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南充浩 オフィシャルブログ

取り組むべき相手は伊勢丹ではなく、高島屋と大丸だ

2011年11月1日 未分類 0

 先日、JR大阪三越伊勢丹が売上計画を200億円下方修正した。
それは昨日のブログで触れさせてもらった。

3月の記者会見にもぐりこんだとき、多数のマスコミが出席しており、みな一様に「ファッションの伊勢丹さんが~」という質問を繰り返していた。
シラーっとした感情で、そのやり取りを眺めていたのだが、マスコミ各社が期待に胸を膨らませているのがはっきりと分かった。

正直に言うと、各社は何をそこまで伊勢丹に期待してるのかわからない。

伊勢丹という百貨店は、新宿本店以外は成功した試しがない。
京都店という例外があると言われるが、京都店は初年度、新宿本店流のMDを導入して売上高300億円台と低迷した。ちょうど今の大阪伊勢丹と同じである。
不振に終わったため新宿流を止め、京都に適したMDに組み替えて550億円にまで売上高を高めることができた。
一方、小倉店と吉祥寺店は撤退している。
そのほかに伊勢丹には目ぼしい店舗はない。

アパレル業界では、百貨店のプライベートブランド(PB)の企画生産を請け負っている企業がいくつかある。
その場合、もっともロット(生産枚数)がまとまり、効率的に生産できるのは高島屋と大丸である。
伊勢丹でも阪急でもない。

高島屋と大丸の両社に共通しているのは、大型店が全国にまんべんなくあり、そのどれもがそこそこに売上高が大きいことである。
アパレルの生産というのは、ロットが大きければ大きいほど効率的で、1枚当たりの製造コストを安く抑えることができる。

100枚作るよりも1000枚、1000枚作るよりも10000枚作る方が効率的でコストを抑えることができる。

その観点では、ロットがまとまるのが高島屋と大丸である。
名高い伊勢丹はどうかと言えば、新宿本店が突出しているものの、後の店舗は売上高が小さい。
全店合計でまとめると、ロットは高島屋と大丸に遠く及ばない。
阪急百貨店も伊勢丹と似た構造にある。梅田本店が突出しているが、その他店舗はあまり売上高は大きくない。

OEM企画で取り組むべき百貨店は伊勢丹ではなく、高島屋と大丸である。
宣伝広告への投資と割り切って伊勢丹と付き合うのなら別であろうけども。

さて、新宿本店流のMDが通用するのは新宿本店だけであろうことは、過去の伊勢丹の例から証明されているのではないか。
何故、また大阪店で新宿流を振りかざしたのかが理解に苦しむ。
そして、一般マスコミはさておき、業界紙も経済誌も何故、新宿本店流のMDが新宿以外の土地で成功していないことに触れなかったのかも理解できない。

オープン前から冷や水を浴びせるような論調が溢れかえるのは困りものだが、こぞって称えるような報道ばかりもいかがなものだろうか?
特定企業への根拠なき過度な信仰は無意味である。

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