クラウドファンディングで目標達成してもあまり儲からない理由
2020年10月19日 ネット通販 1
このブログで何度もクラウドファンディングに安易に飛びつくことの危険性を書いてきた。
もちろん、クラウドファンディングのすべてを否定するつもりはない。それなりに意義のあることだから、「めっちゃ儲かる」とか「めっちゃ売れる」と思わずに取り組むなら、当方は何の異論もない。
当方が疑問を感じるのは最近の「クラファンをやればめっちゃ儲かる」とか「クラファンならめっちゃ売れる」という勘違いぶりである。
で、クラウドファンディングが低い目標設定だと達成してもどれほど儲からないかを具体的に自分の例を挙げて説明してくれているブログがあるので、紹介したい。
「実店舗やネット通販では売れないけど、クラファンをやればすぐに売れるし絶対に儲かる」という安易な発想でクラファンをやろうとしている人はぜひご一読いただきたい。
そんな甘い期待は打ち砕かれることになるだろう。
皆様が興味あるのは、クラファンが成功した時に儲かるのか?儲からないのか?ってことだと思います。
結論を言うと・・・・
特に儲からないです(笑)
とのことである。
目標金額110万円(消費税込み)を達成した場合のシミュレーションである。
クラファンの手数料があります。所場代ってやつです。
そして、ほぼ全ての支援者が決済で使うクレジットカードの決済手数料があります。
*クラファン手数料率+決済手数料率:17%この17%って支援金額にかかってきます。
1,000,000円じゃなくて、1,100,000円に掛かってきます。
*クラファン手数料+決済手数料:1,100,000円×17%=187,000円
仮に原価率40%とすると粗利率は60%となる。
60%から早速、18%ほど無くなってしまうというわけだ。
そして
100人の支援者へ支援頂いた商品を届けないといけません。
仮に1人あたり荷造運賃費が1,000円だとします。
*荷造運賃費:100人×1,000円=100,000円人件費やその他経費を考えないで、あくまで物のみに絞り込むと・・・
*(仮1)営業利益:売上総利益600,000円 – 手数料205,700円 – 荷造運賃費100,000円 = 294,300円
*(仮1)営業利益率:29.4%
と、なり、さらにここからどんどんと引かれていく。
クラファンは、プロジェクトページの構成とビジュアルが命です!
なので、ビジュアルはプロの力を借りています。
そうすると・・・・
*(仮2)営業利益:売上総利益600,000円 – 手数料205,700円 – 荷造運賃費100,000円 – 撮影費80,000円= 214,300円
*(仮2)営業利益率:21.4%
とあり、この場合はカメラマンの撮影費も発生する。
文章を書くのが苦手なら、プロのライターに依頼すべきだし、見出しを作るのが苦手ならプロのコピーライターに依頼すべきで、そうなると、さらにだいたい5万円以上の費用が発生する。
支援金額が200万円、300万円いくと・・・そりゃ儲かりますよ(笑)
とあるから、目標金額が20万円とか30万円じゃとてもじゃないが儲からないと言うことである。
以前にも書いたように、マクアケでもキャンプファイヤーでもファッション・繊維のクラファンを見てもらいたい。どれほどのエントリーがあるか。
そのほとんどが埋没してしまっている。「こんなのあったの?」というくらい知られていないクラファンが山ほどある。
では埋没しないためにはどうすればいいか?
楽天やYahoo!ショッピング、ZOZOTOWNなどの通販モールと同じだ。広告費を支払って上位に表示してもらえばいい。
実は・・・ここだけの話・・・現在のクラウドファンディングは広告費を出さないと確実に成功しません!
これね、9回クラファンやってるから本当です!!!うちが広告費を投下するのは、目標金額が100万円以上です(うち目標金額200万円とかもあります)。
こういう設定時は、何がなんでも成功したいのでなりふり構わず広告費を投下します。うちの100万円を目標金額とした場合
*広告費:150,000円広告費を投下して、どこまで支援金額を伸ばせるかっていうのが今のクラファンは重要なんです!
とのことでだいたい15万から20万円くらいの広告出稿が必要になる。
って事は・・・支援金額100万円超えの場合の儲け想定って、
*営業利益:売上総利益600,000円 – 手数料205,700円 – 荷造運賃費100,000円 – 撮影費80,000円 – 広告費150,000円= 64,300円
*営業利益率:6.4%
ということで、100万円達成しても営業利益はたったの64000円ほどになってしまう。
カメラマンの費用やライター費用、コピーライティング費用、広告出稿料などは、ケースバイケースだから今回の想定よりも下がる場合もあるし、逆に上がる場合もある。
下がったとしても、どうだろうか?劇的に下がるわけではない。劇的に下げるとそれぞれのクオリティも恐らくは劇的に下がる。
となると、ある程度の出来栄えを保とうとするなら、下げたとしてもあと何万円か下がる程度である。
100万円で64000円程度の儲けだから、50万円とか30万円とかなら儲けは知れている。
商品の単価にも左右されるが、逆に100万円以上の目標はなかなか達成が難しい。
このように見ると、現在のクラファンは、無策では決して達成できないし、100万円程度を達成したところで儲かる金額は極めて少ないということである。
クラウドファンディングをやることで、新たな商品開発や売り方を模索できるし、新たな顧客も開拓できる。また知名度も上がるかもしれない。
そういうメリットはあるから、クラウドファンディングに挑戦するのは大いに結構なことだが、達成が難しく、達成したところで儲かる金額は少ないということを認識して挑戦する必要がある。この現実を知らずして「めっちゃ儲かる」と思って挑戦するのは、おめでたい限りである。
何だろう?この本のタイトルのゾワゾワする感じは
そもそも
そもそも当たり前過ぎて言うのもはばかれるけどもクラファンは売り上げを立てる物では無いといい加減わからないもんかね