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南充浩 オフィシャルブログ

ターゲットは誰?

2014年3月13日 未分類 0

 なんやかんやと80年代ファッションがリバイバルしているが、あの当時をよく知る年代からすると、なんでこんなもんがリバイバルするのかと理解に苦しむことが多い。
40代、50代からするとあの当時の服装や化粧法は黒歴史として封印したいだろう。
流行してきたからと言って、今それに40代や50代が飛びついたとしたら、バブル当時からタイムスリップしてきたかのように見えるだろう。
我々オッサン、オバハン世代は80年代ファッションは避けた方が賢明だと感じる。

さて、先日、MCMが日本に再上陸するという報道があった。
バブル崩壊とともに日本市場から消え去ったブランドである。
何とも懐かしいブランド名だ。

現在の商品写真を見てもバブル臭くて購入したいとはまったく思えない。

MCMが日本へ再上陸!銀座に直営店オープン
http://www.fashion-press.net/news/10141

果たしてターゲットはだれを設定しているのだろう?
なんだか若者に向けているようだが、価格的に若者が購入するのは無理である。
価格的には40代、50代がふさわしいと思われるが、バブル期ファッションに悪印象を持っている人が多いので、その層にはあまり響かないだろう。

これが90年代後半の若者なら援助交際でもやってバカ高いブランドバッグを購入するのだろうが、今の若者は服飾品にそこまでする価値を見出していない。
実際に街中を見ても高級ブランドのバッグを下げて歩いている若者がめっきり減っている。

そういう意味からするとMCMは日本ではあまり勝算がないと思える。

今回のMCMをめぐる報道を見ていると一つ不思議なことがある。
MCMがグローバルブランドかのように報道していることが多いが、実はそうでもない。
ファッションプレスのこの部分を見ると到底グローバルではない。

創業の地ドイツなど欧州をはじめ、アメリカに約10店舗、中国に約20店舗、韓国に約75店舗など、世界各地に多くの店舗を構えている。

圧倒的に店舗は韓国が多い。
グローバルというよりは単なる韓国のブランドに見える。

それもそのはずで、記事はドイツを創業の地と書いているが、2005年にMCMは韓国企業に買収されている。
今では名実ともに韓国ブランドである。

韓国企業が独MCM社買収へ
http://japanese.joins.com/article/540/64540.html

この記事の日付は2005年6月14日で、記事中では、「10月に買収する」と書かれてある。

今回、この報道を繊研プラス、ファッションスナップドットコム、ファッションプレスと3つの媒体で読んだが、いずれにも「数年前に韓国企業が買収したMCM」とは書かれていない。
もしかすると2005年当時にはこれらの媒体でも報道されたのかもしれないが、今回の記事でもそれを触れないと、読者の多くをミスリードすることになるのではないか。

「ドイツブランドMCMが日本へ再上陸」というより、実態は「韓国ブランドMCMが日本へ初上陸」というべきであろう。

そういえば、MCMが流行していたころ、世界地図を書いたバッグや財布もえらく流行していた。
なんであんなものが流行していたのかと不思議だが、流行というのはだいたいそんなものである。
「プリマクラッセ」というブランド名だと知ったのは実は最近のことだ。

22,23年前、筆者が大学生のころに校内でこの世界地図バッグを持った学生をちょくちょく見かけたことが記憶にある。

MCMもプリマクラッセもどちらもバブル臭くて好きなデザインではないし、今の自分が持ちたいとも思わない。しかし、どちらが好きかと問われたらプリマクラッセの方が紙一重で好感が持てる。

まあ、筆者が紙一重の好感を持ったところで、プリマクラッセにとっては何のメリットもないのだけれども。

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