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南充浩 オフィシャルブログ

暖パンと短パン

2011年12月9日 未分類 0

 POP作り、ダイレクトメール作り、チラシ作り、など一般的に販売促進と呼ばれる分野において、ブランド展開するアパレル企業はあまり上手くないと感じることが多い。

ブランドという看板があるからなのだろうか、とにかく気取り過ぎていて内容が伝わらない。

みなさん、こんなダイレクトメールを受け取ったことはないだろうか?
無地の横長のはがきに、一言「invitation」とだけ印刷してある。
その下には日付「12/6~12/8」としか書いていない。
差出人は発見しにくく、よしんば発見できたとしてもブランド名なのか社名なのか判別できない名前が書いてあるだけ。

デザイン面で見るなら、これは非常に「シャープ」で「クール」で「スタイリッシュ」である。
しかしダイレクトメールや招待状として見るなら、内容も差出人も分からないようでは、最低基準も満たしていない。
まったくの失敗作である。

理想論で言うならシャープでクールでスタイリッシュでありながら、内容が分かりやすいものを作るべきである。
しかし、デザイン性か内容かどちらかを犠牲にしなくてはならないとするなら、どちらを選ぶ方が正解だろうか。
どちらも正解であるが、個人的な好みで言うならデザイン性を犠牲にすべきではないかと考える。

内容は良く分からないがシャープでクールでスタイリッシュな招待状が出来上がったとしよう。
筆者の運営展開するブランドが「ルイ・ヴィトン」や「シャネル」ならそのまま採用する。しかし、ステイタス性がその域にまで達していない「なんちゃってブランド」なら、そんな招待状やダイレクトメールは採用しない。
分かりやすさを重視した内容にする。

さらに言うなら、世の中の大半が「なんちゃってブランド」である。
「なんちゃってブランド」が本格ブランドの真似をしたところで、その分かりにくい招待状やダイレクトメールが集客に役立つのだろうか?おそらく、本人たちが思っているほどは役立っていないのではないだろうか。

そんな中で、ダイレクトメールや招待状作りが面白いアパレルがある。
以前、一度このブログで紹介したことがあるフラムクリップだ。

http://furamuclip.com/

とにかく内容が分かりやすいと同時に「面白い」のである。
いつも何かのパロディ風の打ち出しがある。そういえば、以前の展示会では「社長のサイン会」を開催したところ、
多数のバイヤーが並んだという逸話もある。

そのフラムクリップが、年明けに開催する2012夏物展示会用の招待状を作った。
招待状に使う写真がこれである。

5e88c803-s[1]

さて、これは何のパロディかおわかりだろうか?
ユニクロの「暖パン」のビジュアルである。湖にたたずむ男性はフラムクリップの奥ノ谷圭祐社長本人である。
なぜ「短パン」なのかというと、奥ノ谷社長のニックネームが「短パン」であり、ほぼ年中を短パンで過ごしている。
正確に言うと、キャラクター作りのために1年の3分の2を短パンで過ごすことに決めていたが、最近はあまりにも知名度が高まってしまい、周りからの要望もあるためほぼ年中を短パンで過ごすようになってしまったという。

ユニクロのビジュアルと同じ中禅寺湖でロケを行い、奥ノ谷社長はビジュアルとまったく同じコーディネイトを着用している。もちろんこのために、ユニクロで一式買いそろえた。ちがうのはジーンズの長さだけである。

左手に持っているのは、短パンにするために切ったジーンズの裾だ。

このビジュアルを使った招待状が送られてきたらどうだろう?
圧倒的に目を惹くのではないだろうか。
そして、ここの招待状は、説明がいろいろと書かれてあって「分かりやすい」。

こういう社長のキャラクター作りや、パロディ的な打ち出しに対して「かっこ良くない」「三枚目路線すぎる」という批判があるのは承知している。やはり「アパレルブランドはカッコヨクあるべきだ」という意見も理解はできる。
しかし、個人的にはこういう「真剣なる悪ふざけ」は大好きである。
ともすると、筆者は悪ふざけのような人生を過ごしているので大いに共感できる。

それに、取りすまして気取ったビジュアルばかりを使っていて、ステイタスブランドに勝てるのだろうか?ユニクロのような大手企業の資本力に勝てるのだろうか?とも思う。
中小企業なら、まずインパクトありきで人を惹き付けるという販促もありではないのだろうか。

もしフラムクリップが何の変哲もない販促ビジュアルしか使わない企業なら、それほど企業規模も大きくないからアッと言う間に埋没してしまうだろう。そして一旦埋没してしまえばなかなか浮上できない。
「カッコ良さ」を犠牲にしてでもインパクトと分かりやすさを選んだのは、中小規模のアパレルとしては大英断だと思う。

次にはどのような「仕掛け」が飛び出すのか、今から期待している。

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