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南充浩 オフィシャルブログ

中華料理店とのコラボ服が増える理由が理解できないという話

2021年7月26日 トレンド 3

先日、衣料品業界人お二人とお会いし、歓談させていただいた。

おひとりは40代半ばで、お高いイタリアンメンズスーツ・イタリアンメンズカジュアルを扱う方。もう一人は40代後半の紳士服チェーン店の方。イタリアンの方とは何度かお会いしているが、実際にお会いするのは2年ぶりくらいで、紳士服チェーンの方とは初めてである。

お二人は以前からの知人同士なので、当方もそこにお誘いいただいたというわけである。

一応、当方も衣料品業界にいて、邪道ではあるが衣料品は好きな方だろうと思うが、それ以上に衣料品というかファッション好きなお二人だが、3人で話したことといえば、業界状況、衣料品ビジネスの現状、そしてキン肉マンについてだった。

いわゆる「ファッション」の話はほとんどなかった。記憶が確かなら皆無である。あ、ピッティで見かけた変な服装についての話題はあった。凝りすぎてて逆に変になってるよね、という話しである。

何が言いたいかというと、正直な話、ファッションについて語るよりもキン肉マンについて語った方が盛り上がるのである。

凝りすぎてて変になっているファッション愛好家の人々を除くと、多くの人は、ファッションのことにはあまり興味がない。衣料品業界人の多くも同様ではないかと思う。この時の3人はキン肉マンについての方が盛り上がった。

 

そんなわけだから、衣料品が「純然たるファッション」だけで注目を集めるのは、非常に難しい環境となっており、必然的に異業種とのコラボが増えることとなる。

筆頭はアニメ・漫画・特撮番組とのコラボだろう。

 

何度も繰り返すが、30年前、20年前にアニメや漫画・特撮番組のキャラクターをプリントしたTシャツなんて着ているのはオタクしかいなかった。特別にオシャレではない人達だって、デイリーカジュアルや余所行き(死語)にそんなものを着ることはなかった。

ところが今はどうだ。ユニクロに限らずアニメ・漫画・特撮コラボ服は巷のブランドに溢れている。30年前にはアニメなんて見向きもしなかったデザイナーズブランドでさえコラボをしている。

元オタクで、今も日曜日にはゼンカイジャーを視て、ジョギングをしてからガンプラを作っている初老の現オタクからは想像もできなかった未来が到来している。

 

 

最近、衣料品業界で増えているコラボが中華料理店とのコラボである。

ハッキリ言ってしまうと、当方にはこれの狙いがまったく理解できない。デザインを見てもカッコイイとは全く思えない。逆に中華料理店の店員の制服だろうかと思ってしまう。

これを着て街に出れば、休憩中の店員のように見えるだろうなと思う。

 

例えばこれら。

 

アダストリア「レイジブルー」が餃子の王将とコラボ、地域限定デザインのTシャツなどが登場 (fashionsnap.com)

 

「蒙古タンメン中本」がアパレルに 「アース ミュージック&エコロジー」で販売 | WWDJAPAN

 

渋谷の町中華「兆楽」がジャーナルスタンダードとコラボ、看板メニューをプリント (fashionsnap.com)

 

ニコアンド×中国料理店「紅虎餃子房」“虎イラスト&ロゴ”入りTシャツやキャップ、限定メニューも – ファッションプレス (fashion-press.net)

 

原宿の名店!紫金飯店×FREAK’S STOREの即完Tシャツが再入荷!<ONLINE SHOP ONLY> | FEATURE | FREAK’S STORE / フリークスストア 公式ブランドサイト (freaksstore.com)

 

とまあ、こんな具合だ。

たしかにこれらの中華料理店は大衆店なので確かに馴染みはある。馴染みはあるがカッコよさを感じる人はほとんどいないだろう。

フリークスストアは売れたようだが、レイジブルーの王将コラボなんて売れていなくて、ズボン類と雑貨類以外は軒並み投げ売りになっている。

 

例えば、この王将プリントTシャツなんて定価の66%オフである。

【餃子の王将】コラボプリントTシャツ | [公式]レイジブルー(RAGEBLUE)通販 (dot-st.com)

 

 

一体、何のためにコラボをしているのだろうか?

 

もしかして、中華料理店側からコラボすると協力金でも支払われているのだろうか?

 

冒頭でも述べたように確かに「純然たるファッション」だけではもう大衆は飛びつかない。

売るためには、価格なのか機能なのかコラボなのか、最低でもどれか一つのプラスアルファが必要になっている。

だが、いくらコラボと言っても、「王将のTシャツを着てみたいなあ」とはなかなかならないと思う。ユニクロの企業コラボUTに触発されたのだろうか?しかし、あれだって、最後は大量に投げ売られている。

さらに言うなら、企業コラボはあくまでも企業コラボであって中華料理店に限定されているのは、また違うと感じる。

中華料理店にそこまでの魅力があるのだろうか?それともピッティを闊歩する「凝りすぎて変な衣料品業界人」と同じ発想で凝りすぎて変になったのだろうか?

 

当方のごとき初老では中華料理コラボの意味が全く理解できない。

 

もしかすると、20年後か30年後、アニメキャラクターよろしく、中華料理店コラボ服が市民権を得て大衆が愛用する未来が訪れるのだろうか?

もし、何かお分かりの方がおられたら、愚昧な初老にご教授いただけると幸いである。

 

 

王将の餃子100個入2900円をどうぞ~

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 comment
  • トオリスガラー より: 2021/07/26(月) 11:53 AM

    トオリスガリのものです。
    おそらく、韓国ブーム同様の台湾のカルチャーやファッションが日本で少し前から人気があることから、中華料理屋コラボに繋がるのかと思います。
    漢字のTシャツや、レトロなゆるいデザインの線描画なんかが若者の中で、スタイリングの外しになる感覚があるのかと。
    それが中国の流れではなく(中国だとファッション感がない)、台湾からやってきて、
    そしてその外しの漢字Tシャツや中華雰囲気デザインの流れが、日本の中華料理屋を採用するとこまできたのかとゆう雰囲気がします。
    あくまで推察ですが。
    外してます、サブカル感あるでしょ、的な立ち位置をサブではない大きめのところが話題作りでやり始めた。
    1人で10年前に着ると痛い奴でも、最近なら外しのおしゃれになる的な。

    少し前のTOGAや
    https://www.fashion-press.net/news/55773

    テラスハウスの男性がまさに東京サブカル男子台湾帰りとゆう感じでした
    https://www.fashionsnap.com/article/2019-12-30/baodao-shoheimatuzaki/

    また、近年韓国や台湾のレコードショップTシャツものは多いように感じます。
    https://www.google.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000547.000003710.html

    スカジャンの漢字とはまた違う流行り方で若者に新鮮なのかと思います。

    セールになってるのは本来サブなのにたくさんチェーン店にばら撒いて余らせたんですかね。よくある東京の人らのおしゃれでしょこれ、の考えが地方に伝わらなかったやつかと。

  • おーまめ より: 2021/07/26(月) 12:31 PM

    数年前にTシャツに漢字や、中華を想像させる刺繍やグラフィックが海外トレンド(マスにではない)情報に上がっていた時期がありました。端的に言うとスタートはそこからじゃないかなとーおもてます。写真もノスタルジーな雰囲気も込みでこっち系のカルチャー新しくてええやろ?的な。かっこいいかどうかは置いておきますが遊びがあってよろしいことです笑
    何十年後に古着のデッドストックとかで出てきたら語れることはありそうです笑

  • BOCONON より: 2021/07/31(土) 6:33 PM

    キムタクがマクドのCMなんぞに出演して自分を安売りしているのと同じですね。
    すなわち単に「貧すれば鈍する」というだけの話でありましょう。

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