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南充浩 オフィシャルブログ

8月の店頭は投げ売り合戦に

2013年8月7日 未分類 0

 「セールの後倒しで産地保護」とか、「セールの後倒しで利益確保」なんてスローガンが掲げられているが、8月に突入した現在では、多くの店頭で投げ売りが乱発されており、どのあたりに「利益確保」なんて言葉が当てはまるのかと驚かされる。

先日、ヨドバシカメラ梅田店を見て回った。

5階・6階・7階が衣料品、雑貨フロアとなっている。

もともと低価格ブランドばかりが出店しているのだが、毎年、この時期は各テナントで投げ売り合戦が行われる。

今回は、Tシャツ・ポロシャツを990円にまで値引きしているテナントがあるのだが、2枚買うと1500円にしてもらえる。1枚あたり750円になるというわけだ。
「4枚買うと3000円」とのPOPがあるが、3枚買うとどうなるのかは書いていない。
1500円+990円=2490円ということになるのだろうか?

また別のテナントでは、さらに割引率を高めて「最大70%オフ」となっている。
セールスタート当初は40%オフだったからそこからさらに安くなっているのだが、このテナントの値札の付け方はちょっと問題があると感じた。
まず、定価の値札の下に赤い値札で「40%オフ」と付けてある。
これは何の問題もない。しかし、その「40%オフ」の値札の下に「さらに20%オフ」とか「さらに30%オフ」と付けてある。

通常、この書き方だと、40%オフした価格のさらに20%オフ、30%オフと認識される。

1000円の商品だと、40%オフで600円、そこからさらに20%オフなら480円、30%オフなら420円となる。
「さらに20%オフ」の場合だとトータルすると52%オフ、「さらに30%オフ」だと58%オフということになる。

そこで、販売員に尋ねてみると、「40%オフからさらに20%オフするのでこの商品は60%オフになるんですよ~」と説明してくれた。

え?(゚Д゚≡゚д゚)エッ!? である。

では「さらに30%オフ」の場合は?
「そうです。70%オフです~」とにこやかに答えてくれるではないか。(つд⊂)ゴシゴシ

消費者にしてみれば安いに越したことはない。
58%オフだと思っていたら「実は70%オフでした」ということに立腹するお客は皆無だろう。

しかし、このテナントの値札の表記の仕方には疑問を感じる。
日本語の視点からしても、算数の視点からしても「40%オフからさらに30%オフ=70%オフ」という表記はおかしいのではないか。

個人的には、値札を「70%オフ」「60%オフ」に貼り替えた方がシンプルで分かりやすいと思う。
店側としては、だんだんと値下がりしてきた臨場感みたいなものを表現したくて、40%オフのシールの下に「さらに20%オフ」と付けたのではないかと推測するが、教育上、あまり望ましいとは思えない。

アパレルや小売店という商売柄、算数の基礎知識は必要なのだが、意外に「私、数字に弱いんです~」とか「俺、算数わかりません」というスタッフは多い。ちなみに国語が弱いスタッフも多い。

もしかしたら、そういうスタッフからの発案なのかもしれない。

これが、場末の小さな個人商店なら仕方がないかもしれないが、この店舗を運営する企業は上場しているのである。
上場企業としてはいかがなものだろうか。

そんなことはさておいても、表示のわかりにくさという点でもこのテナントの値札の付け方は一考すべきだろう。

まあ、それにしても衣料品の安さは凄まじい。
衣料品のデフレは止まる気配がない。
表記に疑問を感じるこのテナントだと、6900円の麻混デニムのパンツが70%オフで2070円になっている。
ほかのテナントだと半袖Tシャツ1枚が750円くらいで販売している。
そういえば、ユニクロも半袖Tシャツ(ポケット付き、ボーダー柄など)が500円にまで値下がりしている。

秋物から10%程度価格を上げると表明しているブランドもちらほら現れているが、「どうせ冬のセールで投げ売りするんだろう?」と冷ややかに見ている。

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