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南充浩 オフィシャルブログ

ユニクロ、ポイントの変調は新たな動きの前触れか?

2012年7月4日 未分類 0

 恒例の6月売上速報が発表された。
10日前後から五月雨式にセールが始まった6月だが、数字だけを見ると各社とも盛り上がりに欠けているような印象がある。中でも今月も気になったのがポイントの既存店客数大幅減だ。

ユニクロは
既存店売上高が前年比7・0%減
既存店客数が同9・9%減
既存店客単価が同1・3%増

ポイントは
既存店売上高が前年比8・7%減
既存店客数が同14・2%減
既存店客単価が同6・3%増

マックハウスは
既存店売上高が前年比2・2%減
既存店客数が同6・1%減
既存店客単価が同4・2%増

ハニーズは
既存店売上高が前年比1・4%増
既存店客数が同0・2%減
既存店客単価が同6・3%増

だった。

ユニクロの客数減も大きいが、それ以上に客数減の大きいのはポイントである。
これは6月に限ったことではなく、4月から3ヶ月間連続となっている。
ちなみに客数減は、4月が11・3%減、5月が15・4%減、6月が14・2%減であり、2ケタ減が続いている。

ポイントはブランド別の増減が発表されていないので推測するほかないが、6月14日付の繊研新聞には
「ローリーズファーム 3~5月浮上の兆し」との記事が掲載されているから、この4月からの不調はローリーズファーム以外のブランドである公算が大きいのではないだろうか。

記事によると、

ポイントの「ローリーズファーム」は、3~5月で既存店売り上げが前年並みとなり、ここ2年の減収基調から浮上の兆しがある。

とある。
現在ポイント内でもっとも売上高の大きいブランドは、実はグローバルワークなので、不調の主たる原因はグローバルワークなのではないか。これも推測の域を出ないのではあるが。

ユニクロもなかなかに厳しい。
既存店(675店)以外も含めた直営店(827店)合計売上高は、前年比4・3%減である。
既存店も苦戦したが、新規店舗もそれほど売上高は伸びなかったといえる。

現在のユニクロの店頭は、ベーシック商品に特化されており購買意欲がそそられにくい。
とくにメンズは、昨年・一昨年からの継続的な商品が多く、各消費者はタンス在庫を豊富に抱えていることと推測される。
例えば、無地のボタンダウンシャツで考えると、多くの消費者はすでに白・青・ピンクの三色くらいは所有している。いくら高品質だとはいえ、今年もさらにそれを買い足すとは考えにくい。

ユニクロのボタンダウンシャツコレクターでもない限り、
「今年はとりあえず黄色も買っておこうか。週末値引き990円やし」というような消費者は少数派だろう。

適度に小ロットのファッションアイテムを投入しないと、ベーシック路線一辺倒では来年さらに厳しくなると予想できる。

一方、マックハウスとハニーズは堅調である。

とくにハニーズは2012年5月期連結決算も好調に終わった。

売上高が598億6100万円(前年比7・6%増)
営業利益が51億4300万円(同43・9%増)
経常利益が52億1400万円(同42・0%増)
当期利益が26億4000万円(同100・4%増)

と増収大幅増益を達成した。

2013年5月期連結決算も

売上高653億円
営業利益58億円
経常利益58億円
当期利益30億円

の増収増益を見込んでいる。

これまでSPA業態の中でも勝ち組といわれたユニクロ、ポイントの変調は、衣料品業界において新しい動きが現れる前兆ではないだろうか。

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