リアル店舗とイメージ戦略が乖離している
2013年11月27日 未分類 0
事前にお断りしておくが、ジーンズメイトは単品で探せば結構良いアイテムがある。
昨年からオリジナル製品への取り組みも始まっている。筆者としては何とか成功してもらいたいと願っているのだが、現在、同社が打ち出そうとしているイメージと既存店の顧客層、店作りが適合していない印象を受ける。
90年代後半から関西圏にも出店が始まった。
そこから断続的に何店舗かを見ているが、顧客層はだいたい中高生、大学生の男子が多いように見える。
女性も中高生が見かけるが、男女比でいうと圧倒的に男性が多い。
品ぞろえ的にも店構えからしても高校生向けという印象が強い。
しかし、昨年から打ち出したメンズのオリジナルブランド「ブルースタンダード」は「37・5歳の新定番」がコンセプトであり、30代半ば~40代半ばがターゲットとなっている。
雑誌でいうなら「Safari」や「オーシャンズ」あたりを狙っている。実際に「オーシャンズ」とのタイアップ商品がある。
商品作りと雑誌のイメージ戦略は30代半ば、その他の品ぞろえと店作りは高校生向けでは、せっかくのイメージ戦略が生きてこない。
高校生に「オーシャンズ」のような商品は興味がないだろうし、「オーシャンズ」読者が高校生向けショップに足を運ぼうと思うことはない。
その差を埋めるためにインターネット通販があるということになるのだろうが、リアル店舗とインターネット通販を切り離して考える消費者は少ない。リアル店舗がない場合はサイトのイメージのみで顧客を獲得できるが、リアル店舗がある場合、必ずリアル店舗のイメージにインターネット通販は引きずられる。
せっかくオリジナル商品を作って雑誌とのタイアップでイメージ戦略を進めているなら、リアル店舗の店作りと他の商品構成もそちらにあわせないと効果がない。
逆にイメージ戦略を既存顧客層に合わせるかのどちらかである。
ただ、過去の同社の取り組みでは10代男子をターゲットとした雑誌類に重点的に広告を出稿していた時期があることを考えると、10代男子に販促してもあまり効果が無いと考えたのではないか。
たしかに、今の10代は洋服にお金をかけない。
そもそもお金を持っていない。
だから10代が支持するのは、ジーユーであり、ハニーズであり、しまむらという低価格ブランドである。
そういえば、先日、業界の先輩が「男子顧客に支持されているジーンズメイトなら、ハニーズの男子版を目指した方が有効じゃないか」と提案されていた。
なるほど、その路線もありだろう。