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南充浩 オフィシャルブログ

低価格のウールセーターがめっきり減ったと感じた話

2021年11月26日 お買い得品 3

先日、低価格のウール100%セーター(もしくは高混率のセーター)が減っているのではないかという話題で取材を受けた。

衣類に限らず低価格品で暮らしている当方の知っている範囲でいうと、今秋冬で3000円以下のウール100%セーターを発売しているのはユニクロと無印良品くらいではないかと思う。

もちろん、昨年からのキャリー品や、在庫処分店は別である。

GMSの平場は詳しくは見ていないが、近所の西友には今月頭までは置いていなかったので、似たり寄ったりで、あったとしても一部ではないかと思う。

いつの間にか4000円未満のダウンベストは姿を消しつつあり、中綿ベストがこの価格帯では主流になっているのと似ていると感じる。

ただ、この2ブランドもウール100%セーターをいつまで今の価格帯で維持できるのかは、最近の原油価格の高騰や原材料費・人件費の上昇を見ているとなかなか不透明だと思える。

 

今後考えられる施策は3つだろう。

 

1、価格を維持して、ウール含有率を減らす(30%くらいポリエステルやナイロンを混ぜる)

2、素直に店頭販売価格を上げる

3、価格を維持しつつウール100%も維持しつつ生地を薄くする

 

である。

早ければ、1年後(来年冬物から)とか2023年頭からとか、その辺りで3つのうちのどれかの施策を開始するのではないかと思う。

 

当方は以前から書いているようにウールのセーターを愛好していて、冬場はほぼ毎日ウールのセーターを着ている。マフラーもほとんどがウールかウールカシミヤ混である。アクリル100%のマフラーは2~3枚あるくらいである。

体感的なモノなので個人差があるだろうが、当方にとって、世の中のオッサンが愛用しているフリースはあまり温かみを感じないし、着心地も悪いので大嫌いである。

薄手フリースはまだマシだが、ユニクロが一世を風靡したあのフリースは本当に嫌いである。何がいいのかわからないほどだ。

そんな当方だが、2018年頃までは、値下げ品も含めると3000円まででウール100%のセーターを買う場所は、ユニクロと無印良品以外にもあった。

例えばGAP、ジーンズメイトとライトオンである。

思い返せば、ジーンズメイトでは1000円に値下がりしたジムのウール100%ホールガーメントセーターを買ったし、ライトオンではアーガイル柄のセーターを3枚、フェアアイルを3枚買った。GAPのも買ったことがある。

しかし、2019年冬物以降は、その手の商品がめっきり減っており、ユニクロと無印良品でしか買っていない。さらにいうと、この2ブランドはたまにウール100%を投げ売りする。

必然的に低価格でウール100%セーターを揃えるとなるとこの2ブランドしか選択肢がなくなったと感じる。

 

 

 

そんな愛好家(似非ではあるが)からすると、低価格ウールのセーターの減少は寂しく感じる。

 

昔はどうだったのか?と問われると、90年代前半に販売員をしていた記憶を呼び覚ますと、もちろん合繊セーターもあったが、当時、働いていたイズミヤのテナントでは3900円・2900円でのウールのセーターはあった。もちろん、それ以上の価格のセーターもあったが、確かに2900円くらいで販売した商品もあった。

2019年以降はそんな価格帯の商品はユニクロと無印良品を除いて消えてしまった。

同じファーストリテイリングでもジーユーは元からウールにはこだわっていない。先日、しまむらも見たが、こちらもブランドの立ち位置としてウールにはこだわっていない。

となると、今後も5000円未満(値上がり分を加味して)でウール100%のセーターを継続するのは、ユニクロと無印良品くらいしかないだろうと思う。

 

愛好家とか、富裕層とか、「丁寧な暮らしの人w」とかを除くとウールのセーターを求める人は減っているのではないかと個人的には感じられる。

ウール製品は保管・メンテナンスがめんどくさい。

セーターに限らず虫に食われて穴が開いてしまう可能性がある。またセーターの場合は洗濯すると縮む可能性があるので気軽には洗濯しにくいという心理的抵抗もある。

それと比べると、当方の嫌いなユニクロタイプのフリースとか、合繊セーターとか合繊ダンボールニットのスエットだとかは、気軽に洗濯できるし、虫食いで穴が開くこともない。

もちろん毛玉はできるかもしれないが、それはウールのセーターとて同じである。

とすると、格別に愛着の無い層の人たちがどちらを選ぶかというと、言わずもがなだろう。

多分、ウールの低価格品は姿を将来的には消すだろうし、中価格帯以上でも特別な愛好家向け以外のウール製品は姿を消すのではないかと思う。

取材で、「もし、ウールが無くなってマスの消費者が困ることはありますか?」と尋ねられて、ふと答えに詰まった。当方的な低価格生活をしている人間にとって、実は「困る」点が思い浮かばないのである。

セーターは先ほど書いた通り代替品がある。(好きか嫌いかは別にして)

スーツはどうかと言われると、アクティブワークスーツ的な合繊機能素材スーツの方が便利ではないかとさえ思う。

コートとて同じで、今「ウールのコートでなくちゃ嫌だ」と言う人は少ないだろう。ウールのチェスターフィールドコートより、ダウンコートや中綿入りコートの方が軽くて暖かい。

となると、愛好家が嘆き悲しむくらいしか、当方には思い浮かばなかった。

まあ、そんなわけで、ウールのセーターに関しては、今所有している物を大事に使い続けようと思った次第である。(うーん、サステナブル)

 

 

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 comment
  • お気楽ニャンコ より: 2021/11/26(金) 2:32 PM

    原材料の高騰や洗濯や保管の問題ももちろんありますが
    ウールが苦手という人が最近とても多くなりました
    昨年までグンゼの綿90%ウール10%のババシャツを長年愛用してきましたが(10%でも暖かさと軽さが変わるんです)
    チクチクするというコメントが結構多く…
    遂に廃盤になってしまいました
    (チクチクに関しては毛刈りをするウールは仕方がないのですが…)
    アレルギーのような症状が出る人もいます
    私は気にならいのでメリノ種などの柔らかいウールよりもスコットランドなどのちょっとゴワゴワするけれど軽くて毛玉もさっと取れるセーターが好きですが…
    一番苦手なのはヒートテックのような伸縮性があってフィット感のある化繊のインナーです

  • 坂上 より: 2021/11/29(月) 12:14 PM

    NHKの朝イチで取り上げられているのを観ました。洋服類の値上げに繋がるとデフレマインドに慣れてしまった庶民にはキツいでしょうね。ところで番組中に話に出たのが、ウールのリサイクル。このようなことはコスト的にメリットがあるのか?そもそも技術的に可能なのか、どうなんでしょうか。

  • ak より: 2021/12/08(水) 8:32 PM

    寒がりなので暖かいセーターが大好きですが、
    手頃なウールは本当にユニクロと無印くらいでしか見なくなってしまいました。
    100%どころか、手頃なブランドで、
    数年前に購入したものが、50%以上ウールでしたが、今それらのブランドで50%も入ってるのはありません。
    高価格の100%が高品質とも限りません。

    ネット通販をみていても、ちくちくしないとか、
    洗えるとか、もちもちとか、化繊をよく聞こえるように書いたものが多い。
    もはや暖かさや、自然素材を売りにしていないようです。
    自分も、昔買った服は同等なものは買えないのでとっておいています。

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