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南充浩 オフィシャルブログ

釣りガールは来なかった。マスコミに釣られてはならない

2012年2月10日 未分類 0

 山ガールのブームも昨年夏ごろをピークに落ち着いてきた。
落ち着いてきたとはいうものの、女性の固定客も増えいまだにその市場は大きい。
30代以上の女性を「ガール」と呼ぶことには、かなりの・相当の心理的抵抗があるのだが、この用語を使うことが一番わかりやすいので使用する。

で、昨年夏ごろに日経MJだったと思うが、「山ガールの次は釣りガール」という記事が掲載された。
タイトルは正確ではないかもしれない。
要するに山歩きの次にブームが来るのは「魚釣り」ではないかという内容である。

さて、先日、アウトドアブランド「フォックスファイヤー」を展開するティムコの展示会にお邪魔した。
くれぐれもファイヤーフォックスと間違えてはいけない。

2012秋冬向けの新商品の説明をお聞きしてから、おもむろに「山ガールの次に釣りガールブームはあったのですか?」と尋ねてみた。
そうすると、役員の方が「マスコミが期待したほどの動きではなかったですよ。我々もマスコミが言うほどのブームになるとは端から考えていませんでした」とお答くださった。

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(2011年6月店頭のフォックスファイヤーの川釣り女性向け商品のディスプレイ)

その理由についてさらにお尋ねすると
「山ガールの場合、主要販路はアウトドアショップになります。
アウトドアショップは予てから、用品用具以外にウェアも扱っておられました。
扱っていたウェアがトレンド物かどうかは別として、
アウトドアショップにはウェアを販売するノウハウがある程度ありました。
しかし、釣りガールとなると、主要販路は釣具店となります。
釣具店は竿やリール、ルアーなどの用具販売がメインでウェアの販売経験がありません。
ノウハウがないため、ブームが起きるとは考えにくかったです」
とお答えいただいた。

うむ。なるほど。非常に理路整然としていてわかりやすい。

これはティムコの役員の方のご意見だが、ほぼ的確に理由を説明できていると感じる。
筆者がティムコの証言を信用するのにはほかにも理由がある。
今でこそ、アウトドア全般のウェアや用品を展開しておられるが、もともとティムコは釣具メーカーである。
釣具店のことなら、他のアウトドアブランドよりもよく知っておられるからである。

また、さらに釣りが「山」ほどの人気とならなかった理由について
「山歩きは電車やバスなどの公共交通機関で移動できるケースが多いですが、釣りとなると自動車移動がメインとなります。都心では自動車を持たない人が増えているので、この部分でも大きなブームとはなりにくかったと考えています」とも付け加えておられた。

たしかに山歩きは「歩くこと」そのものが目的であるため、公共交通機関の最寄駅が目的地から多少離れていてもかまわない。そこまで歩くこともコースに含まれている。
しかし、釣りはそうはいかない。
最寄駅から目的地まで2キロ離れていたら、大概の人は自動車で行くことを選ぶ。
彼らは2キロ歩くことは「予定」に入っていないからである。

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(2011年6月店頭のフォックスファイヤーの山歩き用商品のディスプレイ)

とはいえ、釣り人口も着実に増えている。
もちろん女性も増えているが、それ以上に男性の方が増えているように感じる。
ただ、マスコミが期待するほどの「女性にも大ブーム」とはならなかったということである。

筆者も含めてマスコミは様々に予想する。
時には「ブームを仕掛けたるねん」とばかりにステマに近い煽り報道を行うこともある。
その煽り報道を見て「バスに乗り遅れるな!!」とばかりに報道を鵜呑みにして市場に参入する企業も数多い。

一旦落ち着いて冷静に考えてから「バスに飛び乗る」ことをお薦めしたい。

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