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南充浩 オフィシャルブログ

バッタ屋と呼ばれる在庫処分業は今後注目が高まる?かもね

2018年9月3日 お買い得品 0

今日の繊研新聞プラスで4年前から手伝っている在庫処分屋のラックドゥが掲載された。
この手の新聞に掲載されるのは初めてのことだと思う。
https://senken.co.jp/posts/luck-do-180903
通常、「バッタ屋」とも呼ばれる在庫処分屋だが、8年くらい前にその業界を初めて知ったのは、ショーイチが最初だった。
今でもそうだが、新聞、経済雑誌、テレビなど、アパレルの在庫処分に関してはショーイチが取材対象となることが多いが、実際のところ、業界には数多くのバッタ屋が存在する。
8年前初めてショーイチを経営する山本昌一社長とお会いしたころ、当方よりも8歳くらい年下で、当時は30代前半だった。
当方もまだ40代前半だった。
そのころ、山本昌一社長は
「昔は、バッタ屋さんってたくさんあったんですが、高齢化して廃業する人が増えているようです。たぶん、僕が業界最年少の部類ですよ」
とおっしゃっていたが、そこから8年くらいが経過し、バッタ屋が出店している商店街に出入りするようになると、意外に若いバッタ屋が多い。また若い従業員も多い。
ラックドゥの社長は当方より2歳年下だし、それ以外にときどき話すバッタ屋のスタッフも30代が多い。
バッタ屋業界の統計なんてないだろうから何ともいえないが、もしかしたら8年間の間に業界の新陳代謝が進んだのかもしれない。
バッタ屋にもさまざまなタイプがあって、ラックドゥは直営店舗で販売するのがメインで、現在13店舗くらいを運営している。
ラックドゥよりも安いバッタ屋もさまざまあって、だいたいが複数店舗と催事を運営している。
モカという屋号のバッタ屋なんて破格値品があって、今年2月にはニットの蝶ネクタイを1本100円で売っていたので、5本くらい買った。
ちなみにまだ一度もニットの蝶ネクタイを着用していない。(笑)

100円で買ったニットの蝶ネクタイ


どなたか蝶ネクタイ着用のパーティーにでも呼んでください。
ショーイチは直営店舗で売るというよりも、大規模に卸売りしたり、ネットで販売する方が強いように見える。
あと、屋号は知らないが、ときどきメンズの掘り出し物を買うバッタ屋は大阪市内に複数店舗を持っているらしく、ときどきそんな話をする。
今年の冬にフリースのパジャマ上下を690円で買った。

別のバッタ屋で買った500円のフリースズボン


まあ、こんな感じで身の周りだけを見てもバッタ屋業界は多士済々なのだが、これを例えば「組合」だとか「協会」だとかを作って組織化することはかなり難しいと感じる。
とはいえ、もしかしたら今後、バッタ屋というのはアパレル業界においては重要な役割を果たすのではないかと感じる。
先日、H&Mやバーバリーが不良在庫を「焼却」していたと伝えられ、けっこうな騒ぎになった。
地球環境を考えれば騒ぎになることはわかるが、それでもバーバリーに限らず、昔からイメージの高いブランドは不良在庫を「廃棄」していた。そうでなくてはブランドイメージを高く保つことは困難だった。
ちなみに「焼却」というのは軽い誤報ではないかと思っている。
釦やファスナーなど不燃物が取り付けられている衣料を「焼却」するのはご法度なはずだ。
産業廃棄物として廃棄されるのが一般的である。もしかしたら「償却」というのを同音異義語の「焼却」としてしまったのかもしれない。
アウトレットストアがない頃は、それこそ不良在庫はほとんどが廃棄だったし、バーバリーに限らず、知人のデザイナーズブランドだって不良在庫品は廃棄している。
今では大手は直営アウトレットストアを構えているからそこに放り込めばある程度は処理できるが、弱小ブランドはそういう体力がないからブランドイメージを保つためには廃棄している。
他の色柄に染め直して再度販売という手法もなくもないが、小ロットで染め直すと、染め直し工賃が高くなり、不良在庫の染め直し品なのに定価よりも高値になってしまうという珍現象がおきる。
このため、あまり実用的な方策とはいえない。
一方、凄まじい処分方法をとっているのが、フォーエバー21である。
指定されたセール品は2枚目無料なのである。

フォーエバー21のPOP


ジーンズ屋やスーツ屋が2枚目半額という手法はよくとっているが、国内ブランドで2枚目無料という手法をとっているブランドは知る限りではない。
1枚3200円が1600円に下がり、それがもう1枚タダでもらえるから、1600円で2枚手に入ることになり、1枚当たりは800円ということになる。
ブランドイメージを高く保つためには廃棄が適切だとはいえ、産業廃棄物として廃棄するためには産廃業者に「カネを払って」持って行ってもらわなくてはならない。
しかし、もう1枚を無料で配布すれば、無料で不良在庫が処分できるということになる。
まあ、その代わりにブランドイメージは地に落ちる。
フォーエバー21がほとんど注目されなくなり、ジリジリと店舗数を16店舗にまで減らしているのはこれが原因の一つではないかとも思える。
今後、不良在庫を産業廃棄物として廃棄することはかなり騒ぎになるだろうから、直営アウトレットストアを構えられない中小・零細ブランドは、バッタ屋に安値で引き取ってもらうというケースが増えるのではないかと思う。
バッタ屋に売るなら、不良在庫を引き取ってもらえて少額ではあるがカネももらえる。
しかし、ブランドイメージを高く保つことは難しいが、自店内で投げ売りをするよりはもしかするとイメージ維持はマシかもしれない。
この辺りは消費者アンケートでもとってみないと何ともいえないが、フォーエバー21のように「2枚目無料」で店内で配布されるよりは、どこかの商店街で安値で処分される方が、直接見えない分だけブランドイメージが守られるのではないかと思うがどうだろうか。
ちなみに「バッタ屋」とは虫のバッタかと思ったが、江戸時代の古物商の隠語だという説がある。
もちろん、虫のバッタという説もあるが、個人的には古物商の隠語の方が正しい由来ではないかと思っている。
そんなわけで、今後、在庫処分業というバッタ屋は意外に注目産業の一つになるかもしれない。
超巨大産業になることはないだろうが、これまでよりは注目が集まるのではないかと思う。

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