「物」以外のアピールが必要では?
2014年1月30日 未分類 0
合同展示会を取材しに行くことがある。
数社程度の合同展示会なら、各ブランドの個性がはっきりと見える。
ところが20社~50社未満の中型合同展示会だと、往々にしてどのブランドも同じように見えてしまって、区別ができないということがある。
ここが主催者の悩ましいところで、商談の成果を挙げるためには、来場者を絞り込む必要がある。
例えばフェミニンテイストを扱う中型専門店とか、セクシー系を集めたチェーン店とか、いうふうに。
そうすると必然的に出展社も同じようなテイストを集めることになる。
それがもっとも商談会としては効果があると予測されるからだ。
セクシー系のチェーン店を来場者として誘致しているのに、半分以上がナチュラル系カジュアルとコテコテのストリートカジュアルだったら、来場者の満足度は低いだろう。次回から来場しないかもしれない。
そういう状況になるのはいたしかたないことを前提として話を進める。
専門店でもブランド直営ショップでも何らかのテイストで統一されている。
フェミニンだったりセクシーだったりナチュラルカジュアルだったりというふうに。
そして、それらの店に卸売りしたいメーカーブランド側もその店に応じたテイストで統一されている。
当たり前のことである。
Aという専門店が仕入れ対象とするメーカーブランドは何百、何千と業界には存在する。
で、Aに相応しいテイストのブランドを集積したのが合同展示会の一つの側面でもある。
例えば、50ブランド集積したとしてA店は似たような見え方をしている50ブランドすべてを仕入れることはできない。
資金的にも無理だろうし、膨大な商品をストックしておく場所もない。
仮に10ブランド選ぶとして選ぶ際の基準はなんだろうか。
ブランド名が有名かどうかということがある。
しかし、全ブランドがそろって有名になることはないから、有名でなくても選ばれるブランドが中にはあるということになる。
アパレル業界の方からは反対意見があるだろうが、同テイストのブランド群から抜け出すためには、「ファッション」とか「テイスト」とか「ディティール」以外の打ち出しや見せ方が必要なのではないか。
どのブランドだってある程度、ファッション的にカッコよく見せようと努力している。
どの商品のデザインだってそれなりにカッコいい。
となると、邪道かもしれないが、ファッション要素以外の見せ方や打ち出し方で耳目を集める方が効果的ではないのかと部外者たる筆者は感じる。
例えばそれは社会貢献活動かもしれない。
またユニクロの柳井正会長のようにドラスティックな発言をマスコミに流すことかもしれない。
短パン社長のように自社の製品のことはさておき、自身のキャラクターを強烈にアピールすることかもしれない。
もしかしたら、展示会でのおもしろアトラクションかもしれない。
一つのファッションカテゴリーに同業他社は何千とあり、ひしめきあっており、それぞれがそれなりにトレンドに応じた洋服を提案しているのだから、「物」としてはほぼ同一線上に並んでいると言っても言い過ぎではない。(機能性が求められるスポーツとか肌着とかユニフォームは別として)
となると、「物」以外でのアピールが必要ではないか。
17年間合同展示会を見てきて、とくに最近強くそう思うようになった。