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南充浩 オフィシャルブログ

一時代の終焉

2013年11月18日 未分類 0

 大阪市内ではかつてのお洒落スポットだった南船場4丁目、堀江地区の凋落が激しい。
南船場4丁目では物販店は一部を除いて入れ替わりが非常に激しい。新規店はすぐに閉店して入れ替わる。
比較的長期続いているのは飲食店ばかりという印象だ。

堀江地区も似たような印象があるが飲食店は南船場よりも少ないと感じる。

堀江地区といえば、ブランド路面店が両側にずらりと並んだ「立花通り」が有名だったが、ここも最近、有名ブランドの撤退が相次いでいる。
中でももっとも衝撃的だったのは、10月6日に「APC」が閉店したことだろう。
ちなみに「APC」は新店をなんばパークス内にオープンしているので、どうしても商品が欲しい方はそちらに行かれることをお勧めする。

写真

以前、といっても10年以上前のこと。立花通りが活況を呈していたころ、APCが入居していたビルのオーナーに取材したことがある。
APCの誘致に成功したことで、寂れた家具屋と仏壇屋ストリートだった立花通りがファッションストリートへと変貌したという話だった。
立花通りの街興しの起爆剤となったAPCが撤退したということは、何だか時代の変遷を象徴しているように感じる。
立花通りの路面店を閉店して、なんばパークスへ移転。
路面店を廃止して、商業施設内へ。一部の有力商店街以外は、日本全国どこでもこの流れではないだろうか。

立花通りからの有名ブランドの撤退は相次いでいる。
アンドA、ローリーズファーム&ハレ、アメリカンラグシー、CA4LAが撤退し、今夏はRニューボールドも撤退した。
ついでにいうと、いつもドアが閉まっていて入りづらかったヒステリックグラマーだが、いつのころからかドアを開けっ放しにしている。店舗のセオリーからするとドアは開けっぱなしの方が客は心理的に入りやすい。
閉めっぱなしのドアを開けなければならないほど、店に来る客数が減っていたのではないかと感じてしまう。

新規店の参入もあるが、今春オープンしたASOKO以外は割合に小粒という印象は否めない。
もっとも、ASOKOの客層が従来の立花通りを贔屓にしていた客層かというとそうでもない。いつも満員の店頭を定期的に観察していればわかるが、10年前に堀江地区を盛り上げた客層に近い感覚の人は半分くらいだろうか。

さらに言えば、ASOKOは活況を呈しているが、周りの店舗への波及効果は少ないように見える。
実際に統計を取ったわけではないので、あくまでも印象論だが、ASOKOで買い物をした客が周辺店舗でも買い物をしているようにはあまり見えない。
そういう意味でも周辺店舗とは客層が異なるのではないかと推測している次第だ。

近年の堀江地区の様子を見ていると、地盤沈下に打つ手なしに見えるのだが、実はそうでもないらしい。

以前に比べると、堀江地区界隈には30代くらいの若い子連れ夫婦の住居が増えたと聞く。
昔の堀江地区は20代の若者向けにブランドを集積し活況を呈していたが、現在、堀江地区で若者の姿を見かけることは以前より減っている。そうなると当然若者向けブランドは運営が苦しくなる。撤退しても当然である。

そこで、最近増えている若い夫婦に向けた店を増やせば良いと提案する人もいる。
若者向けに特化したブランド集積を続けるよりははるかに効果的だと思われるがどうだろうか?

堀江地区を見渡すとそういう店はまだあまり多くない。
いもしない若者に向けて街興しをPRするよりも、近隣に住まう30代夫婦に向けてPRしたほうが得策ではないか。

某広告代理店の人が「堀江をもう一回アピールするような企画をやりたい」とおっしゃっているが、彼の企画ではどんな人をターゲットにするかが明確ではない。ターゲットの明確でない企画に誰が乗るのか。おそらく彼はターゲットを自分のクライアント企業に合わせようとしているので、いまだに若者向けの企画を考えている節がある。
もし実現したとしてもそれはほとんど効果を発揮しないだろう。

そういうわけで、堀江地区を再興したいのなら、30代夫婦に向けた企画を練るべきだろうと考える。

ちなみにこのまま何も手を打たなければ、間違いなく地盤沈下はますます進む。

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