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南充浩 オフィシャルブログ

正しい用語を使わないと生産現場が混乱する

2011年11月9日 未分類 0

 アパレルの企画担当者が素材の名称を知らないことが多くある。

もちろんそうではない物作り密着系のブランドもあるが、ユニクロを除くSPA型ブランドなどはその最たる例であろうか。

某OEM業者が「先日、ある企画担当者がデニムとダンガリーとシャンブレーの違いについて知らなくて驚いた」という。もっとも、ブランド側からすれば、青色でカジュアル感のあるやや厚手のシャツ地なら何でも良かったのかもしれない。

しかし、製造側からすれば使用素材は正しく指定してもらわねば困る。
生地もそれぞれに価格が違うし、加工方法も異なる。

シャンブレーは経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に違う色を使った平織りである。
デニムは、経糸にインディゴ色の糸を、緯糸に白糸を使った綾織りである。
ダンガリーはデニムと逆で経糸に白糸、緯糸にインディゴ色の糸を使った綾織りである。

特にデニムとダンガリーは区別が付きにくい。

彼によると「話を聞いて、それはダンガリーですね。と言うと担当者は『ちがう。シャンブレーだよ』と憤るが、その指示のままで商品を仕上げると、『こんなのじゃない』と言いだすことが目に見えているから、相手にするのも疲れますよ」という。

アパレルの企画担当者として就職するためには、多くの場合、ファッション・服飾系の専門学校を卒業するのが近道なのだが、専門学校でもある程度、素材の授業はあるのに、このような卒業生が量産されてしまうことは不思議でならない。

これと似たようなことが、ファッション雑誌の記事でも見かける。
記事というよりもキャプションと言った方が正確だろうか。そこまで文章は長くないからだ。
これは実際に某男性ファッション雑誌で目にしたキャプションだが、鹿の子編みのポロシャツについて「○○糸を使って織り上げたポロシャツだ」と書いてあった。

鹿の子編みという時点で、「織り」ではなく「編み」なのである。
このライターは織りと編みの違いすらわからなかったのだろうか?また校正した編集部もこのミスに気が付かなかったのだろうか?

また、これは予断だが、今は亡き某業界新聞でも「カシミヤ100%の混紡デニムを完成させた」という文章を見たことがあり、驚いたことがある。混紡というのは、いくつかの違う原料を混ぜて紡績した糸を使った生地のことである。例えば綿とウール、綿とポリエステルなどのように。
だからカシミヤ100%なら混紡ではないし、カシミヤ100%で混紡は物理的に「できない」のである。

正しい用語を使わないことには、生産現場が混乱するだけだ。
アパレルの企画担当者もファッション雑誌も「フワッ」としたムードだけでなく、きちっとした基礎知識を持つことが求められている。

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