厳しい中にも売れ筋はあるじゃないですか
2013年11月25日 未分類 0
10月、11月と店頭が活発に動いているという話はほとんど聞こえてこない。
10月は業界を通じて軒並み苦戦した。11月に入って気温が下がって秋冬物が動くかと思われたが、12月のプレセール待ちの消費者が多いように感じる。
現時点、11月25日なら確実にプレセール待ちで定価品は動かない。
ユニクロが11月22日から25日まで4日間、創業感謝祭を開催したがプレセール待ち消費者を先んじて獲得するには良いタイミングだったのではないか。
さて、ライトオンとジーンズメイトの10月度、11月度商況も市況に同調してあまり芳しくない。
ライトオンの10月度は
既存店売上高が前年比11・9%減
既存店客数が同5・1%減
既存店客単価が同7・1%減
11月度は
既存店売上高が前年比7・6%減
既存店客数が同3・4%減
既存店客単価が同4・3%減
に終わっている。
ジーンズメイトの10月度は
既存店売上高が前年比7・5%減
既存店客数が同0・4%増
既存店客単価が同7・8%減
11月度は
既存店売上高が前年比6・5%減
既存店客数が同2・3%増
既存店客単価が同8・6%減
に終わっている。
このうち、唯一、ジーンズメイトの既存店客数が微増しているのが救いである。
しかし、客単価が落ちているということはセールを乱発して集客した可能性があり、セール無しでの集客に今後の課題があるのではないか。
レディースブランドの展示会や店舗取材を行うと、「今秋はロゴ入りトレーナーやスエットパーカがよく売れていますよ」という声を耳にする。80年代風のタイトスカートとコーディネイトするそうだ。
もちろん、タイトスカートも売れている。
タイトスカートというといかにもレディースブランドっぽい仕様を想像するが、素材や仕様にあまりこだわりはないらしく、例えば「リー」のデニムタイトスカートなんていうアイテムも好調に動いている。
形がタイトスカートであれば素材や仕様はあまり関係なく、それぞれのブランドのテイストに応じて支持されているようだ。
市況が鈍いから売れ行きも鈍いよね。
気温が高いから秋冬物が動かないよね。
プレセール待ちの消費者が多いから商品が動かないよね。
ジーンズがトレンドじゃないからジーンズカジュアルショップは厳しいよね。
これはすべて事実ではあるが、でも売れているアイテムも世の中に存在している。
そのアイテムがヒラヒラしたデザインの薄手のスカートやワンピースだったり、ドレープ感のあるフェミニンなカットソーだったりしたらジーンズカジュアルショップが苦戦するのも理解はできる。
けれども今秋動いているのは、本来ならジーンズカジュアルショップがもっとも得意とするアイテムの一つであるロゴ入りのトレーナーやスエットパーカなのである。
タイトスカートだってデニム素材やカジュアル素材の商品はそれなりに好調なのであり、デニムのタイトスカートなんて本来はジーンズカジュアルショップの得意とするアイテムの一つではないか。
本来の得意アイテムが売れ筋に浮上しているにもかかわらず、ジーンズカジュアルショップが不調だというのは厳しいようだが、イメージの打ち出しや集客や販促、ショップイメージの構築が成功していないのではないか。
今の消費者には、いわゆる「どカジュアルアイテム」であってもジーンズカジュアルショップで購入するという選択肢がないのではないか。
ジーンズカジュアルショップはそういう意味でショップイメージの構築に失敗しているといえる。
せっかく「どカジュアルアイテム」が脚光を浴びているのだから、ジーンズカジュアルショップには何とかがんばってもらいたいのだが。