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南充浩 オフィシャルブログ

ローカルトレンド、大いに結構じゃないか

2011年12月28日 未分類 0

 先日、ナイキの人気スニーカー、エアジョーダンの入手を巡って米国で暴動が起きたというニュースを聞いて驚いた。

「エアジョーダン」新製品に客殺到し米各地で騒動、発砲も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111224-00000012-cnn-int

日本では95~96年の「エアマックス95追剥事件」を最後に、
スニーカーを巡る大規模な事件は起きていない。

95年にナイキから発売された「エアマックス95」があまりの人気のため、入手困難となり、偽物が出回ったり、法外な価格で取り引きされたりと様々な事件が起きた。
その極めつけの事件の一つが「追剥事件」である。
不良グループがエアマックス95の着用者に暴行を働き、着用していたそれを奪って逃げるという事件が多発した。
知り合いの少年事件関連雑誌の編集長は、当時、「スニーカー人気が現代に追剥を蘇らせたか」と驚きを隠せない様子だった。

しかし、それ以降、日本ではハイテクスニーカー人気は沈静化し、目立った事件は起きていないほど秩序ある消費行動が保たれている。
現在でも一部に人気商品はあるものの、95年当時の過熱ぶりには遠く及ばない。

けれどもアメリカは違ったようだ。
ハイテクスニーカーへの人気は根強かったようだ。
そして、スーパースター、マイケル・ジョーダンへの人気も日本とは比べ物にならないほど定着しているようだ。

さて、「トレンドのグローバル化」とか「日本のローカルトレンドは捨ててグローバルトレンドを見ろ」という主張が国内のアパレル業界にはある。
しかし、この主張には疑問を感じる。

その一例がエアジョーダンである。
日本ではそこまで人気ではないが、米国では暴動が起きるほどの人気。
世界各国の情報を網羅していないので恐縮だが、おそらくヨーロッパでも中国でもそこまでの人気ではないのではないだろうか?
これはアメリカ限定のブームといえる。
ということは、アメリカのローカルトレンドではないか。

ナイキ本社は、当然、このエアジョーダンを日欧よりも米国に多く販売するだろう。
もっと言うなら、ハイテクスニーカーはいまだにアメリカで人気のファッションアイテムである。
しかし、日本や欧州ではそこまでの人気ではない。日本だと今、ハイテクスニーカーはファッション用というよりもマラソン用やジョギング用、トレッキング用などのギア需要の方が多いと感じる。
この「ハイテクスニーカー人気」もアメリカ特有の「ローカルトレンド」であろう。

国々での嗜好や好みは様々であるから、
中国にもヨーロッパにもそれぞれ「ローカルトレンド」がある。
その「ローカルトレンド」を上手くキャッチして流通させることがアパレル・ファッション産業の一つの役割である。
当然、日本にも「ローカルトレンド」が存在する。

中国やヨーロッパ、アメリカに「ローカルトレンドを捨てろ」と言わずに、なぜ自国に「ローカルトレンドを捨てろ」と声高に叫ぶ必要があるのか皆目わからない。
別に日本女性がモード系の服装よりもナチュラル系の服装を好んでも構わない。それは好き嫌いの問題であり正誤の問題ではない。

彼らが中国やヨーロッパ、アメリカをメインとして商売するなら日本のローカルトレンドを持ちこむべきではないが、日本をメインに活動する人々が、日本人に「ローカルトレンドを捨てろ」と主張するのは噴飯物でしかない。

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