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南充浩 オフィシャルブログ

金融が推薦する羊頭狗肉な人たちの話

2021年8月17日 トレンド 1

先日、久しぶりで出張に来られた方とお会いした。

なんやかんやと業界の噂話や裏話をしたのだが、その中の一つにこんなものがあった。

詳細はちょっとボカしたりフェイクを入れたりする。ただし、大筋は曲げない。

 

先ごろ、某中堅ブランドの次期社長に内定した人がおられる。個人的にはまったく面識はなく、業界メディアで発表されて「ふーん、そんなものか」と感じただけだった。

ところが、この出張に来られた方によると、かなり以前からの昔馴染みだという。

相変わらずネットワークがお広い。

しかし、昔馴染みだが、恐らく5~6年間は会っていなかったそうだ。理由は、この次期社長が昔属していたアパレルで、大失敗をやらかしてそれ以降業界内での消息が聞こえてこなかったからだという。

「業界内行方不明」と言うやつである。

当時属していたアパレルが鳴り物入りで大型直営店を出店し、そこの担当部長に任じられたが、売上高は低迷して早々に閉店。あまつさえ、その部署内で愛人を作って女性問題を引き起こしていたため、引責辞職をしてそのまま業界内行方不明となってしまったそうである。

そんな人が他社の次期社長でいきなり業界メディアに登場したからびっくりしてしまったというわけである。

 

逆にそんな話を聞いて当方もびっくりしてしまい、その中堅アパレルが今後無事に運営されるのかどうか、心配でならない。

じゃあどういう経緯でそんないわくつきの人物が次期社長に就任したのかというと、ファンドとか金融が連れてきたと言われている。

 

業界内には、移籍する先々で会社を潰したり、ブランドを低迷させたり、大赤字を叩き出したりする「やり手マン」が幾人かいる。

業界メディアでもしばしばインタビュー記事なんかで採りあげられることがあるが、業界の底辺で細々と暮らしている外野たる当方からすると、あれだけ盛大に連戦連敗をやらかして、よく移れる先が次々と見つかるよなあ、と不思議でならない。

だが、これもだいたいは投資ファンドや金融機関が次の先を紹介するのだそうだ。

 

 

ワールドやオンワードのような大手、しかも上場していると開示義務が発生するから、外部から来た人が手ひどいやらかしをした場合、ほぼ(すべてではないが)開示される。

だから、めちゃくちゃな経歴の人はちょっと連れてこられない。

だが、非上場大手や中堅クラス(ほとんどが非上場)は開示義務がないので、いわくつきの人物が連れてこられることがままある。

そして、いわくつきの人はだいたいが初対面は人当りが良かったり、熱意があったりする。

これに騙されてしまう旧経営者も多いようだ。

 

話しは横道に少し逸れるが、ドラマや映画を見ていると、見るからに悪人という人が登場する。容姿もそうだし、言動もそうである。

だが、あんな「見るからに悪人」と言う人は実際の社会ではほとんど存在しない。

だいたいの第一印象は「普通」である。普通の中に「異常な部分」が潜んでいるところが人間という生き物の怖いところである。それを一目で看破することは並みの人間では無理である。もちろん並以下の当方はもっと無理である。

だから、ドラマや映画のような「悪人」を想像していると、肩透かしを食らうことが多い。

 

それはさておき。

 

某物作り系の中堅アパレルで何年か前に社長交代が行われたことがある。

次期社長にも一応、当方も直接お目にかかった。印象は「極めて普通」だった。

しかし、次期社長の古巣の人間たちからはかなり評判が悪く、当方はそれを事前に聞いていたので「この会社は大丈夫だろうか?」とひそかに不安を感じていた。

とはいえ、面と向かってそれを指摘することも、旧経営陣に密告することもはばかれるので通り一遍での会話に終始した。

その何年か後に関係者に「その後どうですか?」と尋ねると、案の定「最悪です。社内でゴタゴタしています」という答えが返ってきた。

この次期社長も確か投資ファンドか主要金融が連れてきたはずである。

 

そして、このブログでも以前に書いたこともあったが、行く先々の企業・ブランドで赤字化・倒産・ブランド廃止に追い込む連戦連敗のクラッシャーと呼ばれる人(当方がそう呼んでいる)がおられるが、一度や二度の失敗なら名誉挽回のチャンスが与えられることも理解できるが、連戦連敗でよく移籍先に困らないものだと不思議で仕方がなかった。

何年か前の移籍先の人に「どうして御社はクラッシャー氏を受け入れたのですか?」と尋ねてみると、これもまた投資ファンドの紹介によるものだという返事だった。

 

投資ファンドや金融機関の人たちの目玉は飾り物なのだろうか?

そういえば、某老舗アパレルのSNS役員だった人もファンドか金融が連れてきたと聞いている。

 

 

この手の金融やファンドの推薦で企業を渡り歩く人は、得てしてそれなりに知名度が高かったり、業界メディアへの露出が多かったりする。

そのため、他人から見れば「優秀な人物(そうでなければ何社も渡り歩けないはずだ)」と映ってしまうが、結構な確率で羊頭狗肉・竜頭蛇尾である可能性が高い。

まあ、ファンドや金融からの推薦を受けた業界内著名人を重要ポストに登用する際にはくれぐれもお気を付けください。

 

 

 comment
  • お気楽ニャンコ より: 2021/08/18(水) 8:46 AM

    相当以前から楽しくblog拝見させていただいております
    今回初めてコメントさせて頂こうか…と
    的外れならすみません!(先に謝って置きます)
    投資ファンドや金融機関が連れてきた(紹介)となると、その会社のある程度の株を持っているのではないでしょうか?
    業界内だけだとしても多少なりとも話題になる事で株価が多少上がる➔手持ちの株を売る➔利益を得るという事だと思います
    持ち株を売った後はその会社がどうなろうが知ったこっちゃあないという…
    今後もblog楽しみにしております

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