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南充浩 オフィシャルブログ

仮説を立てることは重要

2013年11月26日 未分類 0

 仕事柄、いろんなブランドの展示会に招待していただく。
展示会を開催するのは、一部の例外はあるがだいたいが卸売りが主体のブランドである。

展示会でブランド側、メーカー側の話を伺うと「この展示会では何が売れ筋ですか?」「どんなのを仕入れたら良いですか?」と尋ねてくるバイヤーが多いとのこと。
これは何も今に始まったことではなく、筆者の知る限り10年以上前からそうだとのこと。
これには業績不振が続いており、何を売ったら良いのかわからなくなっているバイヤーの自信のなさが表れているのだと思う。

もちろんそうではないバイヤーもいらっしゃるが、それはあくまでも少数派のようだ。

例えば、「この展示会での売れ筋はなんですか?」という質問には、売れ筋の情報を収集する目的のほかに、他社が多く買い付けた商品を仕入れていれば、大きな失敗は起こさないだろうという安全志向も同時に存在しているのではないか。

「どんなのがオススメですか?」と尋ねるのも、メーカー側の自信作がどれなのかを確認するという意味合いもあるが、自分ではセレクトできないのでオススメ品を教えてもらいたいという心理も働いているように感じる。

自分で考えなくなったバイヤーが多いという印象を持つメーカー、ブランドは多い。

さて、先日、滋賀の有力カジュアル店ボーンフリーにお邪魔した。
今年で創業40周年を迎えた名店である。

ボーンフリーの堀江明廣社長は勉強熱心な方で、さまざまな各地のセミナーや展示会にも積極的に出かけて行かれることに定評がある。

その堀江社長が「展示会に行くときは、自分の中で仮説を立ててから行くんですよ」とおっしゃった。
例えば「半年前からミニスカートが良さそうな兆候があるが、メーカー側はどのように感じているのかな?こちらの考えは正しいのか?それとも単なる思いすごしかな?」ということを想定して、展示会に出かけるそうである。

事前に「予断」を持って物を見るのは判断を誤ることにもなりかねないが、何の予備知識も無しに展示会を見ても「ほー、そうですかー」というだけであってビジネスには何の進展もない。
それどころか「何を仕入れたら良いですか?」という先の質問にもつながる危険性もある。
メーカー、ブランド側からすれば「貴店の今期の商品政策なんて知りませんやん」という感じだろう。

そう言う意味では「仮説」は重要である。

一部の例外はあるにしても不調専門店ほど、仮説も立てずにメーカー・ブランド側へ商品政策を丸投げする先ほどのようなケースが多いように感じる。
だから不調なのか、不調だからそうなったのかは卵と鶏の関係のようにどちらが先かは判然としないのだが。

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