いくら仲間ウケが良くてもね・・・・・・・・・
2013年6月19日 未分類 0
先日、トレンド系のメンズカジュアルブランドを運営する役員の方からこんな意見を聞いた。
「ネット通販を開始して分かったことがある。ファッショニスタと呼ばれる人々に対しての打ち出しは一般大衆にはまったく響かない。ファッショニスタは人口が圧倒的に少なく、一般大衆は圧倒的に人口が多い。なら人口の多い一般大衆に向けた打ち出しを強化すべきだ」
これはなかなかに良い視点だと思う。
ここでいうファッショニスタとは
ファッショニスタとは、新しい造語でファッションに敏感な人たちのことをいう。特に、ファッションライターやバイヤーなどファッションの業界に携わる人達のことを指す場合が多いようです。
日本の女性誌などでも最近は見かけるようになってきている新語。一般的に、ファッションのセンスがあって、「実際にかなりの労力をおしゃれにつぎ込んでいる」人のこと。ときに賞賛の言葉として、ときに軽い軽蔑の言葉として使われます。
http://www.fashion-j.com/mt/archives/002373.html
とある。
業界関係者やファッション最先端の人々のことだから、人口比率は圧倒的に少ないし、いわばお仲間である。
仲間受けがいくら良くても一般大衆に売れなくては企業としての商売は成り立たない。
そしてその手の人々が好むアイテムが一般大衆の好みとはかけ離れているのはテレビや雑誌を見れば一目瞭然だろう。
一見するとコスプレと見間違うようなコーディネイトで登場される方々も多くいらっしゃる。
この手の人々にいくらアイテムが絶賛されても売りにつながらないことがあるのは至極当然のことといえる。
ファッショニスタと一般大衆では明らかに嗜好性が異なるからだ。
さて、そう考えると現在、売上高が伸び悩んだり低下したりしているブランドも過度にファッショニスタに向けた打ち出しをしすぎたのではないかと思えてくる。
また、鳴り物入りで登場した割にはあっけなく消滅した新ブランドの数々もそういう打ち出しが過剰だったのではないだろうか。
5億円とか10億円規模の売上高が目標ならファッショニスタに向けた打ち出しを強化しても良いだろう。
それくらいの金額ならファッショニスタたちが買い支えてくれるはずだ。
しかし数十億円とか百億円規模の売上高を目指すならターゲットは一般大衆である。彼らに支持されなければ売上高の増加は望めない。
カッコヨサを打ち出す必要はもちろんあるが、それは味付け程度で良く、カッコヨサをどっぷりと追求する必要はないのではないか。
試着のできないインターネット通販ならそれはなおさらだろう。
カッコイイサイトよりも使いやすいサイト、わかりやすいサイトの方が支持が集まりやすい。
やたらと動画があって重かったりとか、ブランド名すら満足に判読できないようなデザインだったりするサイトには支持が集まりにくい。
そういう意味では先ほどの役員の発言は的確である。
そしてファッショニスタの批評や予想がほとんど的中しないのは、これまでの商業施設評論やブランド評論を見ても明らかだろう。
あっけなくブランドが消滅したけど、登場時のヨイショの嵐はなんだったのだろう?と疑問に感じることもしばしばである。
先ほどの役員が言葉のままに一般大衆に向けた打ち出しを行えば、メンズカジュアルブランドの売上高も増加する可能性は高いでのはないだろうか。