとする。
そうなると1品番で3色×2サイズの6通りの商品が出来上がることとなる。
各1枚ずつ縫製してもそれだけで合計6枚となり、残りは4枚しかない。
となると、どれか2色のMサイズ、Lサイズに1枚ずつをプラスオンするだけのことになる。

これが零細規模の卸売りブランドならまだ話は分からないではない。
自社で売り場を持っていないわけだから、なるべく少ない生産で在庫を持たずに逃げ切ろうとする。
もしくは1店舗か2店舗しか運営していないショップでもまだ理解はできる。

しかし、6店舗を運営しているということは1型10枚程度の生産量では、各店舗に各型1・5枚ずつを配布しておしまいである。

アイテムにもよるが、1店舗あたり1シーズンに1型10枚くらいの販売はどんなにヘボな店作りしかできない企業でも可能だろう。
1店舗あたりに1型10枚ずつの商品を配布するならそれだけで合計60枚になる。
生産ロットのミニマムにはまだ及ばないが、それでもまだ量産品の範疇に入りつつある。
反対に各型2枚ずつを各店に配布しようとするなら合計で120枚が必要となる。
通常の企業ならこれくらいの生産量になるはずである。

この店はそれほどに売る力がないのだろうか?

逆に、各アイテムが1・5枚ずつしか入荷されていないような店が消費者に支持されるのだろうか?

この調子で全アイテムを品揃えしているとするなら、その店頭は商品が少なすぎてスカスカに感じられることだろう。

この手の極小ロット(ほとんどサンプル製作とかオーダーメイドの世界)を受けてくれる縫製工場は国内しかない。
最近は中国工場も以前に比べると小ロット対応が増えたが、それでも1型100枚くらいは必要だろうし、東南アジアの工場は生産ロットがもっと大きくなる。

もちろん、洋服が売れにくい時代であることは理解しているが、それにしてもこういう1型10枚とかの生産を国内工場に行わせることが、生産現場をさらに疲弊させているような気がしてならない。
逆にそういう生産ロットから何時まで経っても抜け出せないショップやブランドはビジネスモデルが適合していないのではないか。

オーダーメイドの世界にでも転身すればよいのではないかと思う。

けれどもオーダーメイドの世界もなかなか厳しいから営業活動とか販促活動は必要になる。
嫌な言い方をするなら、どの分野に行くにしても営業活動や販促活動の上手さがなければ立ちいかないともいえる。(営業活動・販促活動がすべてでないことは理解しているが)

反対に、ずっと長い間、一人で手縫いでブランド活動を続けるデザイナーもいる。
この場合、大きな発展は望めないだろうが、自分の手の届く範囲でできているのだから、それでも良いのかもしれないと最近思い始めるようになった。

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