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南充浩 オフィシャルブログ

ウェブメディアを活用しないのはもったいない

2013年12月5日 未分類 0

 アパレル業界のニュースも随分とウェブで流れてくることが増えた。
SPAやセレクトショップなどは盛んに自社の情報をウェブで発信しているし、アパレルウェブ、ファッションスナップドットコムを始めとするウェブメディアも育ってきた。

しかし、大手合繊メーカーや大手紡績のウェブ記事はいまだに数えるほどしかお目にかからない。

たまにウェブで流れてくる記事の多くは決算発表や社長交代などの事案ばかりで、肝心の糸や生地などのニュースはほとんど流れてこない。

筆者も時々、合繊メーカーや紡績の広報窓口の方に接する機会があるが、彼らの多くはいまだに「紙媒体(新聞、雑誌など)」を最重視しており、ウェブ媒体にはあまり関心がない。
これは別に窓口の方だけが古い体質なのではなく、その上層部の方々がそうだから、窓口としてもそうならざるを得ないということなのだろう。

かつては業界紙に在籍した身から言えば、紙媒体の存在意義は十分にあると考えているが、ウェブメディアを活用しないのは、広報戦略としては上手い手法ではない。

大手一般紙の発行部数は数百万部と言われている。
しかし、ヤフーヘッドラインを始めとするウェブニュースメディアはそれ以上の人が1日に何度も目にしている。

業界紙ならもっと部数は少ない。
大手の業界ウェブメディアの1日のPV数は軽く業界紙の発行部数を凌駕している。
さらにいうなら、紙媒体は仲間内での回し読みを別とすれば、それを購読した人以外の目に触れることはないが、無料のウェブメディアなら不特定多数の人の目に触れる。

新開発した糸や生地などの情報は広く不特定多数の目に触れる方が効果的ではないのか。

こういうと「うちらの商品は一般小売をしておらず、生地メーカーやアパレルメーカーへ卸売りしているので一般消費者とは関係ない」という反論も聞こえてきそうだが、それならば何故、大手合繊メーカーや大手紡績は、自社の事業内容がさっぱり伝わらないようなテレビCMを長年流し続けているのだろうか。
何十年か前に作ったのをそのまま延々と流し続けるタケモトピアノのような手法ならまだしも、頻繁にフィルム内容を更新し続けているのは明らかに非効率であろう。
テレビCMの製作料は決して数十万で済むような低価格ではない。

おそらく自社のイメージアップも狙って広く一般消費者に向けてテレビCMを流し続けているのだろう。だとしたら、ウェブメディアへの対応も同じでようにするべきではないか。
むしろ、事業内容がさっぱり伝わらないイメージ先行のテレビCMを流すよりも、キチンとした記事がウェブメディアに流れる方がより有益ではないのだろうか。

日本の大手合繊メーカーや大手紡績は優れた技術があるとされているのに、それを伝えるのが業界紙のみというのは何とももったいないことではないか。

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