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南充浩 オフィシャルブログ

突発的な広告は意味がない

2013年5月2日 未分類 0

 昨日、広告代理店について書いたが長くなるので抜粋しなかった部分もある。
しかし、抜粋しなかった部分にもけっこう重要な要素が書かれてあるので、そこも見てみる。

経営者よ、広告代理店に“カモ”られるな!
大成功する「広告代理店との付き合い方
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130419/246959/?P=1

お時間のある方は原文を読まれることをお薦めする。

これはネット通販を念頭に書かれた記事だが、ファッション雑誌や新聞広告にも通じる。

【その14】顔色をうかがわせるな! 最終判断は「あなた1人」
 広告代理店から出された提案の最終判断者は「あなた1人」にしよう。広告では、広告主の責任者が明確でない「委員会体制」が一番危険。広告代理店が広告主の複数人の担当者の好みばかりを聞いて、全員にウケる広告、全員にヨイショする広告を作ると、“幕の内弁当”のようなメインディッシュのない広告になってしまい失敗する。広告は最終判断者と責任者はワンマンでいいのだ。

これは広告主の問題だ。
最終的に経営者の決済が必要だが、その間に何人もの人間が口をはさんでくる。
こういう会社はよくある。

広告担当窓口とその上司くらいならまだしも、そこに営業本部長、企画部長なんかも会議に同席する。
営業と企画の意見が対立したりすると、その間を採った広告が出来上がる。
そんな広告は何が言いたいのか良く分からない。
良く分からないが営業本部長と企画部長はご満悦である。社内に広告を出しても意味がない。

【その18】「ネットやらなきゃ!」って本当?
 広告代理店が「ネットをやらなきゃ!」と言ってきても、無理してネットに投資する必要はない。ここ10年ぐらいは広告主に「ネットをやらなきゃ!」的な空気があったのでネット広告業界は伸びてきた。でも別にネットだろうがオフラインだろうが関係なく、「効率が良いメディアが一番」なのだ。自社にとって一番効率の良いメディアに投資しよう!

とりあえず・・・・・みたいな形ならやらない方がマシ。
そのお金を社員のボーナスに使うか、社内吞み会に使った方がずっと効果的だろう。

【その21】「クリエイティブ」を値切るな
 広告において、広告代理店に対して「媒体」を値切るのはまだいいが、「クリエイティブ」を値切ってはいけない。媒体を安く買えれば効果は同じだし単純にラッキーだが、“人間”が創り上げるクリエイティブを安く買おうとすると、質も効果も低い“クズ”みたいな制作物しか出てこない。

これは良くある話で広告主の問題である。
写真やイラスト、デザイン、コピーライトなどのクリエイティブをやたらと値切るのは良くない。
この主張には快哉を叫ぶカメラマンやライターやイラストレーター、デザイナーも多いのではないだろうか。

【その22】信頼できる相手を見つけたら「競合コンペ」はやめろ
 運よく売り上げを上げてくれる信頼できる広告代理店(広告マン)に出会えたら、くだらない「競合コンペ」制度をやめるべき。変な駆け引き無しに、その1社(1人)の広告代理店(広告マン)に徹底的に任せれば、彼らはきっと返してくれる。その信頼にこたえるため、責任という重圧に耐え、何が何でもその目標を達成するために、“売れる”広告のプラニングに徹底集中をする。「効果的な処方箋を書くには1対1での問診が必要なように、効果のある広告には広告主と広告マンの信頼と責任のもとで行われる必要がある」のだ。

これもその通りだろう。
逆に発注先が決まっているのに形ばかりのコンペを行う広告主もいる。
あれはくだらないポーズなので即刻やめるべきだろう。
コンペにかかわる人間すべての時間と労力がもったいない。

と、まあこんなところだ。

以前所属した会社が突発的・発作的にテレビCMを流したことがある。
テレビ東京系列で2週間ほど放映した。製作料込みでの放送料金は3500万円ほどだと記憶している。

その後、その会社は財政的に厳しくなり2度とテレビCMを流さなかった。
これなどはかなり無駄に資金を使った好例だろう。
あまり知名度のないブランドが発作的にテレビCMを流したものの、たった2週間では知名度を高めるには至らない。
それこそ、四六時中流し続ける必要がある。
そうなると、莫大な費用が必要になる。

一言でまとめるなら「金がないならテレビCMなど流すな」ということである。

この3500万円を社員に配分した方が良かったのではないかと思う。

計画性のない広告ほど無駄な出費はない。

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