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南充浩 オフィシャルブログ

消費者イメージとのギャップがある

2013年7月3日 未分類 0

 消費者側の意識と製造側の経費が折り合わないアイテムが世の中にはいくつもある。
消費者からすると「これはあんまり高いと買う気が起らないなあ」というアイテムが、実は製造原価がそれなりにかかっており、消費者が望むほど安くできない場合がある。

メンズのショートパンツなんかはその典型ではないか。

 2011年にスーパークールビズが登場して以来、メンズのショートパンツは完全に市民権を得た。
2011年、2012年は7分丈のクロップドパンツがトレンドだったが、2013年はさらに短くなり、膝上丈がトレンドである。個人的にはオッサンのすね毛を大面積で見るのも見せるのも嫌なので膝上ショートパンツは自宅にいるときにしか着用しない。夏はだいたい7分丈着用である。

さて、このショートパンツだが、店頭販売価格が1万数千円なんてすると「うわっ、高っ」なんて感じてしまう方もおおいのではないか。筆者なんて真っ先に「うわっ、高っ」と叫んでしまう。
ところが、カジュアルパンツのOEM事務所を経営する友人によると、フルレングスのパンツとショートパンツの縫製賃は同じなのだそうだ。
ちがうのは使用する生地の分量(要尺)だけである。

1メートル700円くらいの生地を使用した場合、フルレングスパンツだとデザインや仕様によっても異なるが、だいたい2メートル~2メートル50センチくらいが必要となる。
仮に2メートルだとすると、生地の値段は700円×2メートルで1400円ということになる。
生地代だけですでに1400円が必要になるわけで、どこぞで定価が8000円とか9000円するようなブランドジーンズが在庫処分で1900円くらいになっていたら、原価割れだと思ってもほぼ間違いないだろう。
ショートパンツだと丈の長さによっても違うが、仮に生地が1メートル30センチ必要だったとすると、生地代は1050円である。

フルレングスパンツとの製造原価の差は350円ほどしか変わらないことになる。

しかし、店頭で販売する際、フルレングスパンツは1万数千円だとしても「うわッ、高っ」とは思われないが、ショートパンツが同じ値段だと「うわっ、高っ」となる。

消費者側からすると、メンズのショートパンツがいくら市民権を得たとはいえ、短パン社長を除くと真冬は着用しないし、フルレングスほどの品質クオリティを求めない。極端に言えば「ひと夏使用出来れば良い。秋口に破損してもかまわない」くらいに考えている。
こうなると、利用価値や期待値が明らかに低いため、フルレングスパンツと同じ値段で買うことはちょっとためらいがある。

いっそのこと、「バーゲンで990円くらいに投げ売りしてくれないかな」というところが多くの消費者の本音だろう。

筆者も恥ずかしながら、OEMの友人からレクチャーされるまで同じように考えていた。
筆者の持っているショートパンツ類はほとんどが投げ売り品ばかりである。ユニクロで990円に値下がりしていた物だの、GAPで990円に値下がりしていた物だのばかりである。もっとも高かったものでも2520円に値下がりしていたリーバイスのクールマックスデニムのクロップドジーンズである。

ショートパンツ類の製造原価が意外に高いということを筆者も含めて多くの消費者は知らない。
これは製造メーカーも小売店ももっと啓蒙する必要があるのではないだろうか。

そうでなければ、消費者の持つイメージと店頭販売価格のギャップはいつまで経っても埋まらない。

ショートパンツ=安っぽいというイメージが消費者に固定してしまったのは、製造側にも小売側にも「価値を伝えきれなかった」責任があるだろう。

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