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南充浩 オフィシャルブログ

アーバンリサーチグループが大量閉店するという話

2021年8月16日 企業研究 2

お盆休み中というのは基本的に繊維・アパレル業界紙はネタ枯れのシーズンである。

業界紙記者時代も7月・8月という夏休みシーズンはかなりネタ枯れで苦しんだ記憶がある。これが9月に入ると展示会やら新規店オープンやらが増えてネタに困らなくなる。そんな業界サイクルがある。

 

そんなネタ枯れシーズンに飛び込んできた大きなニュースがこれである。

アーバンリサーチグループのショップが大量閉店、7月から8月末にかけて計18店舗が営業終了 (fashionsnap.com)

 

コロナ禍が始まる前からアーバンリサーチの調子が悪いという話は各製造関係から聞いていた。

KBFの南船場店が閉店していたし、アーバンリサーチストア心斎橋店も閉店してしまった。アーバンリサーチストア心斎橋店の跡地はビルが取り壊されて新たに何か建物を建設しているようなので、不振もさることながら、賃貸の契約期間が終了したのではないかとも思う。

ユニクロ心斎橋店も今年8月1日に閉店してしまったが、コロナ禍以前は、インバウンド需要も相まってこの店は不振どころか絶好調だったが、ちょうど今年で賃貸契約期間が終わるということで契約更新をせずに閉店となってしまった。

9月には、今のジーユー心斎橋店にユニクロが入って、ジーユーとユニクロの併設店としてリニューアルオープンする。

 

ちなみにジーユーは心斎橋OPA店が穴場である。OPAというビル自体がいつも閑散としているため、その7階にあるジーユーも他店に比べて閑散としている。そのため、他店で売り切れたアイテムが残っていることがよくある。

 

それはさておき。

 

アーバンリサーチグループが、7月から8月末にかけて計18店舗の営業を終了する。同社は先月の段階で、「デコール アーバンリサーチ(decor URBAN RESEARCH)」のニュウマン新宿店、「フリーマンズ スポーティング クラブ(FREEMANS SPORTING CLUB)」のギンザ シックス(GINZA SIX)店など4店舗を7月中に閉店すると公式サイトに掲出。今月に入り、既に閉店している店舗も含め計14店舗を追加で閉店することを発表した。

今回の発表により、「ケービーエフプラス(KBF+)」のジョイナス横浜店や新宿ミロード店、「ケービーエフ(KBF)」渋谷パルコ店、ルミネ池袋店、「URBAN RESEARCH」エスパル仙台店、「アーバンリサーチ ドアーズ(URBAN RESEARCH DOORS)」表参道店、「グリーンバー(green bar)」タカシマヤ ゲートタワーモール店、「アーバンリサーチ ロッソ(URBAN RESEARCH ROSSO)」ルミネ有楽町店、「アーバンリサーチ iD(URBAN RESEARCH iD)」渋谷パルコ店などが営業を終了する。

 

とある。

店舗名を見てみると、都心の一等地立地店がほとんどである。

コロナ禍での営業休止や消費活動の失調などで都心一等地店が受けたダメージはアーバンリサーチに限らず大きい。しかし、コロナ禍以前から、同社は財務内容がかなり悪化していると業界内ではもっぱらの噂だったため、そこに襲来したコロナ禍によって、実店舗売上高が稼げなくなったダブルパンチを食らったといえる。

たしかに同社はEC(いわゆるネット通販)の先行企業ではあったが、何度もこのブログで書いているように、また他のまともな識者も指摘しているように、現時点でECの売上高で実店舗売上高を完全に穴埋めできている大手企業はない。

もちろんアーバンリサーチも例外ではなかったということである。

10年後、20年後にはネット通販売上高が実店舗を越える大手アパレルも出てくるのかもしれないが、現時点ではそれは夢物語に過ぎない。

 

さらに、財務内容の悪化を理由として、繊維専門商社筋からはアーバンリサーチに対してかなり厳しい取引条件に変更したとの情報も流れている。

 

アーバンリサーチに限らず、都心一等地型の高感度(を謳っている)でそこそこの値段帯のセレクトショップやブランド店は、コロナ禍で大きく売上高を下げたまま回復の兆しがない。

一方で、地方店や郊外店が主力の低価格店は堅調に推移している。

 

こうした傾向はアーバンリサーチもとっくに知っているだろうが、地方や郊外への進出はアーバンリサーチとしては厳しいと当方は見ている。

現在の財務内容の実態は置いておいて、アーバンリサーチの「高感度」は地方、田舎では通用しにくいと当方は考えている。これはアーバンリサーチに限らずユナイテッドアローズやビームスなども同様だと思う。せいぜい都心郊外くらいまでしか通用しないのではないか。

例えば、京都府北部のロードサイドとか広島県福山市のロードサイドとか、本物の田舎にあの手の店が進出しても恐らくは売れないだろうと思う。

もちろん、一部の現地内では高感度と言われる人は歓迎するだろうが、そんな人は現地では数少ない。現地のマス層の好みやテイストとは大きくかけ離れている。

そして、買いやすい低価格でもないから、現地の人が「お試し」で買ってみるにはハードルが高くなる。

だから、コロナ禍が始まって1年半が経過しても、アーバンリサーチを含む都心一等地ブランドの地方進出はあまり進んでいないのではないだろうか。

 

アーバンリサーチにとっては我慢の時期が当面続くことになるのではないかと思う。

 

 

そんなアーバンリサーチの商品をどうぞ~

 comment
  • kimgonwo より: 2021/08/17(火) 4:21 PM

    ビジネスシューズに白い靴下が履ける ファッションに全く関心の無い友人に
    ブランドがコラボレーションしたダブルネームのポロシャツを自慢しました
    すると
    「それ 本物か?」
    と 想像もしなかった 答えが返ってきました
    無関心のふーんではなく 本物か?です
    おどろきました 名張在住

    そういう人間からすれば URあたりの 白いシャツの値段をみたら
    ひっくり返るんじゃないかな?
    UR UN BEEMSも都市部でしかビジネスにならないでしょう
    郊外で でっかい駐車場があるような店舗は似合わないですよ

    あっ こういう人はURと表記するとUR都市機構と思うか

  • key より: 2022/05/07(土) 10:24 AM

    BEEMS?UN?
    BEAMSとUAのこと?

    コロナ禍に入って大手セレクトは郊外に可能性見出してるよ。
    エンドユーザーもわざわざ都心部に行かずに完結する商業マーケットの方が合理的なご時世だからね。
    というか、文面から察するにアパレル業界もファッションそのものも、なにも知らんのだろうね。

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