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南充浩 オフィシャルブログ

ジーンズ縫製工場はジーンズしか縫ってはダメなの?

2012年10月17日 未分類 0

 自家縫製工場を抱えているアパレルは大変である。
もちろん、筆者の頭の中にはジーンズ専業アパレル数社の姿がぼんやりと浮かんでいる。

いわゆるナショナルブランドと呼ばれたジーンズ各社は最盛期に比べると売上高を落としてしまった。
そうなると、自家縫製工場が回らなくなる。
工場の稼働率を上げるには3つ方法がある。

1、本業のジーンズ類をめっちゃ頑張って気合いで卸売りしまくる
2、OEM生産を精力的に受注して埋め合わせる
3、まったく異なった商品を生産する(ジーンズ以外のデニム製品)

である。

昨今の市場状況や、ファッション的なトレンドを顧みるに、1を実現することはかなり難しい。

おそらく「竹槍でB29を落とすような」精神力が求められることになり、精神衛生上お薦めできない。

個人的には本業は現状維持しながら、2と3を組み合わせるべきだと考えている。

先日、まったく異なった新商品に活路を見出した例を日経ビジネスオンラインで紹介させていただいた。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120924/237194/?P=1
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120924/237194/?P=2

眼鏡フレームの材料であるアセテートセルロース材を使って、「耳かき」を開発したという事例である。

mimi_tide

(眼鏡フレームの材料から生まれた耳かき)

眼鏡フレーム製造の産地として知られる福井県鯖江の原材料輸入会社からの依頼で、セメントプロデュースデザインが考案した。
眼鏡フレーム産地として知られる鯖江だが、繊維産地と同じく、年々疲弊していっている。
その眼鏡フレームの材料を使って、新たに高額な眼鏡ブランドを立ち上げたところで、今更参入は難しい。

ご存知の方も多いが、アセテートセルロースを使った高額な眼鏡フレームブランドというのは掃いて捨てるほどある。数万円はざらだし、10万円以上するものも珍しくない。
しかも、ブランドとしても名前が鳴り響いている。

その市場に新進ブランドがやすやすと参入できるはずがない。

で、セメントプロデュースデザインが思いついたのは「耳かき」にすることだった。
この耳かきは、眼鏡のツル(テンプル)の部分と同じ製法で作られている。
一直線に削り出すだけなので眼鏡フレームより製造コストが安い。
店頭価格は3900円である。

耳かきにすると3900円は高いが、衝動買いできる範囲の金額であり、売り方次第では「土産物」としても購入が期待できる。
例えば、「道の駅」や特急サンダーバードの車内販売などである。

梅田のファッションビル「ルクア」は、観光客も多く訪れるそうである。
観光客は「土産物」として3000円内外の商品を購入することが多いそうで、そのため「ルクア」では3000円台のギフト商品を強化している。

3900円の耳かきは、はからずも「ルクア」の狙う価格帯に当てはまっている。

さて、ジーンズメーカーの自家縫製工場でもこのような発想で新商品製造に取り組んでみてはどうだろうか?
縫製工場だから本当は、ヤル気次第でパンツ以外の様々なアイテムも縫えると思うのだが。
衣料品以外のジャンルにも目を向けて考えてみてはどうだろう。

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