ユニクロの売れ行きは気候要因に左右される。と思う。
2010年11月10日 未分類 0
昨日から全国的にさらに冷え込んできた。この気候では、防寒衣類がさらに活発に動くのではないかと予想され、不景気な業界にはとりあえず明るい話題だと言える。
いつも拝読し、勉強させていただいているブログの1つに、イッセイミヤケ前社長の太田伸之さんのブログがある。
http://plaza.rakuten.co.jp/tribeca512/
文章が丁寧で、毎回かなり詳細にいろいろなことを説明してくださっている。結構な長文なので集中力のないときには、読むのがつらくなるときもある。
その中で、ユニクロの9月度の不振について、「一部マスコミが猛暑のせいにしているが、そうではない」旨を説明されておられる。太田さんは常に「売れ行きの良しあしを天候のせいにしてはいけない」とおっしゃっている。
http://plaza.rakuten.co.jp/tribeca512/diary/201010100000/
長文なのでところどころを抜粋させていただく。
モンクレールのダウンジャケットが8月から好調に売れていることについて触れておられ、
気候が暑かろうが高額ダウンが売れる、これぞファッション。私はよく「売れない理由を絶対天候のせいにするな」と社内会議で言い続けてきました。
(中略)
猛暑にめげず月予算も前年対比もクリアしているショップがあります。そのショップの空調システクが故障して暑かったならまだしも、売れない理由を単純に天候のせいにしていては何の解決にもなりません。業績不振ならば、その問題点が品揃えにあったのか、ディスプレイなどの見せ方にあったのか、人事異動などでスタッフ問題があったのか、お客様へのアプローチがうまく行かなかったのか、正確に問題点を突き詰め同じ失敗を繰り返さないよう工夫する、店長も担当営業もこうでなくてはなりません。
とある。
たしかにおっしゃる通りで、
猛暑にも関わらず売れている秋冬アイテムもあるし、厳寒にも関わらずまったく動かない防寒アイテムもある。
「ファッション」ブランドであるなら、ブランドステイタスや丁寧な接客、アイテムのデザイン性などで天候要因をカバーできる。
イッセイミヤケのシステムについても、
店長は不振理由を絶対に天候のせい、商品のせいにしてはいけません。営業振り分けで自動的に本社が商品を配布するシステムならともかく、わが社は店頭に発注権を与えていますからマーチャンダイジングは店長の仕事、自分で品揃えしておいて商品のせいにされては困ります。もしそんな発言する店長がいたら、担当営業は部長に店長交代を求めたらいいのです。
とのことであり、店長がMDを組み立て、自分で自社製品の中から仕入れ品を決められるシステムになっている。
イッセイミヤケの「ELTTOB TEP」が大阪市南船場にある。Tくん(仮称)という顔見知りの販売員の方がいるのだが、いつも丁寧に商品説明をしていただく。こちらはイッセイの商品など買えるお金を持っていないのでいつも雑談程度にいろいろと教えていただくにすぎないのだが。
で、冒頭のユニクロに戻ると、
ユニクロは気候要因にやはり左右されると思う。
店長がMDを組み立てているわけでもなければ、自社製品をセレクトしているわけでもない。加えてTくん(仮称)のような丁寧な接客もない。ないというよりも「セルフ買い物方式」こそがユニクロの目指す方向性である。
自分もイズミヤというスーパーの子会社、三元株式会社(現社名ビーユー)社員として、3年弱、スーパー内のテナントで洋服、靴を販売したことがある。もちろん、イッセイほどの接客はしないし、できるほどの腕もなかった。お客さんは「セルフ方式」で買い物をしてゆかれる。
そういう店頭では、当然のことながら気候要因は大きい。寒ければ半袖は売れないし、暑ければ防寒衣類は売れなかった。
ましてや本部から予期せぬ商品がドサっと送られてきた日には、頭を悩ませながら品出しをした。
モンクレール、イッセイミヤケのようなファッションブランドと、量販店系ブランドとではお客さんのモチベーションは絶対に異なる。ユニクロはどちらかというと量販店系のプライベートブランドであるので気候要因は大きくなるのではないか。
現に寒くなると肌着業界が活性化する。ユニクロのヒートテックに限らず防寒肌着が全般的に動く。夏の涼感肌着も各社がキャンペーンをしているが、防寒ほどの大きなムーブメントにはいまだになりきれていない。
そういう流れからするとユニクロに限らず、ライトオン、マックハウス、ポイント、ハニーズ、しまむらなどの量販店系のショップは気候要因が大きなウエイトを占めると考えている。