非加盟企業の生産数は反映されていない
2013年8月6日 未分類 0
2012年のジーンズ生産統計が先日、発表された。
このブログで何度も指摘しているようにこの生産統計は日本ジーンズ協議会加盟各社の生産統計であり、加盟していない企業の生産数量は反映されていない。
年間にジーンズを1000万本前後販売すると言われているユニクロは加盟していない。
大手SPA系のハニーズしかり、ポイントしかりである。
専業メーカー系のドミンゴ、ブルーウェイ、ボブソンなども、ジーンズを得意とするジョンブルも加盟していない。
エヴィス、シュガーケーン、ドゥニーム、キャピタルを代表とするビンテージ系・新進系ブランドも加盟していない。
そういう背景があると知った上で毎年の生産統計を眺める必要がある。
先日も書いたように、2012年度の生産総数は微減したものの、ブルージーンズのカテゴリーは微増した。
それを持ってただちにブルージーンズに復調の兆しがあるとは言えない。
(2012年生産統計)
ついでに昨年発表された2011年生産統計の表も下に貼り付けておく。
(2011年生産統計)
まず、この統計は昨年度の物であり、今年度の物ではない。
そして昨年度は春夏・秋冬ごろまでは、チノパン人気が一段落し、ジャージーデニムなどの目新しい商品もリリースされ、相対的に2011年までよりもブルージーンズが注目され始めた時期である。
昨年夏ごろには「秋冬はブルージーンズ人気が少しくらいは復活するかも」なんて言葉が業界内で聞かれるほど、明るいムードがあった。
統計を見れば成人男子・成人女子でブルージーンズの生産が伸び、子供では落ちている。
成人男子・成人女子のブルージーンズ増加は以上のような状況によって生まれたものだと推測することができる。
協議会の注釈にも「カラー(チノ)系パンツは減産となった」とある。
2009年~2011年まで続いたチノパンブームが一段落したことを示していると思われる。
成人男子の生産総数は増加しているが、成人女子の生産総数は減少している。
つまり、協議会加盟の専業メーカーが得意とするようなアイテムは、2012年はレディース市場で求められていなかったということになる。
ボトムスでいえば、レギンス、タイツ、スカート類、ワンピース類、ショートパンツ類が好調だった。
こういうと「レギンス、タイツはともかく、専業メーカーだってデニムのショートパンツは製造しているだろう」という指摘もあろうかと思うが、例えば、109系ブランドで多くみられたデニムのショートパンツ・ホットパンツ類はほとんどジーンズ専業メーカーとは関係のないメーカーで製造されている。
要するに協議会には加盟していないメーカーが手掛けているわけである。そのため、この生産統計には反映されない。
もしかしたら、レディースに関していえば、協議会加盟各社の生産総数よりも非加盟各社の生産総数が上回っているのではないかと考えられる。(統計がないので比較しようがないのだが)
さて、気が早いが、来年発表される2013年の生産統計はどうなるだろうか?
個人的見解だが、ブルージーンズの生産総数は間違いなく減少するだろう。
2013年の8月までの時点でブルージーンズの売れ行きは不調だ。
一方、成人男子・成人女子ともカラーパンツと柄パンツが人気なので、カラーパンツの生産総数は増えるだろうか?
協議会加盟各社の現在までの店頭商材を見ていると、あまりカラーパンツに積極的に対応しているとは言い難い。おそらく、今春夏のカラーパンツ・柄パンツ人気の恩恵をあまり受けていないのではないだろうか。
そうすると、カラーパンツ類の生産総数も市場人気ほどには増えず、むしろ減る可能性もある。
そのため、生産総数も減少するかもしれない。
あくまでも個人的な予測なので、外れてくれることを願うばかりだ。