目線を下げる努力も必要
2013年5月31日 未分類 0
生地メーカーや紡績(糸を製造する工程)、縫製業者、加工業者などはプロであるが故に、自社の機能や商材をあまり詳細に説明しない傾向が強い。
本当はしているつもりだが、プロすぎて素人に分かるように説明できていないだけかもしれないし、詳細に説明したら同業他社にバカにされると考えているのかもしれない。
彼らが取り引きをするのはおもにアパレルブランドの企画担当者やSPAブランドの企画担当者である。
以前にも書いたようにそれらの企画担当者は「裁断って何ですか?」と質問するほど製造工程への知識がない。もちろん、一部には詳しいベテランもおられるが、そうでない若手は年々増えている印象がある。
よく言われるように、多くのアパレルブランド、SPAブランドの企画担当者はOEM・ODMメーカーに丸投げで、彼らが持ってきたサンプルの中から気に入った物をチョイスするだけのセレクターになり果てている。
さてそんな中、先日、丸安毛糸の展示会にお邪魔した。
ここは糸の商社でありながら、展示会のディスプレイやPOPが秀逸なので何度か紹介している。
今回、こんなPOPを見つけた。
裏と表で色が違う「段ボール編み」についてである。
裏と表と生地を二枚貼り付けているようなものなので肉厚になるため、春夏向けにはちょっと厳しいかな?というのが個人的な印象である。
写真を見ていただきたい。
かなりわかりやすく特徴が書かれてある。
この書き方だと素人にもわかりやすい。素人にわかりやすいということはプロにも当然わかるということである。
「裁断って何ですか?」と質問をするような素人同然の企画担当者にわからせるには、これくらいわかりやすく書く必要があるのではないだろうか。
ここまで初歩的なことを書けば笑う同業他社も当然現れるだろう。
しかし、別に同業他社と取り引きをするわけではないので、そんな物を過剰に気にする必要はない。
製造業者の知識の高さは十分に存じあげているので、今後は目線を下げる努力をなさってはいかがだろうか。
目線を下げるといってもブランド側の言いなりになることではなく、丸安毛糸の段ボール編みのような説明を心がけてみてはどうかという意味である。