
ヒートテックのプラパック入りがひっそりとしかし大々的に売り場で復活していたという話
2021年12月6日 お買い得品 3
華々しく発表され、報道されたものでも、その後どうなった?というものも多い。
特に業界メディアではそんなのが多く、華々しくデビューは報じられたが短期間でひっそりと消えたブランドや施策は数多くある。というかそんなものの方が多いというのが30年間見てきた感想だ。
華々しく業界メディアで特集された2週間後くらいに倒産した会社なんていうのもいくつもある。
12月3日の金曜日、日中は結構暖かかった。
暑がりの当方は、天気予報を見てそれを把握して着る洋服を決める。暖かいことを見越して薄着にしたつもりだった。半袖Tシャツの上から3年くらい前にジーユーで買った防風スエットパーカを羽織り、上から一重のナイロンジャケットを着た。
当方の計算では、これで暑すぎるということはないつもりだった。
しかし、仕事が終わり午後3時過ぎに難波を歩いていると、だんだんと防風スエットが暑く感じられ、うっすらと汗をかき始めた。
これを脱ごうかと考えたが、脱ぐと半袖Tシャツとペラペラのナイロンアウターだけになり、いくら何でもこの時期に薄着すぎるし、季節感がおかしすぎる。
というわけで、こんな時にはジーユーかユニクロの投げ売りの長袖を買えば、財布にも負担はないと思い付いた。
当方のその時立てた予算は、上限が税込み990円である。1290円なら買わない。
で、ジーユーを見たが使えそうな990円以下の長袖はあまりなく、スタンドカラービッグサイズコーデュロイシャツだけがあった。試着してみてMサイズでも大きいことを確かめたが、個人的にコーデュロイシャツというのは摩擦が大きく、アウターを着る際、素材を選ぶ。袖の滑りの良い素材でないとひっかかって、肩が脱臼しそうになる。
一旦保留にしてユニクロに向かった。
ユニクロは値下げを抑制しているように見え、ジーユー以上に990円以下がない。
うーん、どうしようかと、少し考えこんだ。
その時、目に飛び込んできたのが、ヒートテックが期間限定790円というPOPだった。
そう、ヒートテックの黒の長袖を買って、半袖Tシャツの下に着れば、黒の長袖Tの上から半袖Tを重ね着しているように見えるだろう。長袖がヒートテックだなんて、こんなジジイの腕をしげしげと眺める物好きもいないだろうから、誤魔化せるだろうと考えついた。
これが白なら肌着感丸出しである。黒なら誤魔化しやすい。
お値段も税込み790円で予算の範囲内である。
早速ヒートテックコーナーに向かった。
想像通り、黒の長袖があった。よしよし、計算通りだと自画自賛しながら、ラックに手を伸ばした。
見慣れたヒートテックのプラパッケージである。
パッケージを掴もうとしたその時である。あのヒートテックのラックの下段2段か3段に剥き出しの紙帯でひっかけられたヒートテックもあった。(陳列量は圧倒的にプラパック入りが多い。目算で7割。紙帯商品は3割程度)
なんだこれ?何が違うのか?
と思って組成やら表示を見ると全く同じである。
違いは一つだけあった。
よく見ると、年度番号が異なっていた。
剥き出しのヒートテックは(04)と表示され、見慣れたプラパッケージのヒートテックは(14)と記されていた。
このブログの熱心な読者の方ならとっくにご存知だが、ユニクロとジーユーは(年番号・季節番号)が必ず表示されている。
年番号は10年ごとに0~9で使いまわしで、季節番号は春が1、夏が2、秋が3、冬が4である。
まさか優良企業のファーストリテイリングがいまだに2010年の商品在庫を残しているはずがないから、(04)は2020年冬を指している。当然(14)は2021年冬である。
要するに剥き出しのヒートテックは昨年冬商品、見慣れたプラパックのヒートテックは今冬商品ということになる。
じゃあ、なぜ、昨年冬商品は紙帯だけで剥き出しになっているのか?答えはこれである。
2020年までに店頭での使い捨てプラスチック包装を85%削減 9月から全世界のグループブランド3,500店舗でショッピングバッグを環境配慮型紙製に順次切り替え – UNIQLO ユニクロ
・2019年秋冬シーズンからユニクロのルームシューズなど一部商品でプラスチック製パッケージを廃止
・ヒートテックやエアリズム、その他インナー類など、ユニクロ、ジーユーの一部商品パッケージに使用するプラスチックも紙など代替素材への切り替えを目指し、2019年夏から検証を開始
とあり、これは大々的に報道され、たしかに昨年のエアリズム、ヒートテックはパッケージが廃止になり、紙帯以外は剥き出しになっていた。
しかし、結局、今冬のヒートテックは2019年以前と同じプラパックへ逆戻りしたというわけだ。
当方は当然のことながらせせら笑いながら、プラパックの今年物を買った。
エコだかサステナブルだかエスディージーズだがエシカルだか知らないが、イキってプラパック廃止を宣言したものの、不都合があって紙帯が廃止になり、プラパックが復活したというわけだ。
売り場にはプラパックが新成分であるみたいなPOPもなかったから2019年以前と同じ物だと考えられるだろう。
紙帯剥き出しの欠点を見て感じたままに並べていくと
1、パックよりもたたみ方が分厚くなるのでラックにかけられる枚数が減る。
2、安っぽく見える。場末の量販店の平場のように見える。
3、ラックにかける際、床に落ちやすいし、落ちると白い商品は汚れる。
などの理由からエシカルだかエコだかよりもプラパック復活を選んだということになるのだろう。
何が言いたいのかというと、
まず、安易なエコっぽい取り組みなんてものは不要な仕事を増やすだけなのでやめた方が良いということである。プラパックが廃止になったときの弊害なんてやる前からSNS上では予想されていた。
次に、大々的な発表のその後の追跡取材・報道・発表は必ず必要だということ、である。今回の方向転換なんて発表すべきだし、報道すべきである。
当方に対して「きゅうりはパックで売っていない」と関係者らしき人が反論されていたが、きゅうりとヒートテックは商品が別だし、剥き出しが正しい施策なら、なぜ1年で方向転換したのかという話しで、全く意味がわからない。
剥き出し陳列をたったの1年でやめた理由はほかにあるのだろうか?あるのなら、それこそファーストリテイリングは正式にその理由を発表すべきだろう。
まあ、とりあえず、当方はこれからもプラパック入りの商品を買う。剥き出しの昨年在庫に手を伸ばすことはない。
グンゼホットマジックの腹巻をどうぞ~
comment
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とおりすがりのオッサン より: 2021/12/06(月) 12:50 PM
【当方は当然のことながらせせら笑いながら、プラパックの今年物を買った。】
笑
パックの利点は、他にもダンボールとかに入れて運搬するときにもやりやすいとかがあるかも?しかし、紙の帯を受注した業者はすぐに注文無くなっちゃって可愛そう・・・ -
mmm より: 2021/12/07(火) 4:00 PM
はじめまして、物流視点からコメントしますと
店頭では剥き出しの商品も輸送時には何かしらのパッケージに入っているはずなので
(写真を拝見した印象ではそのまま輸送するには適さないと思うので)
それを店舗でパッケージから出すという作業負担も増えるし
別拠点に再度輸送する際はまた梱包し直す必要があるし
仰るとおり汚れなどでB品も増えるし
それだったらプラパックのままが圧倒的にエコですよね。
という結論にユニクロも至ったのではないでしょうか^^;
これ一応売場で販売員に確認したら
今期ものは機能が一つ追加されているとの事でした。
ついでに3PのTシャツやボクサーパンツも元に戻して欲しいですね
ヒートテックは一応肌着ですかね
心理的にむき出しはやな気持ちになりますよね。
その辺りのお客様の声を反映してではないかなと思ってますね