即決が求められているのが現状
2013年11月6日 未分類 0
元来がファッションに疎い人間であるから、ファッションブログをいくつか見て回ることにしている。
大概は一読して「ふーん」と言ってしまえば終わりなのだが、このエントリーはまじまじと読んでしまった。
内容もさることながら、ここで紹介されている商品は久しぶりに「欲しい」と思える物だったからだ。
http://t-f-n.blogspot.jp/2013/11/gms.html
早い話が、防水性のコンバース「オールスター」が紹介されている。
近年、レディースでは長靴がお洒落な色柄にリファインされ、長靴よりもデザイン的にお洒落なレインブーツやレインシューズも多数発売されているが、メンズで防水靴は数少ない。
ビジネスシューズを模した防水靴がパラっとABCマートなどに並んでいるが、使用素材はやはり合皮チックで値段以上に安物臭く見える。
こんな安物臭い合皮チックな素材を使用するなら、ビジネスシューズのデザインではなく、もっと異なるデザインにする方が見た目もずっとマシだと思うが、そういう商品はあまりお目にかからない。
あとは本格的なアウトドア使用のシューズだが、山男でもない限り街中で日常履きするにはちょっとデザイン的に無理がある。
この防水コンバース「オールスター」は定価も6900円とリーズナブルである。
これなら、赤貧を極めつつある筆者でも白と黒を1足ずつなんとか買えそうだ。
で、このブログではこういうベーシック商品でありながら機能性を取り込んだ商品を提案することで量販店の衣料品、とくにメンズは復活できるのではないか?と投げかけている。
この意見にはある程度賛成である。
バブル崩壊直後くらいまでは利益の稼ぎ頭だった量販店の衣料品部門だが、そのパイはユニクロを始めとする低価格SPAブランド群に奪われてしまった。
低価格とは言え、衣料品専門に打ち込む各社の方がファッション的な打ち出しは量販店よりも数段上だ。
これに対して量販店各社は対抗策としてお洒落なイメージ訴求に注力している。
例えば、イオンやイトーヨーカドーがナンタラガールズコレクションやナントカガールズアワードみたいなタレント付きファッションイベントに出品してみたり、お洒落なイメージのあるタレントをテレビCMに起用してみたり、という手法だ。
けれども申し訳ないが、ユニクロを始めとする低価格SPAブランド群も、同じような取り組みを続けているため、その差はほとんど埋まらない。
アキレスと亀の例えではないが、イメージ戦略後発組である量販店各社の取り組みが進むほど、先行者である低価格SPAブランド群の取り組みも先に進む。その差はたやすく縮むことはない。
ユニクロが軽量ダウンを打ち出せば、量販店も軽量ダウンを、
ユニクロがカシミヤだと言えば、量販店もカシミヤを強化、
ユニクロが高品質を謳えば、量販店も上質を謳う。
こんな追随製作を延々と続けていてなんの意味があるのだろうか。
しかも衣料品という分野においては、先行者の方が大規模企業で、追随者の方が小規模企業である。
これはランチェスターの法則の逆であり、上手く行くはずがない。
だから、ユニクロがあまりやっていないベーシックデザイン+機能性商品に注力せよという先のブログの主張につながる。
しかし、ベーシックデザイン+機能性という商品をすでにユニクロはある程度は手掛けている。
夏場のドライポロシャツ、ドライTシャツはそうだろう。
冬の防風ジーンズ、防風チノパンもそうである。
この商品が今後爆発的に売れるかどうかはわからないが、複数年に渡ってユニクロがやり続けているのだから、最低ラインの売れ行きは維持できているということだろう。
となると、この「ベーシックデザイン+機能性」という発想も決して未知の新ジャンルではない。
むしろ、ユニクロが今後強化してくる可能性のあるジャンルである。そう考えると、このジャンルでも量販店に残された時間はあとわずかである。
「これから参入を検討します」なんて悠長なことを言っている場合ではない。即決が求められているのが現状だろう。
それにしてもこの防水コンバース「オールスター」はぜひとも買いたいものである。