三越伊勢丹が夏セールの7月後半開始を検討
2011年12月30日 未分類 0
さて、福袋なのだが、今年はクリスマス明けから販売する店が出現した。
また別の店では、12月31日から販売するという。
これならいっそのこと、通年で福袋を販売すれば良いと思うのだが、それだけ在庫が余っているのだろう。
今年は、3月の東日本大震災があり、繊維アパレル業界にとってもなかなか厳しい年だった。
震災の影響もあり、今年は6月16日から夏セールが始まった。
これまで、セールはずっと早期化が進行してきたが、6月半ばという日程は異例に早い。
もっとも、6月下旬から「プレセール」が半ば堂々と開始されていたので、実際はあまり変わらないのかもしれないのだが。
一方、冬のセールも年々早期化していたが、現在は、量販店型ショッピングモールが元旦から、百貨店・ファッションビルが1月2日からと、もうこれ以上の早期化は不可能である。
その苦肉の策として、12月10日過ぎからの「プレセール」「フライングセール」「シークレットセール」などが活発化してきた。
今回の「福袋の年内販売開始」はセール早期化の一つの新しい形態だと感じる。
新しい形態だが、これについてはまったく賛同できないのであるが。
そうした中、12月21日の繊研新聞の1面に
「夏セール、7月後半へ」という記事が掲載されている。
これは、三越伊勢丹の大西洋社長のインタビューである。
「盛夏物の需要ピークにクリアランスをして、販売機会を自分たちで失わせている」と指摘。
そこで2012年の夏セールを7月後半~8月に実施する検討を始めた。
という。
その心意気には賛同するが、これはまだ「検討を始めた」段階である。
もし、実際に7月後半からセールを開始した場合、2012年の7月販売状況は間違いなく、前年実績を割ると予想する。
これに、経営陣が耐えられるかどうかである。
百貨店に限らずだが、日本の小売り・流通業は前年実績主義に囚われている。
これを断ち切らないとセール時期をずらすという施策は難しい。
2012年7月の状況を見て、「やっぱり背に腹は代えられないよねえ」と言って、
2013年から「セールは7月1日に戻します」と宣言する可能性は非常に高いと思う。
そんなわけで「検討が終わった」後の三越伊勢丹の発表を待ちたい。