
夏のメンズ半ズボンスタイルは中高年男性専用になってしまったかも?という話
2021年8月12日 トレンド 0
世間はそろそろお盆休みである。
このブログは基本的に休日はあまり読まれないので、13~15日はお盆休みとしようと思う。
お盆休み前ということで気楽な話題を一つ。
先日、東京から来られた小規模・零細ブランドの方とお会いした。
別に真剣なビジネスの話もなく、気楽な雑談だったのだが、その中で
「最近の若い男性(10代後半~20代)は半ズボンがあまりカッコイイとは思っていないらしい。オジサンの穿くズボンだと認識しているようだ」
という話しが出た。
そこで、ちょっとそれをツイートしてみたのだが、結構な数のリプライやいいねがあって、通知がめんどくさいことになってしまった。
先日、お会いしたアパレル関係者に聞いたのだが「最近の若いメンズは半ズボンをダサいと思っているらしい」とのこと。本当かどうかはわからないが、心斎橋や難波で観察しているとたしかに若い男性の半ズボン姿は数年前より減った気がする。逆にオッサン・ジジイの半ズボン姿は増えている
— 南 充浩 (@minamimitsuhiro) August 11, 2021
もちろん、統計を取ったわけではなくあくまでも体感なのだが、その後、気になって心斎橋・難波・天王寺で道行く男性のカジュアルスタイルを観察していたのだが、たしかに若者の半ズボン姿は3~4年前に比べると何割か少なくなったように感じた。
逆に30代半ば以上、とりわけ、小さい子供連れの男性は相変わらず半ズボン姿が多かった。
何となくだが、カジュアルスタイルの半ズボン姿というのは2021年現在、中高年男性向けという感じになっているのではないだろうか。
で、ここからは個人的な体験なのだが、51歳の自分が子供の頃というと40年以上前の話になる。
当時の自分には成人男性の半ズボン姿はカッコ悪いと映った。というか、異質と映った。
実際、身の周りで半ズボンを穿いている成人男性はいなかった。テレビ画面で視るのはサッカー選手やボクシング選手などのスポーツ関係、もしくは海水浴風景くらいしかなかった。
半ズボンといえば小学生までの服だという感じで、中学生に進むとみんな夏でも長ズボンを穿くようになった。もちろん自分も中学校1年生からは長ズボンをカジュアルで穿くようになった。
スポーツ時やホームウェア以外で、成人男性が脚を剥き出しにすることは当時なかった。
まあ、そんなわけで当方もスポーツをするとき、プールに入るとき、夏の寝間着以外に半ズボンを穿いたことは中学1年生以降なくなった。
長ズボンの丈というのもマストレンドでは変化していて、裾を踏みつけてあるくような長い丈がカッコイイとされた時代もあったが、近年は徐々に短め丈の方がカッコイイとされ、いまだに長ズボンでも靴の上に乗っからない程度の長さが良しとされているが、最近はフレアパンツが復活しつつあり、このフレアパンツは少し長めの丈という場合が多いから、何年か後にはまた裾を引きずるような長さの丈が復活するのかもしれない。
2009年とか2010年頃からメンズのパンツもくるぶし丈、いわゆるクロップドパンツというものが出だしたと記憶している。
そこから徐々に短くなり、7分丈パンツがかなり増えた。
たしか2011年の東日本大震災後、節電のために冷房温度を高くしたり風量を緩めたりする試みがあり、クールビズをさらに進めた「スーパークールビズ」が提唱され、モデルスタイルに7分丈パンツが登場した。
2010年くらいから当方も真夏にくるぶし丈、7分丈パンツを穿くようになったが、裾が数センチ短くなり、足首を見せると通常の長ズボンよりは幾分涼しく感じたので、真夏の7分丈パンツはその後長く愛用し、今でも時々穿いている。
7分丈パンツくらいまでは長ズボンの延長線上に当方には見るので、さほどカッコ悪いとも思えなかったし、取り入れるのに抵抗感はなかった。
その後、2013年とか2014年頃からだろうか、2010年以降は夏の猛暑日が格段に増えたということもあり、膝上の半ズボンスタイルがメンズカジュアルで増えた。
正直に言うと、膝上の半ズボンなんてものは小学校6年生以来、スポーツ時と寝間着以外で穿いたことがない。そして実際に着用している人々を見てもなかなか着こなしが難しい物だと感じた。
小太りで脚が太すぎると豚足が歩いているようにしか見えないし、がりがりで細すぎると貧相である。
またすね毛が濃すぎると猿っぽく感じるし、ツルツルすぎても違和感がある。
また短足は似合いにくく見えるが、かといって脚長さんはそんなに多くは存在しない。
とまあ、こんな感じで、この感想は今でも変わっていない。
とはいえ、2018年くらいからは「一度挑戦してみよう」ということで、ユニクロで500~990円に値下がりした膝上丈半ズボンを5~6枚買ってみた。

990円に値下がりして買ったユニクロUの半ズボン
基本的にあまり似合っているとは思えないがそれなりに涼しいから、重要な打ち合わせや取材、非常勤講師などが入っていない場合、穿いて心斎橋をブラブラするようになった。
2016年~2018年頃、成人男性は若い層も結構膝上丈の半ズボンを真夏に着用していたように記憶している。それに釣られて中高年層も「市民権を得た」とばかりに着用を開始したように思える。
2021年夏現在、路上で観察していると、中高年男性の半ズボン姿の数は3年前とさほど変わっていないと感じるが、10代後半~20代前半の男性の半ズボン姿は減ったように感じる。
オジサン・ジイさん層にまで行き渡ってしまうと、若者はそのアイテムやスタイルに嫌気がさしてしまうということは半ズボン以外でもちょくちょくとある。
例えば、往年のレギュラーストレート定番ジーンズだが、今、これを愛用している層は40代半ば以上、メイン着用層は50代・60代のオジイサン層になっている。
膝上丈の半ズボンもちょっとそれに近い感じを受ける。
とはいえ、今の若者層が年を取った10年後、20年後にまた半ズボンが若者の間で目新しく映りリバイバルする可能性はある。
次のトレンドと目されているフレアパンツだが、40代・50代にとっては15年前の大流行を知っているだけに古臭く感じられてしまうが、15年前に子供だった今の若者からすると目新しく感じるのだろう。
当方は、自他ともに認めるジジイなので、今更「ジジイ」と見られることには何の抵抗もないから、気温や状況次第では膝上丈半ズボンを今後も着用するが、「若者ぶって」いて膝上丈半ズボンをカジュアルシーンで着用している成人男性は一度、周囲を観察してみた方が良いのではないか。
そんなことを思った夏だった。