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南充浩 オフィシャルブログ

トップバリュは雑誌とのタイアップでイメージを高められるか?

2019年2月22日 お買い得品 0

低価格衣料品が市民権を得て久しいが、大手総合スーパー(GMS)の自社ブランド(PB)への人気はさほど高まっていないような気がする。
たまに近所の西友を覗くこともあるが、よく探せば、単品としてはそれなりにファッショナブルで使えそうな商品もあるが、トータルの売り場として見ると、やはり安物臭さが漂っているし、売り場作りもモサっとしている。
これは、あべのキューズモール内にあるイトーヨーカドーとて同じだ。よく探せばそれなりに見た目が良い商品もあるが、売り場全体として見た場合、ファッションに興味のある人を惹きつけられるようには到底見えない。
それでも西友だとナイキやアディダスの商品があり、それが10%~30%オフで売られているので上手く買えばお得だし、イトーヨーカドーならグンゼや福助などのナショナルブランドの靴下が割安で売られているから、やり方によっては上手く活用できる。
さらにいえば、グンゼなどのナショナルブランドが量販店のPBのOEM生産を請け負うこともある。
それでもやっぱりGMSのPB衣料を喜んで買う人は少ないのではないかと思う。それこそユニクロやジーユーなどがそれなりに期待感を集めていることと比べると大きな差があると感じる。
 
そんな感じなので、低価格衣料品好きな当方でさえ、GMSのPBは滅多に買わない。
これがGMSのPBの現状だといえる。
 
先日、散髪屋で手渡された雑誌をペラペラと眺めていたら、イオンのPBのトップバリュのタイアップ記事がデカデカと掲載されていたので、思わず食い入るように読んでしまった。
イオンのPBが掲載される雑誌なんてこれまでは、主婦向け生活情報誌くらいだったのではないかと思うが、宝島社のモノ雑誌「MonoMax」である。
モノ雑誌というのは基本的には男性向けである場合が多く、この雑誌もターゲットは明らかに男性である。
よく、アパレル業界では「モノのスペックや製造工程にフォーカスした売り方は男性向けに適している」と言われるが、雑誌もそこは変わらない。
当方が目にしたタイアップ記事はこれである。幸い、同じページがウェブにもあった。
 

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https://monomax.jp/archives/46822/

ダウンジャケットとダウンベストとダウンパンツの3点セットで1万円という破格値だ。
1点当たりの平均価格は3300円強となり、ダウンジャケットとしてはかなりの割安価格に設定されている。
ちょっと画像をそのページからお借りする。

 
 
 
着用しているモデルの男性が容姿端麗だからかもしれないが、一般消費者が思い描くイオンの衣料品よりはかなりマシに見える。
当方がこれを読んだときにはすでに正月は過ぎていたので、もう販売は終了していた。実際に完売したのかどうかはわからない。
ダウンパンツは年末大掃除の時ぐらいしか着用しないと思うがそれ以外の2点は買って試してみたい気もした。
これは昨年12月発売の2019年1月号だったのだが、この号にはほかにもトップバリュの商品が掲載されていて、雑誌広告への力の入れように驚いた。
 
イオンのトップバリュはどうも少し前からこのMonoMaxとのタイアップを積極的に進めているらしく、自宅に戻ってパソコンでググってみると、いくつか商品が出てきた。
その一つがこれである。

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https://monomax.jp/archives/42874/
 

これは昨年9月のタイアップ記事であり、スーツの素材にはウール生地産地として有名な愛知県一宮市周辺で製造された生地を使っているようだ。
こちらも画像をお借りする。

 
 
撮影が上手いのか、トップバリュの製品とは思えない見え方をしている。
価格は1万8800円なので、イオンのPBスーツとしては高い部類に属する。1万8800円という価格なら、ツープライススーツショップと同等の価格設定だが、そこの客層を取り込みたいということではないかと思う。
記事をスクロールして読み進めると、下の方には、ウォッシャブルスーツのことが書かれてあるが、紳士服チェーン店や他の量販店のウォッシャブルスーツは合繊100%か合繊混がほとんどである中、イオンのウォッシャブルスーツはウール100%だそうだ。男性はモノのスペック好きが多いから注目する人も多かったのではないかと思う。
 
それにしても、すごくメジャーなモノ雑誌とは言えないものの、この手の雑誌がイオンのPBであるトップバリュとたびたびタイアップをしていることに驚いた。それは
1つは、イオンという量販店が遅ればせながらこういうイメージ戦略を開始し始めたこと
もう1つは、この手の雑誌もついに量販店のPBとタイアップせざるを得ない状況、しても構わないと考え始めたこと
の2点についてである。
 
量販店のPB衣料品なんて、これまでは雑誌側が門前払いをくらわすことが多かった。しかし、昨今の雑誌不況で、名だたるファッション雑誌が廃刊に追い込まれている。直接の理由は部数減少だが、実際はそれによる広告出稿の減少からの採算の悪化だ。
さらにいえば、アパレル側も不振企業が多いから雑誌広告は真っ先にカットされやすくなっている。
とすると、雑誌側も量販店のPB衣料品を門前払いする余裕はなくなっているということである。
そして、雑誌側も量販店のPBを掲載しても読者はある程度は違和感を感じないだろうと考え始めている部分もあるのではないかと思う。
逆に量販店もこれまでイメージ戦略が超がつくほど下手くそで、テレビCMもピントのボケた内容ばかりだったし、ファッション系雑誌とのタイアップなんてハードルが高すぎて考えもできなかっただろうと思う。
それを曲がりなりにも、ついにやり始めたということになる。
雑誌は部数減少が続いており、メンズジョーカーでさえ廃刊に追い込まれている。この状況下で雑誌とのタイアップを開始したというのは時期としては遅すぎるのではないかと思うが、これらの取り組みを成功させたいと願うなら、何年間か長期戦を覚悟する必要がある。
1回や2回のタイアップ程度でブランドイメージは高まることは絶対にないのだから。
 
 
久しぶりにNOTEの有料記事を更新しました~
「アパレルの簡単な潰し方」
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n479cc88c6
 
 
そんなMonoMax最新号をどうぞ~

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