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南充浩 オフィシャルブログ

百貨店の衣料品ってそれほど儲かっていたかな?

2012年9月14日 未分類 0

 12日に阪急百貨店梅田本店の第2期棟オープンの記者会見が行われた。

この会見には出席していないのだが、各メディアでその構想が報道されている。
個人的に一番面白いと思ったのは東洋経済。

http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/9722bc764305caff9712124c5f1ba4d4/page/1/

とくにこの個所に注目した。
以下に引用する。

10階は雑貨のフロア「うめだスーク」(スークはアラビア語で「市場」の意味)。
「雑貨を中心に、クリエーターや作家の手作りの品なども展示する。
全体の4分の1の売り場は1~2週間で商品が入れ替わるようにし、導線もあえて迷ってしまうような作りにして、散歩気分で発見する楽しみを提案したい。まったく新しい業態を開発したと思っている」(内山啓治本店長)と自信のフロアだ。

「近年の百貨店は自分たちのもうかるものばかりに力を入れて、食品と衣類ばかりになってしまった。もうからないけど面白いものを、ところどころに混ぜていかないとダメだ。10階はそうした『面白いもの』の象徴となるはず」(椙岡会長)。

とのことである。

百貨店の凋落の原因の一つにレディースファッション衣料への過度の特化を挙げる方が多い。
その昔、大食堂あり、家電売り場あり、おもちゃ売り場あり、屋上遊園地あり、と百貨店はファッション以外も広く取りそろえ、女性のファッション購買客以外の広い層も取り込んでいた。
それが百貨店の盛況ぶりを生んだと分析されている。

そして、レディースファッション衣料への過度な特化はバブル期に、百貨店側が売り場の効率化を求めたためで、コンサルタントの安易な言葉に乗っかった結果だともいわれている。

今回の阪急の取り組みは、こういう指摘を踏まえた部分もあるのではないかと推測する。

けれども、自称「ファッションの阪急」というだけあって、この10階もファッション的な切り口での編集だとこの文面からは読み取れる。
大型ブランドを導入するか、個人作家が展開するような小規模ブランドを導入するかの違いである。

一つ気になったのは、「食品と衣料がもうかる」と語っておられる部分だ。
本当にもうかっているのだろうか?
とくに衣料品はそれほど儲かる業態なのだろうか?それほど儲かる業態なら一部を除くアパレル各社は何故あれほど苦戦しているのだろうか?現在の百貨店はそれほど利益が高い業態だろうか?
付け加えるなら百貨店をメイン販路としているブランドで儲かっているブランドはそれほどないはずなのだが。

10月下旬の先行オープン、11月21日のグランドオープンはおそらく多くのお客が押し寄せるだろう。
しかし、JR大阪三越伊勢丹の例もあるように、来場客が多くても売上高には結び付かない場合がある。

阪急の構想が図に当たるかどうか注目してみたい。

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