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南充浩 オフィシャルブログ

洋服のネット通販が「やっぱり使いにくいなあ」と感じる点

2020年11月27日 ネット通販 3

なんやかんやと言って、ネット通販で服を見ることが増えた。

個人的にネット通販で服を本格的に見るようになったのは、2017年くらいからである。今、定期的に服を買っている通販サイトは

1、ドットエスティ

2、ユニクロ

3、ジーユー

 

である。

ほかのサイトでは服を買わない。

スニーカーや腕時計、リュックなんかでは、AmazonとYahoo!ショッピングを使う。あとは使ったことがない。

遠い昔に1度か2度楽天を利用したが、それっきりである。

 

あとは、一般店頭販売されないガンプラを購入するためのプレミアムバンダイか。

で、ネット通販で服を買う際、困ることが2点ある。

 

1、サイズ表記の不確実性

2、素材組成の誤表記

 

である。

1のサイズ表記だが、3年くらい3つのサイトに絞って見ていると、だいたいサイトの癖がわかってくる。またこれまで買った服の蓄積からだいたいドットエスティ(アダストリア)、ユニクロ、ジーユーのそれぞれのブランドのサイズ感も蓄積されてくる。

だからこの3つで買う分においては、サイズが小さすぎて着られないということはほとんどなくなった。もちろん、ビッグサイズがマストレンドになったことも大きい。逆にジーユーでは「大きすぎて不格好」ということがあるくらいである。

先日、久しぶりにAmazonで服を見てみた。ナノユニバースとかアーバンリサーチとかユナイテッドアローズとか、ファッション好きな人が好みそうなブランドも軒並みAmazonに出品していて、在庫がダブついているのか盛んにタイムセールを行っている。

こちらとしては相当にサイズ表記には慣れたはずだし、Amazonも一時期に比べてサイズ表記はしっかりしているはずだが、やっぱりわかりにくい。定点観測している3サイトに比べると圧倒的にわかりにくいし、サイズの〇〇センチメートルの精度も悪いように映る。

Amazonで洋服があまり売れない理由の一つはサイズの〇〇センチメートルの精度の悪さもあるのかもしれない。至急見直すことをお勧めする。

 

それはさておき。

今回の本題は素材組成の誤表記である。

愛用している3つのサイトはそうでもないが、AmazonやYahoo!ショッピングの「検索システム」は酷い。

例えば「ダウン」とか「レザー」という単語を入れて商品検索すると、ズラっと何百種類の商品が表示されるが、ダウンなのに「中綿ポリエステル100%」とか、レザーなのに「合成皮革」とか、個々のスペックに表記された商品が掃いて捨てるほど表示される。

 

「おお、ダウンが2900円。めっちゃ安いやん」

 

と喜んで商品のスペックを見てみると「中綿:ポリエステル100%」と表記されていることなんてまったく珍しくない。

商品の検索キーワードに「ダウン」とか「レザー」とか「本革」と登録しているのだろうが、騙される消費者も少なくないのではないかと思う。

自分だって何度か騙されかけたことがある。

いろいろと物理的に実現不可能なこともあるのだろうが、AmazonやYahoo!ショッピングはこの辺りの検閲を厳しくすべきだと思う。

意図的に登録しているブランドもあるのだろうが、素材の知識がないために悪気がなく登録しているブランドもゼロではないかとも思う。

 

そして、これを助長しているのが、業界メディア、ファッションインフルエンサーだと最近つくづく感じる。

例えば、某ファッションインフルエンサーで「自称素材もそこそこ詳しい人」が「革靴を紹介します」と言って「合皮靴」を紹介していることが少なくない。

それなら、「カシミヤセーターを紹介します」って言って「アクリル100%のカシミヤタッチのセーター」を紹介してもOKになってしまう。お分かりだろうか?

もしかするとこの人は「革靴」というのを「素材」ではなく、「ビジネス靴・ドレス靴」という形として認識しているのではないかと思うが、それなら「ビジネス靴・ドレス靴」というべきである。

 

一般メディアや経済メディアは仕方がないとして、川上から川下までを標榜していて、本来は業界人がターゲットであるはずの業界メディアまでが最近はこの辺りの基準が緩くなっていると感じてしまい、今後を危惧せざるを得ない。

例えばこの記事。

 

木の実由来でダウンに負けない温かさ アウターブランド「カポックノット」が提案するサステナブルな選択

 

シレっと見出しがいつの間にか変えられているが、もともとの見出しは「ダウンに動物以外の選択肢を 木の実由来のダウンブランド『カポックノット』」である。

公開直後からツッコミが相次いだので見出しをシレっと変えたのだろうと推測される。

 

東南アジアにカポックという植物があり、その果実からは綿花みたいな感じで「ワタ」が採れる。これが衣料品に活用できるというのは実際は20年くらい前から言われていて、各ブランドでもときどき思い出したかのように採用されてきたが、大々的な使用には結び付かずに現在に至る。

で、ダウン(羽毛)の代わりに中綿としてカポックのワタを使用するというアイデアはまったく反対しない。どんどんチャレンジすればいいと思う。

しかし、「ダウンに動物以外の選択肢を」という見出しは「????」でしかない。ダウンとは羽毛のことだから、鳥類以外の選択肢は端からないのである。「動物」という言葉のセレクト自体も間違っているし、ダウンに鳥類以外の選択肢があると思っているところも間違っている。二重に間違えている。

繊維・衣類に関して他ジャンルのメディアより信頼性が高い業界メディアがこの手の間違いをするというのはおかしいし、ライターが間違えた見出しを付けているのなら、デスクなり編集長が変更すべきである。

 

極言すれば、業界メディアがこの手のことをやらかしてしまうと、ポリエステル100%中綿も「ダウン」ということになり、騙さんがためにそういうキーワードでAmazonやYahoo!ショッピングに登録している悪意あるブランドやメーカーを助長してしまうことになってしまう。

そしてこの手のことがまかり通ったままだと、ひいてはネット通販自体への信頼性が高まらないままになってしまう。ネット通販業者側からも厳しく取り締まるべきだろう。

 

 

 

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 comment
  • やまいし より: 2020/11/27(金) 6:04 PM

    服のサイズじゃないですがamazonにはバッグを背負った状態での画像があるのですが、
    これが明らかに縮尺ががおかしく、まるで小人が背負ってるかのような画像になっておりまったく役に立たない。
    いつまでたっても直らないのはなぜなのだろう。文句言う人がいないのか、直す気がないのか…

  • おーまめ より: 2020/11/30(月) 3:28 PM

    本当にあるあるすぎてもう・・・
    記事の通り意図的と知識不足が混在してるのは間違いないですね。
    そして検閲を厳しくするのもまさに同感です、じゃないとそのサイトで探す気がなくなる&信憑性も無くなり警戒されるだけですし。

  • NS11 より: 2020/12/01(火) 2:27 PM

    ちょっとどうでもいい話なんですが、アメリカではポリエステル中綿入りの服も「ダウン」というらしいです。紛らわしいですね。

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