
投資ファンドが企業を買収するのは、さらに高く売るためであるという話
2022年3月14日 企業研究 4
ストライプインターナショナルが、投資ファンドの資本を受け入れた。完全買収ではないが過半数の株式を投資ファンドが取得する。
ストライプインターナショナルは11日、投資ファンドのティーキャピタルパートナーズからの出資を受け入れたと発表した。ティーキャピタルが管理・運営するプライベートエクイティファンドが、創業者の石川康晴前社長や既存株主などからストライプの過半数の株式を買い取る。取得額は非公表だが、一部では有利子負債を含めて300億円と報じられている。
とのことで、過半数の株式を取得するということは、ストライプインターナショナルはファンド傘下の企業ということになる。要するに身売りといえる。
以前、このブログで、ストライプインターナショナルの最終着地点は身売りではないかと書いたが、結局はその通りになってしまった。
ブランド廃止・事業終了が相次ぐストライプインターナショナルの今後を推測してみた | 南充浩 オフィシャルブログ (minamimitsuhiro.info)
当方は、不採算ブランドと不採算事業を全て廃止し、黒字のブランド(当方は、アースミュージックとアメリカンホリックくらいだと思っている)だけを残して会社そのものをどこかに売却するのではないかと見ている。
以前の内容と繰り返しになるが、こう考えた理由は、一つには某氏からのサジェスチョンがあったことと、相次ぐ不採算事業の撤退である。
買ってもらいやすくするために身ぎれいにしているとしか思えなかったわけである。
以前のブログに撤退の歩みをまとめてある。
直近だと、今年2月末でECのストライプデパートメントを廃止している。
その前は昨年末でホテル コエトーキョーの閉鎖、2020年9月にはセブンデイズサンデイ、ニコロンの廃止、2020年6月はイーハイフンワールドギャラリーの廃止と、アースミュージックの中国市場からの撤退、と立て続けでこの2年間縮小整理を続けてきた。
これはどう見ても身辺整理としか思えない。
さて、ファンド主導で再建を目指すということだが、まだこれから縮小整理が行われるのではないかと思う。個人的には「広告費を除くと黒字化した(広告費を含むと赤字ということか?)」と豪語するメチャカリは整理の最右翼事業ではないかと思う。
また「コエ」ブランドもどうだろうか?個人的にはまったく要らないと思って見ているが、もしかすると、ステイタス性への挑戦という位置づけのブランドとして残るかもしれないが。
ストライプインターナショナルの勢いが暗転したのは2020年春に起きた創業者である石川康晴氏のセクハラ疑惑報道と、コロナ禍のダブルパンチだろう。
セクハラ疑惑報道が始まったとたんに、コロナ禍の報道が過熱し、なんだかうやむやに終わったのである意味で幸運だったともいえるが、それでもダメージは少なくなかった。
そしてコロナ禍だが、2020年はユニクロ、しまむらなどの低価格ブランドは逆に好調に推移し、しまむらはそれまでの不調から一転して絶好調となって今も勢いは継続している。
ストライプインターナショナルは基本的に低価格ブランドが多い割に、コロナ禍で勢いを失うブランドが多く(例外はあるが)、その結果が整理縮小につながったといえる。
ファンド主導でどのような再建策が採られるのだろうか?
今以上の不採算事業の整理くらいしか思いつかない。
一方、ファンド主導で再建ということは、再び売却される可能性があるということである。ファンドというのは、買収した企業を永続的に経営し続けるという性格ではない。
再建してさらに高く売ることを目的として活動しているのがファンドである。
今回、一説には300億で買ったと報道されているが、それ以上の価格で売却を目指すことになる。
最もわかりやすい例はジャヴァだろう。
創業者から伊藤忠商事に売却され、伊藤忠商事から2018年春に投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに売却された。
そして今年1月に、ジャヴァはエンデバーから物流会社のジーエフホールディングスへの売却が発表されている。
物流大手のジーエフが名門アパレルのジャヴァを買収 – WWDJAPAN
アパレル物流大手のジーエフホールディングス(GF HOLDINGS)は、神戸アパレルの名門ジャヴァコーポレーションを買収すると発表した。3月30日付で親会社のジャヴァホールディングスから同社の株式を100%買い取る。買収金額は非公表。
とのことである。
ジャヴァがなぜここまで転売対象になるのかというと、業界内部ではレディースのブランド群ではなく、安定した売上高を確保している子供服ブランド「ベベ」が評価されているからだといわれている。
今回のジーエフホールディングスも「ベベ」を評価しているとも伝わっている。
ジーエフが買ったジャヴァコーポレーションの事業にはベベは含まれていないようです。
https://article.yahoo.co.jp/detail/c20f312115305bc21cdb007bb9e1218dea87bcbf『「べべ(BEBE)」を手掛けるべべ株式会社はジャヴァホールディングス(注:これはジャヴァコーポレーションの誤記と思われます)に含まれていないため、エンデバー・ユナイテッドからの今回の買収対象には入っていない。』
とのコメントをいただいたので削除修正します。
いつも非常に有益なコメントをいただいて感謝しています。
ジーエフはこのところアパレルブランドの買収を積極的に進めており、経営破綻した「テットオム」を買収したり、鳴り物入りで開始されたレディースブランドの「クラネ」も買収したりしている。
ジャヴァの顛末を見ると、ストライプインターナショナルの中期的な道筋が見えてくるのではないかと思う。
ファンド主導の再建策がどのようなものなのかを外野から観察してみたい。
そんなアースミュージックアンドエコロジーの値下がりした服をどうぞ~
comment
-
-
ハマオ より: 2022/03/14(月) 11:38 PM
ストライプの失速の要因はタイムセールの影響が一番強いのではないでしょうか。
コロナ前でもかなり縮小してましたが現在はほとんどやってないのではないでしょうか?
確認はしてないですが
SC展開ブランドは屋号が違っても展開商品はかなり似てましたし下手したら織ネーム以外違いがわからなかったものありました。
ギャップ以上に根拠のない定価設定してそこからの値下げして
タイムセールで更に20%オフって一体いくらなのかもわからないですよね
上場を目指しでますと発信し何度も延期し最後はファンドに売却の結末
あの社長の
ビジョンは何だったのかな -
恥じ入る乞食 より: 2022/03/15(火) 7:42 AM
ジーエフが買ったジャヴァコーポレーションの事業にはベベは含まれていないようです。
https://article.yahoo.co.jp/detail/c20f312115305bc21cdb007bb9e1218dea87bcbf『「べべ(BEBE)」を手掛けるべべ株式会社はジャヴァホールディングス(注:これはジャヴァコーポレーションの誤記と思われます)に含まれていないため、エンデバー・ユナイテッドからの今回の買収対象には入っていない。』
取引関係者からも「ベベはジーエフの買収の対象外」と聞きました。 ご参考まで。
-
南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/08/29(月) 4:02 PM
売上の構造が「20世紀末期型」だった典型だと思います
99年頃、リンネル系が大ヒットしたでしょ?
20世紀までは特定のスタイルが流行る=特定のネームが流行る
という構図があったそして森ガール系は根強い底力があった
2022年現在、20世紀のコロスさん風な服を
いろんな会社が作ってますからでも、2015年以降は割高商品になっちゃったんですよね
今どきトップス1枚2千円で買えないと厳しいですそしてその頃には扇を広げすぎていた
セクハラ問題は直接的な要因ではないと思います
どのみち傾くのは目に見えていたのでなおセクハラマンは、奨学財団を立上げ
資産逃しをやってます最終的には財団所有のビルの家賃で喰うようになって
終わりでしょう初売りで声をからして呼び込みしていた女の子たちは
いったい何処へいったのでしょうか?
過労死してなきゃいいけどね・・・
ここの場合 セクハラ前の過労死もあったんじゃないですかね
取り繕ったような 女性を大切にしますよ的な制度も
結局「俺と」いいことしようぜ社長のまさに偽善だったということでしょう
私の持論では 女優にザ・ブルーハーツを歌わせる企業 大抵危ない ですけど
そういう意味では 宮崎あおいさんに 歌わせていましたよ
同県のヒロトは この絵に描いたような
成り上がりと転落をどう歌うのかな?