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南充浩 オフィシャルブログ

売上高は単価×数量

2013年7月10日 未分類 0

 アパレル・繊維製品でもレザークラフトでも手作り職人さんのような方がけっこうおられる。
もちろん、手作りなので1ヶ月できる数量は知れている。

売上高というのは、単価×数量なので、彼らがビジネスを拡大しようと思うなら、販売単価を上げるか、生産数量を増やすかのどちらかしかない。両方を増やした場合は、売上高が飛躍的にアップする。

アパレル・繊維製品というジャンルで見ると、独立して自分のブランドをやり始めた当初は生産数量も少ないし、縫製工場に製造をお願いする費用もないので自分たちでミシンを踏む場合が多い。
合同展示会に出展したり、積極的な営業活動を行ったりすることで3年~5年が経過すると、生産数量が増えてくる。そうなると、自分たちで縫製することが追いつかなくなる。
1ヶ月に100枚縫製するのは自分一人では無理だろう。

その際に、縫製工場への外注に切り替えるブランドと、あくまでも手作りにこだわるブランドに別れる。
どちらを選んでもそれはブランドのスタイルなので外野が口を挟むことではない。
主催者が決めれば良いことである。

しかし、中には手作りにこだわることを選んだにもかかわらず「売上高が増えない」と悩む方もおられる。
生産数量が変わらないなら売上高が増えないのは当たり前で、もし売上高を増やしたいなら販売単価を上げることである。
けれども販売単価を上げるのは難しい。手作り系のブランドの場合、もともとの販売単価が高い。
量産アパレルブランドのようにTシャツを1900円で販売することはとても無理である。
じゃあ、今よりもさらに値段を上げたら、欧米のラグジュアリ―ブランドと同じかそれ以上になってしまう。
果たして、同じ値段を出してマイナーなブランドを選ぶ消費者がどれだけの人数存在するかである。

断言するが、大多数の消費者は欧米のラグジュアリ―ブランドを選ぶ。
もちろんマイナーな個人ブランドを選ぶ方もおられるだろうが、それはごく少数である。
単価×数量で考えると、単価をアップしても数量が伴わないなら売上高はさほど増えない。むしろ減る場合もある。

これはレザークラフト系でも同じで、オーダーでバッグを作るとか職人製作のオリジナルバッグを販売するというスタイルのみでは売上高を増やすことは難しい。

1個10万円の職人オリジナルバッグです。と言ったところで、10万円も出すのなら大多数の人は「ルイヴィトン」のバッグを購入するわけである。その方がブランドにステイタス性があるから。

となると、販売単価のアップは慎重になるべきであり、生産数量を増やすことを考えるべきだと思う。

かといって、自分で製作していたのでは、デザインや仕様にもよるが、1ヶ月にレザーバッグ10個作るのが目いっぱいだろう。

そこで工場生産に切り替える必要があると思うのだが、それを拒否される人も多い。

筆者は手作り系の方のお話を伺っていて、堂々巡りになっているケースが多いと感じる。

売上高を増やしたい。でも単価アップも工場に依頼するのもしたくない。でも売上高が・・・・・(以下無限リフレイン)。
という具合である。

そういうわけで手作り系の方がそのままのスタイルでビジネス的に大きく伸びるのはかなり難しいと見ている。

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