再建策も前途多難ではないか
2014年1月29日 未分類 0
不振続きだったJR大阪三越伊勢丹の縮小が決まった。
2013年3月度の売上高が303億円だったが、そこから客入りが改善されたとは耳にしたことがないので、2014年3月度の売上高はおそらく300億円を下回るだろう。
売り場面積5万平方メートル中、6割以上にあたる3万3000平方メートルを専門店街にする構想だという。
さて、この新専門店街も実現はなかなか難しいと感じてしまう。
なぜなら、出店によって売り場を活性化できるようなめぼしいブランド、ショップがあまり残っていないからだ。
セレクトショップでいうと、アーバンリサーチ、ビームス、ユナイテッドアローズ、トゥモローランド、エディフィス、ナノユニバース、ジャーナルスタンダード、アメリカンラグシーあたりだろう。
しかし、これらの有力セレクトショップはルクアかグランフロント大阪、もしくはその両方に出店してしまっている。
今更、ルクアの隣でグランフロント大阪の対面に位置するJR大阪三越伊勢丹ビルにも出店はできないし、する意味もない。
じゃあ、郊外型ショッピングセンターのような低価格SPA・低価格専門店を集められるかというとそれも厳しい。
対面のヨドバシカメラ梅田店にショッピングセンター向けの低価格SPAブランドが集積している。
ユニクロも大丸梅田店とヨドバシカメラ梅田店にある。無印良品はグランフロント大阪とルクアにある。
スーツカンパニーとライトオンとグローバルワークはヨドバシカメラ梅田店にある。
こう考えるとどのようなラインナップで3万3000平方メートルを埋めるのか甚だ疑問を感じる。
ルシェルブルーはルクアにあるし、近隣に複数店を出店運営するほどの企業体力はないだろう。
神戸の乱痴気という手もあるが、数年前と比べると勢いは明らかに鈍化しているし、知名度もそこまで高くないので目玉テナントということにはならないだろう。
まあ、「ドミナント戦略だよ!」と開き直ってしまえばこれらのテナントを集積することは不可能ではないだろうが、魅力ある売り場になるかというとどうにも違うと感じる。
ルクアと新専門店街を合わせた初年度売上目標は800億円だと発表されているが、ルクアと現在のJR大阪三越伊勢丹を合わせた売上高は670億円内外しかない。あと120億円強上積みすることが求められているのだが、これはちょっと実現不可能な数字ではないかと思える。
有力テナント候補が多数あれば実現に近づくことはできるだろうが、テナント候補リストを作ることすら難しいのが現状である。そこでさらに120億円の上積みはかなり難しいのではないか。
詳細はこれから詰めることになるのだろうが、再建策もなかなか前途多難ではないかというのが正直な感想である。