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南充浩 オフィシャルブログ

そのキャッチコピーには賛同しますが・・・・

2013年7月4日 未分類 0

 レディースニットブランド「フラムクリップ」を展開するピーアイの短パン社長がブログでセールについて触れられていた。

7月12日からセールを開始するルミネの広告のコピーが割合に良くできている。

「もっと安かったら買うのに。は、
 安くなっても多分買わない。し、
 買ったとしてもなんか着ない。」

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3行に別れたコピーの前2行はとくにその通りだと思う。
最後の1行は、筆者個人には当てはまらない。(笑)
買った限りは着ることを前提で、セール品でも試着を繰り返してからようやく買うからである。
逆にあまり深く考えずに買ったプロパー品の方が着なかったりして、その場合は深く落ち込んでしまう。orz

セール目当てに来るお客の多くは、そのブランドのファンではなく、セール品のファンなのである。
無料配布目当てに来るお客の多くが、ブランドのファンではなく、無料品のファンなのと同じだ。

先日、ユニクロの吸水速乾肌着「エアリズム」の無料モニターに妻が当選したという。
高校生の息子二人分のが当たったのだと喜んで受け取りに行った。
断言しても良いが彼女はユニクロのファンでもなければエアリズムのファンでもない。無料品のファンである。
無料で配布されるならイオンのでもイトーヨーカドーのでもしまむらのでも無印良品のでも構わないだろう。
そういうキャンペーンがあれば必ず応募している。

ただ、ファッション衣料と異なり、肌着は消耗品・実用衣料である。
仕入品を配布しているならあまり効果はないが、自社開発製品を配布してファンを作ろうというのは、わからないではない。肌着は必ず買い替え時期が訪れるからだ。その際に自社製品を買ってもらうための種まきなので、一定の効果はあるといえる。

これがファッション衣料ならその効果はもっと薄まる。
別に必需品でもないし、消耗も肌着や靴下に比べればほとんどないに等しい。
流行り廃りもある。
とくに仕入品を配布するのはもっとも効果が薄いだろう。

それはさておき。

今回のルミネのセールの広告のコピーには賛同だが、ルミネのセールに対する姿勢はいまだに賛同できかねる。
2012年夏に三越伊勢丹HDに追随する形でセール後倒しを発表した。
「セールに来るお客の多くは、セール品のファンにすぎない」と喝破してきながら、実際には遅めではあるがセールは行うのである。だから筆者の目には言動不一致と映る。

さらにいえば、セール前倒しを極端に進めたのもルミネである。

2011年3月の東日本大震災の影響を口実に、2011年6月半ばにセールをいち早く前倒しにしたのは他ならぬルミネである。
震災の影響は当然あるとしてもなぜ、わずか1年で真逆のことをやり始めたのか。
それに関しての詳細な説明は知る限りでは発表されていない。取って付けたような「産地支援」という大義名分だけは掲げていたけれども。

ルミネのセール後倒しが「産地支援」に関してほとんど何の効果も期待できないのは、以前にも書いた通りだし、
日経ビジネスオンラインにも寄稿させていただいた。

「産地支援」はバーゲン後ろ倒しの理由にならない
破壊者が今ごろ「産地を守る」と言う白々しさ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130603/249030/

まあ、そんなわけでセールに関してのルミネの迷走ぶりは、業界の迷走ぶりを極めて端的に示しているように感じられる。

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