たまたま聞こえてきた
2013年8月13日 未分類 0
世間ではそろそろお盆休みなのでこのブログもしばらくお盆休みということにしようかと考えている。
さて、中国経済の失速と、日本企業のA.S.E.A.N.シフトが連日伝えられているが、今年4月に業界の大先輩とお会いした。この先輩は、大手量販店のお仕事に携わっておられるが、彼がいうには「日本企業のA.S.E.A.N.シフトは凄まじいね。携わっている大手量販店は今後、新規の中国投資をほぼゼロにしたよ。その分をすべてA.S.E.A.N.に回すことにした」とのこと。
一般的にこの量販店は超親中派だと見られているし、中国への新規投資をほぼゼロにしたという報道も見ないが、それは単に発表されていないだけのことかもしれない。
さて、先日、電車に乗っていたら見知らぬオッチャンが面白い会話をしていた。
声がデカイから嫌でも耳に飛び込んでくるのだ。
ちなみにオッチャンは風貌と会話の中身から察するに、定年後の雇用延長を受けているようだ。
おそらく60代だろう。もしかしたら定年手前くらいなのかもしれない。
「中国からの企業撤退が相次いでいる。うちの会社も先ごろ撤退してきたばかり。18億円の損失を計上した。しかもその18億円のうちに使途不明金が何億円も含まれていた」という。
続けて
「中国は賄賂なしでは動かない国だから、使途不明金はほとんどが賄賂に使われたのだろう。社長が中国に進出すると言い出したとき、だいぶとワシも制止したけど、それを振り切って進出してこの有様や。中国なんかに進出してもメリットなんかないと思ってたよ」。
そして
「せやけどな、取り引き先の○○毛織が中国進出する言うから、社長はそれに付き合った側面もあった。どっちにしろ中国進出は失敗だった。あんな国を信用したらあかん」と締めくくっていた。
ちなみに○○毛織はばっちり社名まで聞こえていたが、今回は匿名としている。
どうやらこのオッチャン、偶然にも繊維製造業関係者だったようだ。
そして筆者もこの○○毛織は社名をよく存じ上げている。
ここまで聞くと18億円もの損失を計上したオッチャンの所属する会社の行く末が気になるところだが、「うちの会社は資産持ってるから18億円の損失も補てんできた」とのこと。かなり金持ちの会社のようだ。
不幸中の幸いとはこのことだろう。
それにしても偶々とはいえ、興味深い話が聞けたものである。
そういえば、テレビでも何度か報道されたように現在「中国からの撤退コンサルタント」が盛況だという。
このオッチャンの会社は身を持って中国から撤退してきたわけである。
ほんの5年くらい前まで中国進出を煽りに煽ったコンサルタントやマスコミは少しくらいは良心の呵責を感じているのだろうか?多分感じてないんだろうなあ。(´・ω・`)