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南充浩 オフィシャルブログ

ブランド休止とウェブサービス休止じゃぜんぜん意味が違う

2018年8月31日 メディア 0

最近、D2Cブランドを過剰に報道するメディアが増え、逆にそれはブランドを殺すことになりかねないと思う。
ところでD2Cの「2」ってナンヤネン。なんでTOって書かないのか。
O2OとかB2Cとか元素記号かよ。
O2Oなんか何かの酸素化合物かと思ってしまうわ。
正直言って、メディアが囃し立てるD2Cの定義もイマイチよくわからない。
トウキョウベースも含めた原価率開示商売も個人的にはまったく賛同できないし、メディア側はとりあえず閲覧者数稼ぎをやっているとしか思えない。
ところで、トウキョウベースが原価率60%とか50%とか吹聴しているが、どうやって20%オフとか10%オフとかやっているのだろうか。まともにやれば粗利なんて吹き飛ぶはずなのだが。(笑)
D2Cとは製造直販ということを意味しており、販売方法はネット通販を限定しているらしいが、それなら自社直営店で販売するSPAだってD2Cじゃないのかと思う。
ことさら、細分化してあたかも「新しいカテゴリーができたように見せる」というくだらない手法だとしか思えない。
現在、国内の各D2Cブランドはさほど売り上げ規模は大きくない。
そりゃ当然である。知名度は低いし、販売方法もネット限定なのだから、そんなにたくさん売れるはずもない。
とはいえ、3人とか5人とかの少人数でブランド運営していれば、売上高がそれほど多くなくても十分に食えるだろうから、それはそれで一つのニッチなジャンルといえる。
ただし、このニッチジャンルがビッグブランドになることは考えられないから、国内の繊維製造加工業すべてとか産地全体とかを潤すようになることはあり得ない。
そういう特性のジャンルだと思って当方は外野から眺めている。
昨日のWWDの報道は、そういうニッチブランドを応援しているようで逆に殺すことになりかねないと思う。
原価を開示するD2Cブランド「10YC」 人気すぎて生産追いつかずブランド一時休止
https://www.wwdjapan.com/677282

ベーシックアイテムに定評のあるD2C(Direct to Consumer)ブランドの「10YC」が8月31日をもってブランドを一時休止する。予想以上の販売数に対して商品を補充することができず、顧客に満足できる供給ができなかったことが理由という。サービス再開は10月上旬を予定する。

とある。
これを読んだ人は、一体どれほど売れているのかと思ってしまうことだろう。
しかし、実態は違う。
アパレルブランド「10YC」サービス一時休止のお知らせ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000028958.html

この度、2018年8月31日をもちまして、WEBサービス(一部サービスを除く)を一時休止をいたしますので、ご報告させていただきます。サービス再開日時については、2018年10月上旬を予定しております。

とある。別にブランド休止でもなんでもない。
ウェブサービスを一時休止するだけで、しかも休止期間はたったの1か月強である。
ウェブサービス休止とブランド休止じゃ全く意味が異なる。
なぜWWDはこんなクソみたいに盛った記事を書くのか。これは誤報レベルだといえる。
また販売枚数についても説明されているが、到底「売れすぎ」とは思えない数量である。

販売枚数が増えてきて、10YC Tee に関しては年間累計1,000枚を販売することができました。

とあり、Tシャツの年間販売数量合計が1000枚になったとのことで、年間1000枚とすると1か月平均で80枚ほどしか売れていない。
これで「売れすぎ」「人気すぎ」というのは盛り盛りも良いところである。
そしてWWDの記事に対しては、当方も含めて相当数の批判や冷やかしがあり、ブランド側もこんなコメントを出している。


以前にもブランド開始時期に、これもたしかWWDだったと思うが盛り盛りの記事が掲載され、あちこちから突っ込みがあった。
今回の件と合わせると、D2Cブランドを過剰に持ち上げたいメディア側の過剰報道、誤報の類だといえるが、ブランド側のプレスリリース作成も落ち度があるともいえる。
ブランド側には、今後ぜひとも専門業者にプレスリリース作成を任せることをお勧めしたい。
一方、メディア側はWWDに限らず、「新しいこと」を報道して、閲覧者数・読者数を増やす。
増やすことによって媒体の影響力が出て、ひいてはそれが広告出稿を集めることができる。
メディアのほとんどは広告収入によって成り立っている。購読料だけで成り立っているようなメディアはほとんどない。
個人の有料メルマガ、例えば読者数が7000人とか8000人とかになったMB氏のメルマガならそれで十二分に購読料だけで成り立っているが、大手メディアで購読料のみで成り立っているものはほとんどない。
結局のところ、ことさらニッチ分野であるD2Cとやらを持ち上げたり、盛り盛りに報道するのは広告収入を得るための営業手段でしかない。
だからこのWWDの誤報は


というふうに見るのが正しい。
それにしてもプレスリリース内容に若干の問題はあったとはいえ、10YC側には気の毒な結果となった。
閲覧者数を伸ばし、次世代のスターブランドを作りたいというメディア側の心理はわからないではないが、実態のないものを持ち上げてムーブメントを作るというのは古臭い昭和の手法だし、そういうことに手を染めるのはいかがなものか。
この手の報道こそが「アパレルを殺している」一つである。

有料NOTE記事を更新しました~♪
ライザップグループのアパレル事業が大きく伸びるとは思えない理由
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n0200a63add2e

ちきりんの推薦はビミョウ~

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