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南充浩 オフィシャルブログ

ファッションメディアの「期待」なんてあんまり当てにならない

2018年9月28日 メディア 0

ファッション系メディアの「期待」なんてあんまりあてにならないと改めて思う。例えばこのニュースである。
 

「フレッド シーガル」神戸店閉店 オープンからわずか1年半
https://www.wwdjapan.com/700109
 

オープン時に「期待」を煽るような報道がなされていたが、結果はこれだ。
 
少し前だとアバクロ銀座店オープン時なんてひどかった。さんざん、メディアも業界人も煽っておいてアバクロ銀座店はあのざまである。そもそもその人気がピーク時より陰り始めた時期に銀座店を出店しており、価格が高くなったことも相まって、遠く離れた関西から遠望していても、それほど売れないのではないかと推測していたが、結果は案の定だ。アバクロはまだ日本にアウトレットを除いて3店舗しかない。今後もそれほど増えないと当方は見ているし、場合によっては撤退もあり得ると思っている。
 
今回のフレッドシーガルもオープン当初から売れなさそうな気配を感じていた。
ファッソニスタにとっては「あの」フレッドシーガルかもしれないが、一般人にとってはそこまで知名度も高くないし憧れの存在でもなかったし、本来、フレッドシーガルが座りたかった席には、すでにロンハーマンが座っていた。低価格帯なら客数は多いから並立も可能だが、高価格帯は客数が少ないから両雄はなかなか並び立てない。
それにフレッドシーガルがオープンした経緯はややこしい。ややこしい経緯のブランドはだいたいが長続きしにくいが今回もその例に倣ったといえる。
 

日本での「フレッド シーガル」事業はもともと、マークスタイラーが12年11月、日本での商標およびマスターライセンス権、独占輸入販売権を取得。13年9月に1号店の代官山店をオープンした。
その後、マークスタイラーは事業子会社の全株式やライセンス使用権を15年2月に諸戸(もろと)インベストメント(三重県、以下、諸戸)と関連会社のセレンディップ・コンサルティング(名古屋市)に譲渡。
さらに17年8月にはヰノセントがフレッドシーガル本国とライセンス契約を締結。間もなくヰノセントの共同経営者兼クリエイティブ・ディレクターだった藤田浩行氏がヰノセントの経営から離れてフレッド シーガル ジャパンを設立し、社長に就任。諸戸から代官山店と神戸店の2店舗と事業を譲り受けた。
 

というややこしい経緯で現在に至っている。
そしてこの藤田浩行氏というのは、退任したナノユニバースの創業者であるから、余計に経緯が複雑に感じられる。
そして業界では藤田氏の取り巻き連中の評判があまり良くない。今回の苦戦の要因はさまざまあるだろうが、それも一つに挙げられるのではないかと思う。
フレッドシーガルは代官山1店舗になってしまったが、今後はさらに苦戦するのではないかと思う。理由は店舗数が減ればそれだけバイイングパワーが減るからである。なんやかんやとカッコイイことばかり言っても、衣料品業界は「数こそ力」である。店舗数が多ければ、それだけたくさんの数量を仕入れられるから、発言力が増す。仕入れる量が減ればそれだけ発言力は弱まる。
仕入れる量が減り、発言力が弱まるということは、良い商品を回してもらいにくくなるので、さらに売上高は伸び悩むという悪循環スパイラルに陥りやすい。
これを克服できるブランドや店はあまりない。
アバクロ、フレッドシーガル、と見てきて、正直「またか」という印象である。メディアが食傷気味に煽ったわりに散々な結果に終わったブランドは数多くある。
ちょっといくつか思い出してみる。
例えば、韓国の大手イーランドである。

韓国イーランド、今春「MIXXO」「SPAO」で日本進出(2013年2月)
http://www.apalog.com/report/archive/1357
イーランドグループは、ファッション事業を中心に、積極的なM&Aや海外展開で急成長。グループ全体の年間売上高は10兆ウォンに達している。ファッション事業部門では2012年に4兆ウォンの売り上げを達成した。

とのことで、煽り方としてひどいのはこの見出しである。

アジア発ブランド、続々“日本上陸”のワケ
https://toyokeizai.net/articles/-/13571

 
しかし、早くも2015年1月末には全店閉鎖して撤退している。
上陸からわずかに2年くらいでその間、店舗数はほとんど増えなかった。当時の記事を読むと、円安に転換したことで競争力を失ったと分析されているが、円高が継続していても結果はあまり変わらなかったのではないかと思う。結局は商品・店作りがヘボくてチャチだったということであり、当方と親交のある業界人は「如実に商品も店作りも安っぽかった」と上陸当初から指摘していた。
 
そういえば、オールドネイビーもそうだった。イーランドの抱える2ブランドよりもはるかにビッグネームだったからメディアや業界人は散々に煽ったが、上陸から4年半ほどで日本から撤退してしまった。店舗数もそれなりにあり、イーランドよりははるかに資本を投下したが予想よりも売れ行きが鈍く回収ができなかったのだと考えられる。
 
もちろん、報道は必要だが、そこに情緒丸出しなのか利益誘導なのかわからないが、過度に主観たっぷりな煽りは不要だといえる。「オープンした」「上陸した」という事実を淡々と報道すれば良いだけで、そのブランドが良いのか悪いのかは消費者の判断にゆだねるべきではないかと思う。ましてやメディアや業界人ごときがブームを作ろうなんていうのは思い上がりも甚だしい。
まあ、そんなわけでメディアや業界人の称賛なんて話半分程度に聞いておくのがちょうど良いくらいである。
 

NOTEの有料記事もよろしくです。
ライザップグループのアパレル事業が大きく伸びるとは思えない理由
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n0200a63add2e

 
そんなオールドネイビーの並行輸入品をどうぞ~

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