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南充浩 オフィシャルブログ

漠然とした指示では伝わらない

2013年11月5日 未分類 0

 ダイレクトメールやポスター、カタログ、広告原稿、チラシなどの製作を外注する企業は多い。
個人的な経験でいうと、一般書店売り雑誌掲載用の広告原稿製作や業界誌掲載用広告原稿製作を業務として手掛けていたことがある。両方合計すると4年くらいはやった。

筆者は画像ソフトの扱いはできないので、もちろんデザイナーさんに作ってもらうわけだが、この際デザイナーさんに「カッコ良く作ってください」とか「かわいい感じでお願いします」などの言葉だけで依頼してもまったく遅遅として進まない。
なぜなら言葉だけだとこちらの持っているイメージがデザイナーには伝わらないからだ。

一口に「カッコイイ」といってもどのようなカッコよさなのか。
ガンダムだってカッコイイし、ポルシェだってカッコイイ。戦国武将もカッコイイ。
あなたはガンダムみたいなカッコ良さをイメージしているかもしれないけど、デザイナーにとってカッコイイというのはロックバンドのイメージかもしれない。

で、「とりあえずカッコ良くしてください」というだけの指示の出し方を「丸投げ」と呼ぶ。
この「丸投げ」をやっておいて、「思ったようなデザインに仕上がってない」と嘆いたりキレたりする依頼主が多いのだが、それははっきり言って指示の仕方が悪かったのである。

それはアナタの責任です。
http://ameblo.jp/furamuclip/entry-11662403010.html

チラシやDMなど、販促物を外注する事( 他の会社に頼むって事 )って多いと思うんですけど。

たとえば、印刷会社にその販促物を依頼し、

その販促物の効果、反応がなかったら・・・

それは、その印刷会社のせいだって思いますか?

「 はい 」

と、思った方・・・

それは大きなマチガイdeath!!

そのチラシ、そのDMの反応が無かったのは、、、
きっとアナタの責任です。

( あくまでもボクの意見ですけどね。)

だって、それを最終的にOK出したのは、アナタですよね?
だって、それをちゃんと見て、決裁したのは、アナタですよね?

よくいらっしゃるんです。

あそこのデザイン、良くないんだよね~。
あそこに作ってもらった名刺、反応悪いんだよね~。
あそこには2度と依頼しないわ~。

って。

そういうことを言ってる人ほど信用がならない。

まあ、こんな感じである。
そういうことを言っているところに限って指示の出し方が良くなかったり、丸投げしていたりする。

筆者も広告原稿作成業務を始めたころは悪戦苦闘したが、そのうちに自分がイメージしている誌面デザインに近いと思われる雑誌やパンフレットを添えて「こんなイメージに仕上げてください。写真はこちらで用意したこの中からピックアップしてください。文章はこちらでお作りします」という方法に切り替えた。
イメージしている雑誌やパンフレットが無い場合は、なるべくわかりやすく、下手くそながらラフスケッチを描くこともあった。

これをやることで、「カッコ良くしてください」という漠然とした指示の時よりも、飛躍的に業務が効率化でき、なおかつイメージに近い物が仕上がりやすくなった。

「あそこのデザイン、良くないんだよね~」と言っている方は、丸投げしておられないだろうか?

さて、これは産地企業や組合の展示会でも良く見かける。
そういうところが、直接、施工業者やデザイナーとやり取りしていることは稀で、大概は中間にプロデューサーやらディレクターやら名乗る人が入っている。
クライアントである産地業者や組合は、中間業者に対して、酷く漠然とした指示を出す。
「ストーリー性がわかるように、それでいて温かみがあってモダンなイメージで」なんていうふうに。

先ほどのカッコイイ問答と同じである。
組合の思っているストーリー性とはどういう内容だろうか?
温かみとは?モダンなイメージとは?

リラックマだって温かみがあるし、地方の民芸品だって温かみがある。

だから、どういうイメージなのか具体的に指示を出す必要がある。

それを集約するのが中間に立つ役割だと思うのだが、それができずに、クライアントの意向をそのまま施工業者やデザイナーに丸投げをしてしまう方がいらっしゃる。
クライアントは具体的なイメージを出さないが、出来上がってきた物に対して、「これは違う」「あれも違う」とダメ出しばかりするのだが、それなら中間業者はクライアントと一緒になって現場担当者がわかりやすいような具体的イメージを作ることなのだが、それをせずに現場に向かって「クライアントが違うと言ってるので変更してくれ」とのみ指示を出す。

中間業者も具体的なイメージを伝えることはないので、現場はさらに混乱する。
以下無限リフレインである。

こんなことならこの中間業者の存在意義は無いに等しく、産地企業やら組合やらが直接、施工業者やデザイナーとやり取りする方がまだ紙一重で効率が良い。
それだって具体的イメージの提示が根本から欠如しているため相当作業は難航するが、それでも中間業者に連絡して、そこからさらに現場に連絡してもらうというタイムロスだけは省ける。

「デザイナーは思った通りのデザインを作ってくれない」とか「思い通りのイメージをアップしてくれる製作会社がない」と四六時中嘆いている方は一度、指示の出し方を考え直してみてはどうだろうか。

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