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南充浩 オフィシャルブログ

駅直結のアウトレットモールという暴挙

2011年12月12日 売り場探訪 1

 先日、児島・倉敷の取材に行った。

その際、児島でも話題となっていたのが、JR倉敷駅前に12月1日にグランドオープンしたイトーヨーカドーの大型ショッピングモール「アリオ」と、それに連結しているアウトレットモール「三井アウトレットパーク倉敷」だった。

ここでおさらいしたいのだが、観光地として知られる倉敷市の人口は約48万人。
岡山市の人口は約70万人。
駅前に量販型の大型ショッピングモールが建つのは近年珍しいことではなくなってきた。
例えば、JR天王寺駅前の「あべのキューズモール」、JR京都駅の「イオンモール京都」、近鉄八尾駅前の「アリオ八尾」などである。
今回の「アリオ倉敷」もその一環だと考えれば、それほど新規性があるわけではない。

が、しかし、駅から直結でアウトレットモールができたのは、ある意味「暴挙」といえる。

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ちなみにアウトレットモールのテナントラインナップをいくつか列挙する。
「ガリャルダガランテ」「クリア」「ルシェルブルー」「アーバンリサーチウェアハウス」「アルマーニ」「ギャップ」「チャオパニック」「トミーヒルフィガー」「ビームス」「ローズバッド」などなどである。

駅前にアウトレットモールがある場合は、これまでにもあった。
関西圏だと「りんくうプレミアムアウトレット」や三井アウトレットパーク大阪鶴見などがある。
ただ、どちらも駅から10分やそこら歩かなくてはならず、駅直結ではない。

また立地も都心から大きく外れており、大阪鶴見は大阪市とはいえ、地下鉄の終点であり周りには住宅地と田んぼしかない。
りんくうタウンも同じで、関西国際空港の手前で、駅前には広大な使われていない土地が広がるばかりである。

このアウトレットパーク倉敷は違う。
人口48万人の規模の市街地のど真ん中であり、駅直結である。
さらに、JRの在来線で岡山駅から倉敷駅までは、普通電車でわずか4駅・17分の距離しかない。

これほどの都心駅前にアウトレットモールができたのは見たことがない。

もっとも倉敷は通常の大阪市や名古屋市などの大都市と比べて、観光地という性格が強いため、単純比較はできないかもしれない。
観光地に来たお客に買いものをさせる目的もあるかもしれない。

けれども、筆者が訪れた日は、平日昼間にも関わらず来場客でごった返していた。
これは観光客ではなく、地元近隣の住民であろう。
老人、子連れの専業主婦、高校生などである。
おそらく倉敷市の住民以外に、岡山市の住民も多数来場していたのではないか。
観光客狙いとはいえ、地元近隣の商圏を食い破っているのではないだろうか。

りんくうタウンのような無人の荒れ地に、アウトレットモールを建設して近隣ににぎわいをもたらすことは良い試みだと思う。大阪鶴見もそれに近い性格があるかもしれない。

しかし、中規模都市の駅直結でアウトレットモールを建設するのは、むしろ地元近隣を大きく疲弊させるだけではないだろうか。
観光地であった倉敷市には、おそらく中小商店が数多くあったと思われるが、駅前にアウトレットモールが完成したことで、それらが脅かされるのではないか。

それ以外にも岡山市内にある各ブランドのショップも痛手を受けることが推測される。

また、倉敷市には、駅からバスで数分のところに「イオンモール倉敷」がある。
人口48万人の都市に大型ショッピングモールが2つも必要だろうか?
個人的には、駅前立地ということで「アリオ」に軍配が上がり、イオンモールは早晩苦戦に陥るのではないかと思うが、いかがだろうか。

取材先で「安物競争にはキリがない」という言葉を伺ったが、
これは製造業者だけではなく、小売り・流通業者にも通じる言葉である。
大資本による安物販売競争には、まさしくキリがない状況にある。
これを指して「消費者が儲かっている」などと言えるのは、自ら商いをしたことがない口先だけの似非経済学者であろう。

大規模店による安物販売競争は、そろそろ限界に来ていると思うが、歯止めがかかる気配は一切ない。

 comment
  • パンダBROS。   より: 2012/01/02(月) 9:53 PM

    明けましておめでとうございます。
    明けましておめでとうございます。**駅直結のアウトレットモールという暴挙**何気なく、BLOGを読んだ感想なんですが、感想をいきなり。 まあ、地元の人間としての皮膚感覚なんで、外れる可能性は高いですが。トラックバックかけて感想がくるかなー?>観光地であった倉

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