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南充浩 オフィシャルブログ

観測気球を打ち上げたというところか

2013年9月17日 未分類 0

 先日、ユニクロが9月27日からカスタマイズサービス「マイユニクロ」を始めると報道された。
「ユニクロ銀座店」、「ビックロユニクロ新宿東口店」、「ユニクロ池袋東武店」の3店舗だけの展開なので、ユニクロ側もそれほどビッグビジネスになるとは見込んでいないのだろう。
まあ、観測気球を打ち上げたというところか。

この3店舗では「デコレーション加工」と「お直し・リフォーム」の2つのサービスを提供するという。

まず、デコレーション加工について流通ニュースから内容を引用する。
記事を読む限り、デコレーション加工=リメイク加工と理解して差支えなさそうだ。

http://ryutsuu.biz/topix/f091318.html

「デコレーション加工・部材販売」では、ユニクロの3店舗でデコレーション部材を販売。手芸専門店のユザワヤの協力を得て、あらゆるお客様のリクエストにお応えできるよう、さまざまなデコレーション用の部材、全170種類以上を集めた。部材の価格は390円~790円。

デコレーションした商品は、最短、即日渡しも可能。ラインストーンやレース、リボン、ボタンなどのデコレーション部材のみだけでも購入できる。お客ならではの「1点もの」を作成でき、自分らしい着こなしで、毎日の生活を楽しく彩ってもらいたいという。

とのことである。

お直し・リフォームはその名の通り、パンツの裾上げや丈詰めや巾詰めなどのお直しである。

高い技術を必要とする着丈つめや肩巾つめ、ダブル仕上げなどの幅広いお直しサービスを導入。サービス料は300円~2,000円で、対象商品は、パンツやスカート、ワンピース、ジャケット、コート、シャツとした。

とのことである。

こういうものは開店してみないとわからない。
開店してからでもしばらく時間が経過してみないとその結果は検証できない。
現段階では外野として予想ができるのみである。

個人的にはお直しはそれなりの需要があるが、リメイクはあまり需要がないのではないかと予測する。

もっとも需要があるのがパンツの裾上げだろう。
これはある程度繁盛すると考えられる。
自分の物を買ったが、何らかの事情でその場では裾上げしてもらえなかったということもあるだろうし、ジーンズやチノパンはお直ししたが、ウールのパンツがお直しできなかったというようなお客もいるだろう。
また家族に頼まれて買ったが、家で試着させたところ丈が長すぎたということはよくある話である。

シャツは袖丈を詰めるという要望があるかもしれないが、問題はその加工賃である。
もし仮に袖丈詰めが2000円もするなら、ちょっと抵抗がある。
ユニクロのシャツの定価は1990~2990円が多く、定価と同じだけの加工賃を払う意味がないからである。
それなら4990円の他社ブランドでサイズがピッタリ合う物を買う方が良いと考える人も多いだろう。
このあたりの需要が増えるかどうかは価格設定次第だろう。

一方、デコレーション加工(リメイク)はあまり需要が伸びないと予測する。
部材の平均価格は500円前後ということになるが、4つ買えば2000円である。
例えば定価990円のカットソーに2000円分の部材を付けるというようなリメイク加工を行うだろうか。
筆者なら行わない。それなら2990円で他社ブランドのカットソーを買う。
別に定価1990円のセーターでも同じで、2000円分の部材でリメイクするなら、最初から3990円の他社ブランド製品を買った方が手間が省けるわけである。しかも他社ブランドならデザイン自体がユニクロとは異なるし、生産ロットも格段に小さいので、他者と「被る」ことはあまりない。

そんなわけで「リメイク」の需要は少ないだろう。

そもそもユニクロ製品に「マイユニクロ」というほど愛着を持つ消費者が存在するのだろうか。
残念ながら筆者は持ったことがない。そういう方もいらっしゃるとは思うのだが多数派ではないと考える次第だ。

もともとユニクロは「洋服は部品」と標榜している会社である。
ベーシックデザインだから、他社ブランドとのミックスコーディネイトを邪魔しないというのがそのスタートだった。
そのような設計思想に基づいた洋服をリメイクカスタマイズしたいと考える人はそう多くないだろうし、価格面から見ても先ほど考えたようにちょっとアホらしい。

仮説→実行→修正が得意な会社である。

一度試してみて芽がないとわかるとすっぱりやめてしまうだろう。

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